【目次】

【1】腰痛を20秒で解消「反り腰対策ストレッチ」


なぜ「反り腰」になってしまうのかといえば、長時間のPC作業による姿勢の悪化や、運動不足による筋肉の衰えや柔軟性の低下で骨盤が前傾(前方に傾いている)するから。ヒールの高い靴を履くことも、体のバランスを取ろうと骨盤が前傾しやすくなるといわれています。

骨盤が前傾するとまっすぐ立つことが難しくなるのですが、私たちは無意識でまっすぐ立とうとバランスを取ります。するとこの状態が当たり前になり、腰を反りながら立つことが癖になってしまうため、腰に負担がかかり腰痛を引き起こします。まずは前傾した骨盤を正しい位置に誘導して戻すことが先決。

片膝立ちで腸腰筋と大腰筋をストレッチする簡単ワザ。左右10回ずつ、計20秒で完了します。なかなか意識されにくい腸腰筋と大腰筋ですが、少し意識することで、腰痛の解消、姿勢やプロポーションを改善につながるので、このストレッチは習慣にするといいでしょう。

STEP.1:右足は立て膝になり、左の足はつま先を立てる

右足は90度に曲げて、膝の上に両手を置きます。左足は膝の真上に骨盤がくるようにし、つま先を立てます。これが基本姿勢。

姿勢はまっすぐ正し、反り腰にならないように注意して。
姿勢はまっすぐ正し、反り腰にならないように注意して。

STEP.2:お腹を引き上げるようにキープし、お尻だけを前に突き出す

STEP.1の体勢のまま、お尻だけを前に突き出すように動かす。これを10回行う。反対側も同様に行いましょう。深呼吸しながら、お腹を引き上げると安定して行えますよ。

骨盤周りの筋肉がしっかりと伸び、腰回りが軽くなるのを実感できるはず。
骨盤周りの筋肉がしっかりと伸び、腰回りが軽くなるのを実感できるはず。

【まとめ|腰痛を20秒で解消!「反り腰」対策ストレッチ4か条】
1.集中してPC作業などをしていると「反り腰」になりやすい。
2.「反り腰」は骨盤が前傾している状態のことなので、この歪みを解消するのが先決。
3.硬くなった腰や骨盤周りの筋肉=腸腰筋、大腰筋を緩めて骨盤を正しい位置に戻すのが効果的。
4.立て膝になり、お尻を突き出す動作を20秒行うだけで、腸腰筋、大腰筋が緩むストレッチに。

初出:長時間のPC作業による腰痛を20秒で解消!「反り腰」対策ストレッチとは?

【2】腰痛の根本改善「上半身ストレッチ」


私たちがまっすぐ立っているときや、頭を動かしたときには「三半規管」がその動きを感知し、情報が「前庭脊髄路」を通じて全身に伝わります。これによって私たちの体は無意識に姿勢を調整してバランスを保つため、ふらつかずに立ったり歩いたりすることができるのです。

このメソッドは、上半身をゆっくり前後左右に動かすだけなのですが、この動きが「三半規管」を刺激して、「前庭脊髄路」に情報が送られ、姿勢が自然と安定しやすくなる効果が。腰痛の原因のひとつは、腰だけで体を支えようとすることにあるので、このメソッドで上半身をリラックスさせつつ、全身を使って体を支えられるようになると、腰への負荷が軽減。ぎっくり腰予防にもなるので、慢性化している人は、是非やってみてくださいね。

STEP.1:前屈、背屈をして可動域を確認

前屈や背屈をしてからメソッドを行うと、腰回りや背中の柔軟性や動きやすさがどれだけ変わったかを実感しやすくなりますし、どの動きがしにくく、どこが硬くなっているのがわかります。
まずは前屈を行います。床に手がつくかどうかチェックしましょう。

前屈をして可動域を確認
 

背屈は腰に手を当てて行います。これはチェックのためなので、無理せずにできる範囲でOKです。

背屈をして可動域を確認
 

STEP.2:上半身を腰から倒すように左右に傾ける

足を揃えてまっすぐ立ち、上半身を腰から倒すように左に倒し、次に右に倒します。これを1セットとして5回繰り返しましょう。このとき、腰から頭までつながっていることを意識して行ってください。

上半身を腰から倒すように左右に傾ける
 

STEP.3:上半身を腰から倒すように前後に動かす

STEP.2と同様に、上半身を腰から倒すように前に倒します。

上半身を腰から前に倒す
 

次に後ろに倒します。これを1セットとして5回繰り返しましょう。このときも、腰から頭までつながっていることを意識して行ってください。このあと、前屈と背屈をしてみて、どれくらい可動域が広がったか確認してみると効果が実感できますよ。

上半身を腰から後ろに倒す
 

【まとめ|慢性腰痛のお悩み解消!上半身を動かすだけでラクになる意外な方法4か条】
1.悪い姿勢のクセや体幹の弱さが慢性腰痛の原因に。
2.根本解決にはマッサージだけでなく体のバランスを整える対策を。
3.「三半規管」と「前庭脊髄路」へのアプローチで体を安定させると腰の負担の軽減に。
4.上半身を前後左右に動かすだけで、腰痛が驚くほどラクになるこのメソッドがおすすめ。

慢性腰痛のお悩み解消!【村木さん考案】上半身を動かすだけでラクになる意外な方法とは

【3】立ち姿が美しく変わり腰痛も改善「キャットストレッチ」


「キャットストレッチ」とは、背骨の柔軟性を高めるのが目的で、期待できる効果はこれだけあります。

1)背骨や肩甲骨の動きが良くなることで、巻き肩を解消し、美しい姿勢に。
2)骨盤周りの筋肉がしなやかになり、歪みを改善し、腰痛を解消。
3)首から背中にかけての筋肉をほぐすため、首コリを緩和。
4)自律神経のバランスが整い、イライラを軽減。
5)内臓機能が活性化し、便秘解消、ダイエット効果もあり。
6)姿勢が整うことで血流が良くなり、むくみを解消。

また、簡単なストレッチなだけあって、なんとなくポーズをとっている人も多いはず。ひとつひとつのポーズをきちっと行わないと効果は半減。よつんばいになったときの手の位置、足の位置や、背骨をひとつひとつ動かすように意識する、そして背中を丸めたときの視線、肩甲骨の動かし方など、この機会におさらいを!

STEP.1:よつんばいになり、背中を高く持ち上げるように丸める

肩の下に腕を、股関節の下に膝がくるようによつんばいになります。そしておへそを覗き込むように頭を下げながら、骨盤持ち上げるようにして、背中を丸める姿勢に。このとき、手で床をグッと押しながら行ってください。

よつんばいになり、背中を高く持ち上げるように丸める
 

STEP.2:目線を上げて、肩甲骨を寄せながら背中を反らせる

手で床を押したまま、目線を上げて、背中を反らせます。このとき肩甲骨を肩甲骨を寄せること、腹部を伸ばすことを意識しましょう。STEP.1、STEP.2の動きを10〜15回繰り返しましょう。

目線を上げて、肩甲骨を寄せながら背中を反らせる
 

【まとめ|立ち姿が美しく変わり、腰痛も改善!キャットストレッチ4か条】
1.猫の背伸びの動きを真似た「キャットストレッチ」にはうれしい効果が多数あり。
2.その効果は巻き肩を解消し、美姿勢に。ほかにも腰痛を解消したり、首コリ解消、ダイエット効果も。
3.ただし適当ポーズでは効果は半減してしまうので、この機会におさらいを。
4.オバサンに姿勢になっているかも…! と気になる人は継続的に行うのがおすすめ。

立ち姿が美しく変わり腰痛も改善!【村木さん指導】キャットストレッチ

【4】悪姿勢、腰痛、むくみを改善「膝裏ストレッチ術」


腰痛やむくみが気になる人は、膝裏の筋肉が固まっているのが原因かもしれません。座りっぱなしによって膝裏の筋肉が固まり収縮してしまうと、膝がうまく伸びずに姿勢が悪くなってしまいます。姿勢が悪くなれば、骨盤が歪み、腰痛や足のむくみを引き起こしますし、さらに膝の痛みが出るなど、不調にもつながることを知っておきましょう。

普段はなかなか意識していない、膝裏の柔軟性は、実は健康にもスタイルアップにも大きく影響しているので、このストレッチ、ぜひ習慣にしてくださいね。

STEP.1:左足を前に出し、左手で左足の裏を掴む

体を前に倒し、右足を曲げながら左足を前に伸ばします。そして、左手で左足の裏を掴みます。このとき左膝は曲げずに、なるべくまっすぐに伸ばしましょう。そして、できる人は踵の方まで掴むようにすると、より効果が高まります。

左足を前に出し、左手で左足の裏を掴む
 

STEP.2:左手を上にあげる、おろすを10回繰り返す

STEP.1の状態から、左手を上にあげて、またSTEP.1の状態に戻します。これを10回繰り返して。反対側も同様に行いましょう。

左手を上にあげる、おろすを10回繰り返す
 

【まとめ|悪姿勢、腰痛、むくみを改善!簡単・膝裏ストレッチ術4か条】
1.座りっぱなしで膝を曲げた状態が続くと、膝裏の筋肉が固まりやすい。
2.膝裏の筋肉は、骨盤につながっているので固まると骨盤が歪む。
3.姿勢が悪くなり、腰痛、むくみなど不調を引き起こすのでケアは必須。
4.立った姿勢から簡単に膝裏を伸ばすストレッチなら、いつでもどこでもできるのでおすすめ。

悪姿勢、腰痛、むくみを改善【村木宏衣さん直伝】簡単・膝裏ストレッチ術

【5】美脚&腰痛対策「太もも裏のばし」


太ももは立ちっぱなし、座りっぱなし、そして長時間歩いたりすることで酷使されるため、疲労しやすく筋肉が硬くなりやすい部位です。「太もも裏の筋肉が硬い」ことが常態化してしまうと、「膝曲がり状態」のまま歩くことになり、骨盤の歪み、姿勢の悪さにつながります。さらに、腰の筋肉が引っ張られることで負荷がかかり、腰痛を引き起こしやすくなります。

そこで、効率よく太もも裏の筋肉を柔軟にする、タオルストレッチです。フェイスタオルを使うことで、太もも、膝裏、ふくらはぎまでしっかりとストレッチをかけることができるので、脚がまっすぐになる美脚効果、腰痛予防だけでなく、腰から下の血液循環がアップして、脚の疲労やむくみ解消にも効果的。タオル1枚あればできるので、ぜひ1日に1回は行ってみてくださいね。

STEP.1:フェイスタオルをふくらはぎにひっかける

フェイスタオルの端と端を手で持ち、片方のふくらはぎにひっかけたまま脚を天井に向けて伸ばしましょう。もう片方の脚は曲げて下ろしておきます。

フェイスタオルをふくらはぎにひっかける
 

STEP.2:フェイスタオルを手前に引っ張りながら太もも裏を伸ばす

フェイスタオルを手前に引っ張りながら、太もも裏、膝裏、ふくらはぎをストレッチします。このとき、足首は90度でキープしてください。太もも裏、膝裏、ふくらはぎがしっかりと伸びるのを感じましょう。これを20秒×3セットを左右交互に行ってください。息は止めずに深呼吸しながら行いましょう。

フェイスタオルを手前に引っ張りながら、太もも裏を伸ばす
 

【まとめ|美脚効果&腰痛対策に!太もも裏のばしメソッド】
1.「膝曲がり状態」の人は太もも裏の筋肉がガチガチに硬くなっているのが原因。
2.ヒール愛用者は、太ももの裏側に負荷がかかり硬くなりやすいので要注意。
3.太もも裏の筋肉が硬くなると、腰の筋肉が引っ張られ、腰痛を引き起こす原因にも。
4.対策は、タオルを使って効率よく太もも裏をストレッチするのがおすすめ。

美脚&腰痛対策に!【村木さん指導】太もも裏のばしメソッド

【6】むくみ、冷え、腰痛解消「テニスボールほぐし」


デスクワークや立ちっぱなしの仕事など、長時間同じ姿勢でいることが習慣化していて、腰痛や冷え、むくみが慢性化していると感じている人は、お尻がコリ固まっているはず。 その原因は、お尻にある大きな筋肉「大臀筋」が硬くなることが深く関わっているのですが、そもそもお尻のコリは感じにくいうえに、マッサージもしにくい部位。それゆえ、たいていの人は放置してしまいがちなのですが、前に挙げた「腰痛」「冷え」「むくみ」だけでなく、「お尻のたるみ」までも引き起こしてしまうのですから、自覚がある人は今すぐケアを!

テニスボールをお尻におき、自分の体重を使ってコリほぐすという方法。力を使わずに、だれでも簡単に深く圧をかけることができるので、ぜひ試してみてくださいね。

STEP.1:膝を立てて座り、お尻の下にテニスボールを置く

足を揃えて膝を立てて座ります。そして、お尻の中央より、やや上で、お尻にぎゅっと力を入れたときにできるくぼみあたりにテニスボールを入れます。後ろに両腕を伸ばして、なるべくボールに体重をかけます。これが基本姿勢に。

膝を立てて座り、お尻の下にテニスボールを置く
手に体重をかけるのではなく、テニスボールに体重をかけるように意識しましょう。

テニスボールを置く位置がここです。ここがお尻の緊張がほぐれやすいポイントですが、イタ気持ちいいと感じる場所におきましょう。

テニスボールを置く位置
正確でなくても、お尻の真ん中よりちょっと上のだいたいの位置で大丈夫です。お尻をほぐすと骨盤の歪み予防にも。

STEP.2:お腹の力を使って、ボールを押しつぶすようにお尻を回す

そろえた膝を右に倒し、お腹の力を使ってボールを押しつぶすようにお尻を回します。左回り、右回りを各10回ずつ。反対側も同様に行いましょう。

ボールを押しつぶすようにお尻を回す
小さく円を描くように、コンパクトな動きでOKですが、テニスボールをぐりぐりとつぶすように体重をかけてください。

【まとめ|むくみ、冷え、腰痛解消に!テニスボールでお尻のコリをほぐす正しい方法4か条】
1.腰痛、冷え、むくみを感じている人は、お尻がコリ固まっている可能性大。
2.お尻のコリは実感しにくく、マッサージもしにくい部位なので放置しがち。
3.テニスボールを使ってお尻をマッサージする方法が有効。
4.お尻の筋肉=大臀筋がほぐれることで下半身の血流がよくなり冷えやだるさが解消できる。

教えてくれたのは:村木 宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。

村木宏衣さん指南|むくみ、冷え、腰痛解消に!テニスボールでお尻のコリをほぐす正しい方法とは?

この記事の執筆者
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