【目次】

艶のある肌になるには習慣が大切


■艶を手に入れるための心がけ3箇条

「年齢を重ねると肌のボリュームがダウンし、キメも浅くなります。そうなると、自分でふんわりと柔らかな艶を生み出すことが難しいので、コスメに頼って艶をつくり出すように。キメが浅くなる=表面がフラットになっているため、艶の種類を選び間違えるとギラギラとした強い光を放ってしまい、品が欠けてしまうこともあるので、大人に似合う自然かつエレガントな艶を感じられる肌を目指しています。

1つ目はスキンケアでふっくらとした肌を取り戻すこと。保湿ケアとエイジングケアのコスメを使い、潤いのある肌をキープするように心がけていました。また、紫外線は肌の老化や乾燥を加速させるので、UVカットは通年欠かさず行っています。

2つ目は体調を整えて、睡眠不足にならないように気を付けていました。バランスの良い食事と、足りない栄養素はサプリメントで補うことを習慣に。良質な睡眠も肌にとって欠かせないものなので、なるべく睡眠時間を確保するようにしています。

3つ目適度な運動。ずっと続けている “ながらウォーキング” は、移動をできるだけ徒歩にしているのですが、スマホの歩数計をチェックしたところ、今年は日平均が11000歩でした! また、週に1回はホットヨガに通っているので、体調も肌艶もよくなったと感じています」(ビューティPRコンサルタント 松本晶子さん)。

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■紫外線対策を常にする

女性の写真

室内でも紫外線対策は必要です。紫外線は窓ガラスをおよそ70%も透過します。若干ですが壁や床に反射したぶんも届きます。もしも短時間であってもテラスに出たり外出するのなら、そのときは鉄壁の紫外線対策が必要です。曇りでも晴れの約65%、雨でも約20%、あなどれない紫外線が降り注いでいます。リモートワークでもすっぴんは危険です。

■去年使ったUVを使わない

去年のUVはダメではありませんが、保管状態がよければ…、という条件つきです。使用する前に、異臭がしないか? 変色がないか? 中身が分離していないか? 必ず確認を。開封した化粧品は早めに使いきるのが理想です。特に、日焼け止めは、炎天下の屋外での使用もあり、変質が心配。保管状態に自信がない場合は、新調することをおすすめします。

■夏の強いピーリングが要注意

美容皮膚科でも人気のピーリング。酸などの薬剤を用い角質を取り除きます。ピーリングの最大の魅力はザラつきやくすみへの即効的な効果。しかし、肌の最外層には紫外線や乾燥から守る大切な役割もあります。無理に皮膚をはがすと角化異常や肌荒れなどの大きなダメージを与えかねません。夏のピーリングは深追いしないことが第一です。

■レーザー治療も夏はNG

夏のレーザー治療はおすすめできません。治療中は肌を紫外線から完璧に防御する必要があるからです。絆創膏や日焼け止めを使うとしても、紫外線量がピークの7~8月は避けたいところ。日差しが弱まる10月以降を検討して。また、シミを濃くしないためにも、新たなシミを増やさないためにも、美白コスメと日焼け止めは絶対に使うべきです。

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潤い力を高め艶肌になる「角質ケア方法」


■乾きがちな大人の肌こそ「角質ケア」が必要な理由

「しっかりと保湿ケアをすることが大切。しかし、潤いが失われがちな大人の肌には、与えた潤いをしっかりとキープできるよう、肌の基礎力を育てるアプローチも重要になってきます。というのも、潤い力が弱いと、いくら保湿をしても、水分が蒸発してしまい、すぐに乾燥してしまう、負の乾燥スパイラルに陥ってしまうからです。

それではどうしたら良いかというと、潤い力=肌のバリア力を育てるためのケアが大切になってきます。それが、肌の一番表面にある角層を整える『角質ケア』です。角層には肌の保湿を担う3大要素が存在。中でも、角質細胞の隙間で水分を抱え込み、肌を健やかに保つ『細胞間脂質(セラミドなど)』と、角質細胞内部の保湿成分である『天然保湿因子(NMF)』のふたつの成分が潤い力=バリア力に大きく関与しています。

これらの潤い物質は、ターンオーバーの過程で作られていて、角層が整うと、良質な潤い物質が十分に産生されるため、バリア機能も高まり、潤い力もアップするというわけです。

ターンオーバーも整うので、古い角質も剥がれ落ち、くすみやごわつきなども解消。なめらかで透明感溢れるツヤ肌も手に入ります。ピーリンクなどの角質ケアは肌に刺激を与え、潤いを奪い、乾燥を招くといった誤った認識をされている方も多いのですが、美容医療の分野では、ピーリングを行うと肌の水分量がアップするという確かなデータもあり、その効果はすでに実証されています。

もちろん、やりすぎはよくありませんが、期間や回数などを守って行えば、モチっとしたツヤツヤの肌が手に入ります。年齢を重ねるごとに、潤い物質であるセラミドや天然保湿因子のNMFは減少していくので、肌の乾燥も強くなっていきます。そんな大人の肌には、冬だけでなく、肌の水分量を上げるためにも、定期的な角質ケアが有効です」(皮膚科専門医 慶田朋子さん)。

慶田朋子さん
皮膚科専門医
(けいだ ともこ)銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会レーザー専門医。東京女子医科大学病院皮膚科、聖母病院皮膚科などで勤務したのち、2011年に現クリニックを開設。最新の美容医療テクニックに加え、丁寧な診察と治療で多くの患者から厚い信頼を得ている。豊富な美容知識と分かりやすい解説がメディアでも大人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)、『365日のスキンケア』(池田書店)など。

皮膚科専門医が解説! 乾きがちな大人の肌こそ「角質ケア」が必要な理由

■角質をオフする洗顔方法

加齢によりターンオーバーが乱れると、不要な角質が肌にたまり、くすみやざらつきなどの原因に。拭き取りローションやゴマージュ、酵素洗顔を投入して定期的な角質除去を行うのが有効です。肌へのよけいな負担を軽減するために、ざらつきや毛穴詰まりが気になる部分だけにポイント使いを。物理的に落とそうとすると摩擦を与えてしまうので、洗顔料の力で溶かすよう、ゆっくり丁寧になじませて。

洗顔方法

洗顔料_2,クレンジング_2,スキンケア_2
1.ローションタイプはゆっくり滑らせる
洗顔料_3,スキンケア_3,クレンジング_3
2.ゴマージュはポイント使いを

1.ローションタイプはゆっくり滑らせる

中指と薬指の腹に置いたコットンをローションでひたひたにしてから肌へ。擦らないよう、内から外に向けてゆっくりとコットンを動かして。

2.ゴマージュはポイント使いを

ゴマージュや酵素洗顔は、毛穴詰まりやざらつきが気になる部分だけに使用して。力を入れずに表面をなでるようになじませるのがコツ。

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化粧水を入れ込み艶肌になる「スキンケア方法」


■水の潤いを極上のハリに変える方法

「化粧水は、これ以上は吸い込まないという限界まで、入れ込む。それが、圧倒的なハリとツヤとなって表面に漲ってきます。具体的には、初めに、コットンを使い顔全体に押し込むようになじませます。次に、指先でトントンしながら水分をなじませる。さらに、手の平全体で一滴残らず押し込むイメージです。

使うのは、しっとりとした高保湿タイプの化粧水。潤い成分や油分もたっぷり入っています。だから、クリームは最小限ですみますし、そうなるとアブラ崩れしにくく、メイクも長もちします。下地やファンデーションも使用量が減り、素肌感のある仕上がりが一日中キープできます」(ヘア&メイクアップアーティスト 黒田 啓蔵さん)。

スキンケア方法

スキンケア_2,化粧水_2
化粧水をあの手この手で肌に入れ込む。コットン→指トントンのあとに、両手の平で顔を包み込み、温めながら押し込む。肌の上に残った水分をすべて吸わせるイメージで。潤いが足りないと感じたら、この3つの工程を繰り返して。
スキンケア_3,化粧水_3
最初に、化粧水をコットン全体がひたひたになるくらいたっぷりととって、たたかずに肌にしっかり押し込んでいく。
スキンケア_4,化粧水_4
次に、指の先で優しくトントンとたたき、肌をほぐしながら、化粧水をなじませる。
黒田 啓蔵さん
ヘア&メイクアップアーティスト
(くろだ けいぞう)誰もが知る大女優たちがこぞって指名。常にCM撮影や舞台やコンサートのため日本中を飛び回っている。有名コスメブランドのディレクションを手掛けるほか、プロのヘア&メイクへの指導も多い。その美容術はすべての女性の美しさを底上げする普遍的かつ革新的なもの。

超大御所ヘア&メイクアップアーティストの黒田啓蔵さん琉「化粧水メソッド」|たまった詰まりを流して、整える

ターンオーバーを促し艶肌になる「生活習慣」


■質の良い睡眠が美肌の鍵に

成長ホルモンとは細胞の新陳代謝を促し、肌の生まれ変わりや修復をする働きがあります。この成長ホルモンは、何時に寝ても、眠りについてから3時間の間に分泌が最も多くなるとわかってきました。そのため、寝ついてからの3時間をいかに途切らせることなく、深く眠れるかが美肌の鍵に。

寝ている間の肌は、日中のダメージを修復するためにフル稼働しています。これは何も肌に限ったことではなく、睡眠中は体全体の修復かつ再生も行われていて、そこにかかるエネルギーは膨大! 日中は肌を守るために強固になっているバリア機能も、睡眠中は必要なくなり、低下します。

睡眠中の肌はバリア機能が低下し、乾燥を招きやすいうえ、肌内のヒアルロン酸やコラーゲンといった水を抱えて肌を潤わせる成分が年齢とともに減少していきます。このダブルの影響により、大人肌は夜間に水分がより蒸散しやすくなり、乾燥が深刻化。そこで、寝る前のお水500mlが肌を救う。スキンケアで保湿を行うのはもちろんですが、体の内側からも水分をとって蓄えておくことも、肌の乾燥をくい止めることに役立ちます。夕食時から飲むようにしてみて。変化を感じるはずです。

藤本 幸弘さん
クリニックF 院長
(ふじもと たかひろ)レーザー治療を得意とし、アンチエイジング治療に精通。肌のことだけでなく、枕や睡眠によい音楽など、睡眠についても詳しい。

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■筋肉をつけると肌がきれいになる

筋トレによって増える成長ホルモンが肌のターンオーバーやダメージ修復を促進。筋肉量が増えると血流もよくなるので、美肌をキープするためには筋肉をつけることが不可欠です。

また2018年に、運動によって分泌される生理活性物質“マイオネクチン”に、メラニンの生成を抑制する働きがあることも発見されています。つまりは、筋トレすれば、透明美肌まで手に入るということ!

田中 詩織さん
東京大学医学部卒業。総合内科医を経て「筋肉・美容クリニック」を麻布十番に開院。コンセプトは、医学的な根拠に基づいた治療とトレーニングによって、一生ものの体づくりをサポートすること。

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■不足しがちな栄養はサプリで補う

食事でとりきれないぶんは、サプリで補うのが合理的。

「美肌のためには野菜をたっぷりとって、といわれますが、現在の温室栽培だったり口当たりをよくするため品種改良された野菜はビタミンなどの含有量が激減しています。たとえばほうれん草のビタミンCや鉄分の含有量は、1950年のほぼ5分の1。栄養補給は正しい食生活が基本ですが、食事でとりきれないぶんはサプリで補うのが合理的です。

肌のターンオーバーに必要な亜鉛は点滴などで補うこともできないので、サプリが有効ですね。ビタミンは免疫機能に大切なCやBを。Cはストレスで大量に消費されますし、ビタミンB群が不足すると睡眠の質が低下します。多忙な女性は、まずこのふたつのビタミンを補ってほしいですね」(松倉クリニック代官山 院長 貴子さん)。

貴子さん
松倉クリニック代官山 院長
(すみや たかこ)美容皮膚科、形成外科の専門医としてだけでなく、エレガンスキャリアとしても高名。美容・健康と栄養との関係に着目し、高品質のサプリ開発を手がけている。

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艶のある肌をつくる「メイク方法」


■艶系下地とパウダリーファンデーションでつくる

ツヤ肌にはハリ感や潤い、透明感をもたらす効果がありますが、一歩まちがえるとテカリに見えてしまいます。大人世代は生っぽいツヤ肌よりも、内側からほのかに発光しているような上品なツヤ肌を目ざすべき。テカリに見えないベースメイクは、最新の下地とパウダリーファンデーションでつくり、仕上げにほんのりハイライトを効かせるのがポイント。

メイク方法

1.下地を「なると置き」して広げる

下地はスキンクリームを塗り込むように肌に密着させながら広げるのがコツ。
下地はスキンクリームを塗り込むように肌に密着させながら広げるのがコツ。

ツヤ感の出る下地を1プッシュ手に取り、両頬、おでこ、あごにクルクルとなると状にのせ、乾く前に素早く広げます。

2.ファンデーションをブラシで塗る

パウダリーファンデーションをブラシにとり、肌の上を滑らせるように全体に薄くオン。塗り終わったらブラシを立てて肌表面を磨くようにブラシを動かし、残った余分な粉を払います。そのままのブラシで首筋をすっとなぞり、顔と首の質感を統一します。

3.ファンデーションをブラシで塗る

Cゾーンのほかに、眉上や鼻筋やあご先などに狭い範囲で部分的にのせるのがコツ。
Cゾーンのほかに、眉上や鼻筋やあご先などに狭い範囲で部分的にのせるのがコツ。

ハイライトを指にとり、目の周りにポンポンとタッピングしながらのせます。顔を左右に動かし、ツヤ感が欲しい部分に少しずつ足していきます。パール感が強すぎるものを避け、ほんのりツヤが出るハイライター をセレクトして。

長井かおりさん
ヘア&メイクアップアーティスト
多くの女優やモデルからの指名を受ける人気ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌や広告など第一線で活躍する傍ら、メイクレッスン講師としても活躍。ひとりひとりの個性や魅力を引き出す、上品なメイクテクニックにファン多数。Precious.jpでは、大人のリアルな肌や骨格の悩みをメイクだけで見事解決。

最新版!テカリに見えない、大人のツヤ肌のつくり方

この記事の執筆者
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