【目次】
腕のコリや疲労が溜まる「原因」
■普段のパソコン作業やスマホ操作

スマートフォンを使い続けていたり、パソコン作業が続いたりすると腕が重だるくなる、と感じている人は多いのではないでしょうか。これは腕が内巻きにねじれたまま凝り固まってしまうことが原因です。これによって肩が内側に入る「巻き肩」になり、背中が丸くなり姿勢が悪化。肩甲骨周りにある僧帽筋などの筋肉が引っ張られて緊張状態に…。これによって肩コリ、首コリを引き起こしてしまうのです。
「腕がねじれている」という自覚がない人でも、自然と背中が丸まってしまうならば要注意! 腕のねじれによって悪い姿勢がクセになっているのかもしれません。解決策は、この腕のねじれをリセットするマッサージをこまめに行うこと。とても気持ちがいいし、腕も肩も軽くなるのでぜひ試してみてくださいね。
腕のねじれ&疲労をリセットする【村木宏衣さん伝授】簡単ほぐしワザ
「コリを押してほぐす」マッサージ【4選】
【1】腕をスッキリさせるツボ押しマッサージ
腕が重だるいと感じている人は要注意。放っておくと肩コリや首コリが悪化したり、ひどい場合には腱鞘炎になることも!こまめにケアしておくことが得策です。腕のコリにダイレクトに効く「曲池(きょくち)」というツボ。これは、首コリ、肩コリの解消、自律神経のバランスを整える、上半身の血流をよくするなどにも効果的で、免疫力をあげる万能なツボといわれています。プッシュするとすぐに腕がラクになるのでぜひ試してみてくださいね。
<STEP.1>「曲池」のツボの位置を確認
肘を曲げたときに、外側にできるシワの端にあるのが「曲池」。肘関節の骨のきわあたりにあります。

<STEP.2>腕を曲げ伸ばしすることで刺激する
反対の手で肘を掴むようにし、中指で「曲池」のツボを押さえる。

腕を曲げたり伸ばしたりすることで、力を使わなくても「曲池」のツボをしっかりと刺激できる。曲げ伸ばしは、左右で各10〜20回くらい行いましょう。

\このメソッドの効果とポイント/
・パソコンやスマホ操作、重たい荷物を運ぶ作業などで腕はこりやすい。
・放っておくと肩コリや首コリが悪化し、ひどい場合は腱鞘炎になることも。
・疲れを持ち越さないためには「曲池(きょくち)」というツボをプッシュするのがおすすめ。
・腕コリ、首コリの解消、免疫力を上げるなど、万能なツボなのでこまめにプッシュを。
村木宏衣さんが教える「腕のコリがスッキリ!ツボ押し」メソッド|パソコン疲れでお悩みの方へ
【2】腕のねじれをリセットするマッサージ
スマホが手放せない私たちの腕は、気づかないうちに疲労が溜まっていることをご存知ですか? 操作するとき、手を軽く握ったままの状態でいることが多いと思いますが、これによって腕は「内巻きにねじれ、凝り固まって」しまいます。これによって腕が重だるくなり、肩が内側に入る巻き肩になり姿勢が悪化、首コリや腰痛を引き起こすなど、つらい症状につながってしまいます。
そこで、「ねじれた腕をリセットする」ためのマッサージ。ポイントは、手首を曲げるときに使う筋肉である橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)をほぐすこと。
<STEP.1>橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)の位置を確認
橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)とは肘から手首にかけてある筋肉で、手首を曲げるときに使う筋肉。親指をあげると盛り上がる筋肉です。マッサージするのは赤で示した位置あたり。

<STEP.2>橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)をほぐす
腕をつかむようにして、人さし指、中指、薬指の3本の指の腹で、肘に近い橈側手根屈筋をほぐします。指がぐっと入りやすく、ほぐすとイタ気持ちがいいポイントがありますので、その部分を縦方向、横方向にほぐします。各10〜20回ずつ、うにうにとほぐし、反対の腕も同様に行いましょう。

\このメソッドの効果とポイント/
・スマートフォンを長時間使い続けると腕がねじれてコリ固まる。
・さらに「巻き肩」になり姿勢が悪化、肩コリ、首コリを引き起こす。
・腕がねじれている自覚がなくても、自然と背中が丸まっている人は要注意。
・ねじれた腕をリセットするには橈側手根屈筋をほぐすのが効果的。
腕のねじれ&疲労をリセットする【村木宏衣さん伝授】簡単ほぐしワザ
【3】腕のだるさが劇的にラクになる前腕部マッサージ
「前腕部(ぜんわんぶ)」とは、手首から肘までのことを指すのですが、疲労の蓄積=コリを感じにくい部位。けれどもこの疲労はどんどん上へと伝わっていくため、肩や背中のコリ、つまり上半身のコリを悪化させてしまう原因になってしまうのです。パソコン作業では、手のひらが常に下向きになっていて、これは肘の外側から親指にかけての筋肉が斜め内側にねじれた状態。そして、スマホ操作の場合は肘を曲げて固定したまま操作をするため、筋肉が緊張しっぱなしに…。
実は腕への負担がかなり大きく、誰もが「前腕部」が凝っているはずです。試しに前腕部を反対の手でギュッと握ると、ハリや痛みを感じるのではないでしょうか?「前腕部」のコリを解消するメソッドなら、腕のコリ解消はもちろん、肩も首も背中もラクになるし、さらに腰痛解消にもつながるのだとか。とても簡単なので、隙間時間にぜひ、行なってみてくださいね。
<STEP.1>左手で右手首から肘方向へと指をすべらせる
左手で右腕を軽く握ります。手首から肘方向にすべらせるように移動させますが、左手の親指が前腕部の骨の間をほぐすように、少し圧をかけながら動かしましょう。

<STEP.2>前腕部でいちばんコリ固まっている部分をほぐす
STEP1の動作で肘方向に左手を滑らせると、肘の手前でぴたりと止まる位置があります。ここが前腕部でいちばんコリ固まっているポイントなので、その部分を左右に「うにうに」と親指で約20秒くらいほぐしてください。左の腕も同様に行いましょう。

\このメソッドの効果とポイント/
・腕が重くだるい、指が動きづらいという人は前腕部(ぜんわんぶ)に疲労が蓄積している。
・腕はコリや痛みを感じにくい部位のせいか、疲労の蓄積に気づかない人がほとんど。
・腕の疲労は上へと伝わっていくため,肩や背中のコリ、つまり上半身のコリを悪化させてしまう原因に。
・「前腕部」のコリを解消すると腕だけでなく、肩も首も背中も楽になるし、さらに腰痛解消にも。
肩コリ、腕のだるさが劇的にラクになる!【村木さん考案】腕ほぐしメソッド
【4】寝ながらできるテニスボールを使ったマッサージ
腕の筋肉は肩や首、背中までつながっているので、ここをほぐすだけで全身がラクになる…なんてことも。テニスボールを使った「腕こり」解消メソッド。自分の手で揉むのは疲れてしまうけれど、テニスボールを使えば、簡単に筋肉の深いところまでほぐすことが可能。しかも寝ながらできてリラックス効果も。寝る前の「腕こり」リセット、ぜひやってみてください。
<STEP.1>仰向けになり、腕の下にテニスボールをおき、押さえつける
腕は肩の高さまであげるのがポイント。軽く肘を曲げた状態で、テニスボールをグッと押さえつけます。これが基本姿勢。

<STEP.2>肘から下の腕をぐるぐると回す
STEP1の状態で、肘から下の腕をぐるぐると外回しします。これを5回繰り返して、次に内回しを5回行いましょう。

<STEP.3>テニスボールの位置を変えて、計6か所にあてる
テニスボールを置く場所は、写真の丸の位置の計6か所。1か所につき内回し、外回しを各5回ずつ行って。

\このメソッドの効果とポイント/
・パソコン作業やスマホ操作は腕の筋肉が緊張しっぱなしになり、コリにつながる。
・「腕のコリ」は、肩コリ、背中のハリなど、実は身体全体の不調につながることも。
・自分の手で腕を揉むよりもテニスボールを活用すると簡単に深いところまでほぐせる。
・片腕3か所の計6か所に当てて、腕全体を満遍なくほぐすとスッキリする。
村木宏衣さん指南|テニスボールで「腕こり」解消!肩も背中もラクになる腕回しメソッド
「伸ばして疲労を解消する」マッサージ【4選】
【1】腕のこわばりを緩和させる筋膜リリースマッサージ
同じ姿勢で長時間作業を続けていると、筋肉が固まるだけでなく、筋膜もねじれてこわばります。「腕はそこまで疲れていないはず。そんなことよりも肩や首のコリが…!」という人が多いのではないでしょうか。実は肩や首のコリも「腕の筋膜がねじれてこわばっている」ことが大きく関わっています。腕が固まって使えない状態になっているため、肩が内巻きになる、首が前に出る、これによって肩や首に負担がかかりコリにつながっているのです。
試しに二の腕を片方ずつ、ぎゅっとつかんでみてください。意外と張りやコリを感じている人が多いのではないでしょうか。こうなると猫背になるし、首からデコルテにかけてむくみが起こりやすくなり、デコルテがもったりしてきます。鎖骨が見えにくくなっている…という人はぜひ、この筋膜リリースを試してみてくださいね。
<STEP.1>二の腕を手のひら全体でつかみ、外側に向かってさする
まず二の腕の内側の肘に近いところを手のひら全体を使って掴みます。そのまま、軽い力で外側に向かってさするように動かす。これを5回。そして上に向かって手の位置をずらしながら、腕の上部まで同様に行います。反対の腕も同様に行ってください。

<STEP.2>肩甲骨から動かすように肘を回しながら、STEP.1の動作を行う
次は肘を肩と水平の状態になるように上げて、肩甲骨から大きく回すように肘を外回ししながら、もう一度、STEP.1の動作を行います。反対の腕も同様に行いましょう。肩の可動域が広がり、巻き肩解消に。肩甲骨から大きく回すように。

\このメソッドの効果とポイント/
・長時間のパソコン作業、スマホ操作は、「腕の筋膜がねじれてこわばっている」状態に。
・筋膜のねじれは巻き肩、首コリ、肩コリになり姿勢が悪化。
・コリによって首からデコルテにかけてむくみが起こり、デコルテがもったり状態に。
・簡単な腕の筋膜リリースでデコルテがスッキリ、姿勢が改善!
デコルテがスッキリ!村木さん流・腕の「筋膜リリース」で美姿勢に!
【2】腱鞘炎予防になる腕&指伸ばしマッサージ
簡単なストレッチではありますが、効果をアップさせるためのちょっとしたコツが。腕は正面の方向に伸ばすことと、親指は丸めずにしっかりと広げること。これでスマホ操作疲労で硬く縮こまった指先までしっかりとストレッチすることができます。腕や手指がスッキリとするのはもちろん、肩こり、首こり、そして腱鞘炎の予防にもなるので、ぜひこまめにやってみてくださいね。
<STEP.1>腕を正面に伸ばし、反対の手で手のひらを手前方向に押す
腕が下がってしまうとストレッチ効果が出にくいし、上がりすぎてしまうと肩に力が入ってしまうので、写真のように正面に向かって伸ばすのがベストです。
反対の手を使って、イタ気持ちいいくらいの加減で手のひらを手前方向に引きこみます。これで15秒ぐらいキープしてください。反対の手も同様に行ってください。

親指は丸めずにしっかりと広げるのがコツ。スマホで縮こまった手指がしっかりとストレッチされます。

\このメソッドの効果とポイント/
・スマートフォンやパソコンの操作で「腕」と「指」が酷使されている。
・「腕」「指」が疲労で縮こまることで、肩コリや首コリに繋がりやすい。
・ 片腕15秒ずつのストレッチをこまめに行うのがおすすめ。
・ 腕の高さ、親指の広げ方などちょっとしたコツで効果がさらにアップし、腱鞘炎予防にも。
村木宏衣さん指南|30秒でスマホ疲れがスッキリ!腕&指伸ばしストレッチが効く
【3】ねじれた腕を戻す腕を回すだけマッサージ
パソコンのマウスを動かす、スマートフォンの操作など、手を酷使するせいか腕がなんとなく重だるく感じている人は多いのではないでしょうか。これは腕が内巻きにねじれたまま凝り固まってしまうから。これによって肩が内側に入る「巻き肩」になり、姿勢の悪化、首コリ、さらに脳疲労まで引き起こす可能性あり、というのだからケアは必須。たった1分で完了するので、仕事の合間にやってみてくださいね。
<STEP.1>右手を正面に向かってのばす
姿勢を正して、右手を正面に向かってのばします。このとき座っていても、立っていてもどちらでもOKです。

<STEP.2>STEP.1の体勢のまま、左手を使って外方向にねじる
1:右手を軽く握り、左手を開いた状態で右手の下から支えるように当てます。
2:左手で右手を包むように、軽く握ります。
3:左手で、右手を外に回旋させます。その状態のまま30秒キープしてください。のびて気持ちいい、と感じるくらいの強さで行いましょう。

\このメソッドの効果とポイント/
・パソコン、スマホの操作で手を酷使すると手も腕も疲労状態に。
・放置すると腕が内巻きにねじれたまま凝り固まってしまうことも。
・腕のねじれは巻き肩や姿勢の悪化、首コリの原因になるのでケアが必須。
・腕を外向きに回旋させるこのストレッチで、重だるかった腕がスッキリ。
村木宏衣さん指南|スマホ疲労解消!ねじれて固まった腕を60秒でリセットする簡単ワザ
【4】手と腕のコリをほぐし疲労解消する指ストレッチ
手には27個の骨がありますが、この骨を動かして手指を曲げたり伸ばしたりすることができるのは、筋肉と骨を結び付ける「腱」という繊維状の組織があるからです。使い過ぎによりこの「腱」と筋肉がしなやかさを失ってしまいます。手に力が入りづらいかも…と感じている人は要注意。「手と腕」に疲労が蓄積している証拠なので、対策が急務です。
丸く固まっていた手を反らすようなストレッチ作用で、手、腕のコリをリセットできます。手と腕が重だるい…と感じている人はぜひやってみてくださいね。
<STEP.1>手指の腹で座面を押すようなポーズで椅子の上に置く
手を軽く開いた状態で、手指の腹で押すようなポーズで椅子の上に置く。第一関節まで、指の腹がつくように押しつけましょう。腕が曲がることなく、まっすぐ伸ばせる体勢になるようにしましょう。

<STEP.2>右回転、左回転をそれぞれ15回、ひねるようにストレッチする
椅子の置いた指先のポジションは動かさず、腕を使って手をひねるようにストレッチします。右回転で15回、左回転で15回行いましょう。反対の手も同様に行ってください。

\このメソッドの効果とポイント/
・日々手と腕を酷使しているが、ほかの部位と比べて疲れを感じにくく、いつの間にか疲労が蓄積している。
・放置すれば、作業効率が落ちるだけでなく肩コリや呼吸が浅くなるなどつらい症状に。
・疲労により手の腱と筋肉がしなやかさを失い、手と腕が凝り固まることに。
・手指に刺激を与えて、動きが鈍っている腱と筋肉を目覚めさせるリセットワザがおすすめ。
仕事効率を上げる!【村木さん考案】「手と腕」のコリをほぐすリセットワザ
- TEXT :
- Precious.jp編集部