【目次】
- ダイエットに必要なのは、「正しい食べ方」を身につけること
- しっかり食べてきれいに痩せる!太りにくい体をつくる食べ方【5選】
- ストレスを溜めない、太らない間食選の選び方【4選】
- 食事制限なしで痩せるために必要な運動のポイント【3選】
ダイエットに必要なのは、「正しい食べ方」を身につけること
◆摂取カロリーを減らすと代謝も落ちる
40代にもなると、代謝の衰えを気にして、食べる量を減らしたり、野菜中心の食事にするなど、カロリーオフに精を出す方も多いのですが、果たしてこれは、正しいダイエット法と言えるのでしょうか? 「摂取カロリーより、消費カロリーを多くすることは、体脂肪を落とすための基本です。しかし、食べる量を減らすことで、最初は体重が落ちても、体はその低カロリーの食事に合わせて代謝を落としてしまうので、長期的には太りやすい体を作ってしまうことになります。体は少ないエネルギーしか入ってこなければ、体の代謝を落とし、余計なエネルギーを消費する筋肉を落としていくというワケです。特に、40代女性にとって良くないのが、早く痩せたいからと、食事を減らして、激しい運動をすることです。エネルギー不足になり、筋力が落ちて、代謝が下がり痩せにくくなるばかりか、栄養不足で老化を加速させてしまいます」(ボディワーカー 森拓郎さん)。
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◆糖質を抜くとエネルギー不足を起こしてリバウンドの原因に
「糖質ダイエットに失敗する方の多くは、ただ単に、食事からご飯や麺類などの穀物を抜くという食事をしているからです。これでは、辛い食事制限と何ら変わらず、むしろエネルギー不足を起こして、我慢できずにドカ食いしてしまったり、栄養不足により、リバウンドを起こすなど、長続きするわけがありません。『糖質制限ダイエット』も、糖質を完全にオフするのではなく、上手に糖質をコントロールしながら行えば、リバウンドもなく、太りにくい体を手に入れることができます。糖質を摂取したら太ると思っている方も多いのですが、正しく食べれば太りません。脳と赤血球が必要とする糖質の量が120g。これ以外に、基礎代謝や活動代謝にも糖質が使われるため、最低でも一日の糖質量は150g以上が必要になります。これ以下になると、低血糖を防ぐため、体は糖質の消費を抑えようと代謝を落とし、痩せづらい体になってしまいます」(森さん)。
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しっかり食べてきれいに痩せる! 太りにくい体をつくる食べ方【5選】
「多くの方が、ダイエットは厳しい食事制限と運動をすることだと思っています。なかには、運動しないと体脂肪は燃えないとも思っている方もいるようです。しかし、私達の消費カロリーの大半は基礎代謝と日常の活動代謝によるもので、運動で消費できるエネルギーはわずかなもの。つまり、基礎代謝量とかわらないぐらいの1200キロカロリー程度の食事しかとっていなければ、代謝が下がり、逆に太りやすくなってしまうのです。正しく栄養を摂取して、それを消費できる代謝を獲得するためには、体脂肪になりやすい脂質のような無駄なものをなるべく減らして、エネルギーを消費するのに必要な糖質やたんぱく質、そしてミネラルビタミンを積極的にとるということが重要です。食事制限や流行のダイエットに飛びつくのではなく、正しい食べ方を身につける『食事改善』こそが、太らない体を手に入れる近道なのです」(森さん)。
【1】高たんぱく・中糖質・低脂質な食事を心がけよう
「40代女性が心がけたいのは、程よく糖質を摂ることと、積極的なたんぱく質の摂取。脂質はなるべく減らしつつ、食事の時には良質なタンパク質を必ず摂取するようにすると、良いバランスを保つことができます。エネルギー源となるご飯は白米、玄米、雑穀米など何を食べてもOK。また、できるだけ魚を食べる方が、低脂質で高タンパクな食事メニューをつくりやすくなります。タラやサケ、タイなどの白身魚、アジ、イワシ、サバなどの青魚がおすすめです」(森さん)。
【1食における理想の献立は?】
「理想の献立は、肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質を組み合わせ、1食『見た目の50%』をたんぱく質にするのが理想的です。うち動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の割合は7:3が目安と成ります。圧倒的にたんぱく質が不足気味なので、毎食、十分に摂取するように心がけましょう」(森さん)。
【プロテインドリンクもおすすめ】
「間食など甘いものが欲しくなる人は、プロテインドリンクを飲むことで、欲求を抑えられる方も多いようです。手軽に手に入るので、取り入れてみるのもおすすめです」(森さん)。
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【たんぱく質の1日の摂取量について】
シンプルで覚えやすいのは、体重の数字(kg)×1g=一日の必要量、という計算方法です。体重が50kgの人ならば、たんぱく質は50g。筋肉を増やすために何か運動をしている人なら、体重の数字(kg)×1.2~1.5gでもいいでしょう。例えば、ゆで卵1個のたんぱく質量はおよそ7g、豆腐(木綿)1/2丁(150g)はおよそ10g、胸肉のチキンステーキ(100g)はおよそ20g。これらを積み上げて、一日の必要量を充足すればいいのです。
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【2】「ベジタブル・ファースト」よりも「プロテイン・ファースト」を意識
「血糖値の上昇を抑えたり、食べ過ぎ予防にも効果があるとして、野菜を先に食べる食事法『ベジタブル・ファースト』が話題になりました。食べ過ぎが心配な方は、この食べ方はおすすめです。しかし、代謝を良くすることが目的であれば、『プロテイン・ファースト』を意識する方が良いでしょう。たんぱく質を優先しても、血糖値の急上昇は防げます。ビタミンやミネラル、食物繊維を含む野菜の摂取は大切ですが、肉や魚、卵などのたんぱく質の方が栄養価も高く、ダイエットには効果的です」(ボディワーカー 森 拓郎さん)。
【3】食べ過ぎた翌日は「絶食」「減食」でなく、食の調整を!
「外食など食べ過ぎた翌日は、前日に食べ過ぎた分を調整することは大切。ですが、絶食したり、量を少なくするのは、栄養不足になりかえって逆効果。意識すべきは、何をどれくらい食べるかということなのです。例えば、前日に食べたもので脂質が多かったのであれば、低脂質なものを選び、糖質やタンパク質は最低限の量を摂取すればOK。具体的には、ご飯、味噌汁、白身魚や大豆を使ったお惣菜などを組み合わせた、脂質を控えめにした和定食がおすすめです。自分が食べ過ぎたものをある程度把握しておけば、翌日に何を食べるべきかがよくわかります。サラダにしたからといって、ドレッシングをたっぷりかけていたら、脂質がオーバーになるので気をつけましょう」(ボディワーカー 森 拓郎さん)。
【4】噛み応えのある、自然の素材を使った食事をしよう
「麺類、柔らかいパン、スープなど、あまり噛まなくていい食べ物は避け、よく噛んで食べる食材を選ぶようにしましょう。咀嚼は脳を刺激し、摂食中枢に働きかけて、食欲を正しく制御します。また、顎の力が弱ると、フェイスラインが崩れる他、首が短くなり、首の横ジワも目立つようになります。美容面においても、しっかり噛んで食べることは重要というわけです」(ボディワーカー 森 拓郎さん)。
【5】1日2リットルの水を飲む必要なし!食事中の水分摂取も控えめに!
「水は1日2リットル飲むといいという説がありますが、科学的な根拠は一切ありません。水の過剰摂取は、水分代謝が低い方の場合、むくみの原因になることも。夏場なら1リットル、冬場なら500ml程度で十分です。飲めば飲むほど老廃物が排泄されたり、痩せるといったこともないので、ほどほどにしておきましょう。また、食事中の水分の摂りすぎは、噛む回数を減らしてしまうので、控えめに」(ボディワーカー 森 拓郎さん)。
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ストレスを溜めない、太らない間食選の選び方【4選】
ストレスホルモンにより脂肪をため込みやすくなり、甘いものを我慢することでストレスがさらにたまって悪循環に。ストレス解消におやつが欠かせない人は、太りにくいおやつ選びのポイントをチェックしましょう。おやつはあくまで食事の補助的アイテム。1日200キロカロリー以内を目安に選ぶとよいです。
【1】糖質が少なく、食物繊維が多いもの
糖質が多いものは血糖値の急上昇、急下降を招き、脂肪になりやすいのだそう。糖質が少なく、食物繊維が多いものがおすすめです。
例:寒天ゼリー、おから
【2】たんぱく質が豊富なもの
たんぱく質が多いと満腹感が得られやすいので、おやつでストレス解消できるだけでなく、1日の総摂取カロリーをおさえられるというメリットも。糖質が含まれていても、血糖値が急上昇しないので脂肪になりにくいのだそうです。
例:ヨーグルトなど乳製品、ナッツ類、サラダチキン、プロテインバーなど
【3】ゆっくりよく噛めるもの
少量でもたくさん噛むと満腹感が得られます。さらに、噛むことで消費エネルギーも増えるのだそう。脂肪を燃えやすくしながら、おやつを食べることができるとは、一石二鳥ですね。
例:するめ、ジャーキー、素焼きのナッツ
【4】砂糖代わりの甘味料やオリゴ糖入りのもの
チョコレートを選ぶときは、砂糖の約半分のカロリーというオリゴ糖入りがおすすめ。さらにフラクトオリゴ糖なら、血糖値がほとんどあがりません。腸内フローラも改善してくれます。
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食事制限なしで痩せるために必要な運動のポイント【3選】
【1】筋トレでカロリーを消費する
「トレーニングは何歳からはじめても遅すぎるということはありません。たとえ80歳になっても、正しいトレーニングを行うことでちゃんと筋肉量を増やすことができます。何もしないと20代をピークに、40代では20%、70代では半分の50%の筋肉が減少するといわれています。筋肉量を維持するためには、もちろん早くはじめるに越したことはありません。筋トレにいちばん向いている時間帯は朝食前。朝食前の時間は体内に糖分が少なく、体脂肪の分解が促進されるので、体を引き締めるための筋トレにはベストなタイミング。また、筋トレにより、アドレナリンやエンドルフィンなどが分泌されることで、一日を活動的かつハッピーに過ごせる効果も。ただし起き抜けは筋肉が冷えているので、ケガ予防のために入念なストレッチを」(医師 田中詩織さん)。
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「筋トレは、太ももやお尻、背中などの大きな筋肉から鍛えるのが基本です。そうすると基礎代謝が上がるので、体が引き締まりやすく、効率よく筋肉をつけられるように。また、自分では目が届きにくい背面の筋肉を重点的に鍛えるのも女性におすすめ。姿勢改善につながり、着こなしも美しくなるはず。逆に肩周りを鍛えすぎてしまうと、たくましい印象に…」(パーソナルトレーナー 小塚愛美さん)。
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【2】内側の筋肉を効率よく使ってカロリー消費
「食事量を減らしているのに体重が減らない、それどころか、下腹がぽっこり出ている、便秘が続いている…。実は、その原因は脂肪ではなく、内臓が下がっているからかもしれません。内側の筋肉を効率よく使えるようにするために必要なのがほぐすこと。そして、ストレッチをしてゆるめることです。骨盤まわりをほぐしておくと、骨盤底筋や膣を引き上げやすくなるのはもちろん、横隔膜や腹横筋などの内側の筋肉も動きやすくなります。 出せるカラダになるには、内側の筋肉を使えるようになることが大事なんです」(姿勢改善コアトレーナー 村田友美子さん)。
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【3】「呼吸」で代謝を高める
「お腹をふくらませて行う呼吸には腹式呼吸と逆腹式呼吸の2種類があります。逆腹式呼吸は、息を吐くときにお腹を膨らませ、息を吸い込むときにお腹を凹ますという方法で、合気道でも取り入れられている呼吸法のこと。まず、ウエスト部分に手を当ててください。息を吐いているとき、自分の手を押し返すような気持ちでお腹をふくらましましょう。最初は難しいかもしれませんが、意識すれば、簡単にできるようになります。そうすると腹部や横隔膜がしっかりと動くので、インナーマッスルや消化器や腸などの内臓が活性化。血流が良くなって代謝がアップするのでダイエット効果が得られるそう。さらに背骨周りの筋肉が緩んで、リラックス効果が高まるだけでなく、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるという話も。就寝前やイライラしたときに、ぜひこの逆腹式呼吸をやってみてくださいね」(エイジングデザイナー 村木 宏衣さん)。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部