【目次】

のっぺり顔に見える「原因」


のっぺり見えるのは顔に余白が増えるから

上の写真は、日本人の平均的な顔を合成して作成したもの。20代の顔はメリハリがあり、あごもキュッと引き締まっているものの、50代の顔は眉や目元が下がり、フェースラインも四角くなっているのが見てとれます。(資料提供:資生堂)

上の写真は、日本人の平均的な顔を合成して作成したもの。20代の顔はメリハリがあり、あごもキュッと引き締まっているものの、50代の顔は眉や目元が下がり、フェースラインも四角くなっているのが見てとれます。(資料提供:資生堂)

上の写真を見てもわかるように、若いころからは確実に顔の印象というのは変わってきています。個人差はあるものの、目元が下がり、頬骨の高さがなくなって、フェースラインは四角くもたついた印象になり、顔に余分な空白=「余白」ができてくるのです。そのため、若いころと同じメイクをしていては、年相応の顔にしか仕上がらなくなるのです。けれど、ちょっとしたコツを取り入れてメイクを施すだけで、顔の印象はガラリと変わるもの。

たとえば、ただファンデーションを均一に塗るのをやめるだけでも、顔に立体感が出て、顔の余白を埋めることが可能に。このように、眉の描き方、チークの入れ方など、それぞれのパーツでほんの少しメイクを変えるだけで、顔の余白を埋め、若く見せることが実は簡単にできるのです。

気になる「余白」はココ!

「余白」そのままメイク

「余白」そのままメイク

■1:目元

眉尻が下がって、上まぶたも重たくなり、間延びして見えて目力が弱くなる。

■2:頬

頬骨の高さがなくなり、のっぺりと広がった印象をチークの光と色で立体感を出して。

■3:口元

唇の輪郭が曖昧になり、特に薄く見えてくる上唇はリップライナーを駆使!

■4:フェースライン

頬が落ちてきたぶん、フェースラインが四角くなっていたら、ベースメイクで立体感を!

【1】メリハリ感のある「ハイライト+ファンデーション」


余白を埋めるベースメイクプロセス

<STEP.1>ファンデーションは、全顔に塗らないのが鉄則!

肌の色と同じファンデーションを選び、頬骨の下あたりからエラの部分は塗らず、ほかの部分は通常どおりに塗っていく。これだけでシェーディングカラーをのせるよりも簡単に余白が埋まる。

肌の色と同じファンデーションを選び、頬骨の下あたりからエラの部分は塗らず、ほかの部分は通常どおりに塗っていく。これだけでシェーディングカラーをのせるよりも簡単に余白が埋まる。

<STEP.2>ハイライトを上品に入れるには、面積を小さく

練りタイプのハイライトを薬指にとり、眉間、鼻筋の上から1/3まで、目頭の脇、頬骨の高いところより内側に斜めに、あご先にそれぞれおく。目頭の脇以外は、その場でトントンとなじませる。

練りタイプのハイライトを薬指にとり、眉間、鼻筋の上から1/3まで、目頭の脇、頬骨の高いところより内側に斜めに、あご先にそれぞれおく。目頭の脇以外は、その場でトントンとなじませる。

目頭の脇においたハイライトは、指でまぶたにのばすようにしてなじませる。黒目上の手前までで止めるのが上品に魅せるポイント。

目頭の脇においたハイライトは、指でまぶたにのばすようにしてなじませる。黒目上の手前までで止めるのが上品に魅せるポイント。

<STEP.3>フェースラインのスマホゾーンにパウダーをオン

ファンデーションを塗っていない頬骨の下、エラの部分(スマホゾーン)から額まで、フェースラインをぐるっと1周するようにフェースパウダーをパフで滑らせるようにしてのせる。

ファンデーションを塗っていない頬骨の下、エラの部分(スマホゾーン)から額まで、フェースラインをぐるっと1周するようにフェースパウダーをパフで滑らせるようにしてのせる。

7歳若返る!「顔の余白」を埋めて、キュキュッと小顔になるベースメイク

【2】立体感が出る「ハイライト+チーク」


長井かおりさん
ヘア&メイクアップアーティスト
多くの女優やモデルからの指名を受ける人気ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌や広告など第一線で活躍する傍ら、メイクレッスン講師としても活躍。ひとりひとりの個性や魅力を引き出す、上品なメイクテクニックにファン多数。Precious.jpでは、大人のリアルな肌や骨格の悩みをメイクだけで見事解決。最新刊『世界一わかりやすいメイクの教科書』(講談社)も大好評!

メリハリのある垢抜け顔に

パーツと骨格を意識したハイライト&チークで、自然な立体感のある仕上がりに。

パーツと骨格を意識したハイライト&チークで、自然な立体感のある仕上がりに。

<STEP.1>目尻下にリキッドハイライトをオン

目尻下のハイライトは内側に広げすぎないのがポイント。

目尻下のハイライトは内側に広げすぎないのがポイント。

スポンジで擦るとファンデーションがよれるので、ポンポンと叩き込みながらなじませる。

スポンジで擦るとファンデーションがよれるので、ポンポンと叩き込みながらなじませる。

ハイライトとチークはファンデーションを塗ったあとのタイミングで仕込みます。まず、目尻下にリキッドタイプのハイライターを弓形にのせます。目尻下のハイライトは通常、目を囲むようにCの字形に入れますが、上に弧を描く弓形に入れることで、より強い立体感を出すことができます。

<STEP.2>鼻のつけ根にもリキッドハイライトを薄くのせる

顔の中央部分にハイライトを強く入れると顔が膨張して見える場合があるので、ごく薄くのせるのが正解。

顔の中央部分にハイライトを強く入れると顔が膨張して見える場合があるので、ごく薄くのせるのが正解。

鼻のつけ根にもリキッドタイプのハイライターをT字形に薄くのせ、同様にスポンジで叩き込みなじませます。

<STEP.3>骨格を意識しながらチークを入れる

チークもハイライター同様に、擦らず叩き込むようにしてなじませる。こめかみに向けて気持ち引き上げるようにスポンジを動かすとリフトアップ効果も得られる。

チークもハイライター同様に、擦らず叩き込むようにしてなじませる。こめかみに向けて気持ち引き上げるようにスポンジを動かすとリフトアップ効果も得られる。

クリームタイプのチークを指にとり頬骨の上にのせ、スポンジで内側から外側に向けてタッピングしながらのばしていきます。

のっぺり解消!「浮揚ハイライト+骨格チーク」で自然な立体顔に

【3】頬の面積を詰める「下まぶたアイシャドウ」


下まぶたの余白を効果的に活用する

下まぶたシャドウで頬の面積を詰める

下まぶたシャドウで頬の面積を詰める。

アイシャドウというと、上まぶたにしか入れていない人も多く、下まぶたに入れると若い子のようになってしまうというお悩みを聞くことも。けれど、頬骨の位置が下がり、のっぺりとした顔の余白を埋めるには、下まぶたを活用しない手はありません。大人の女性らしく仕上げるには、アイシャドウの色と質感選びがポイントに。肌になじむベージュやオレンジベージュ系などで、なおかつ繊細なパール感の、浮かない淡色を選ぶのがおすすめです。また、入れる範囲を細めにすることで大人っぽく仕上げることが可能に。下まぶたにひそやかな色とパール感がのることで、頬の間延びした印象がキュッと縮まって見えるので、ぜひチャレンジしてみてください。

余白を埋めるアイシャドウプロセス

<STEP.1>目尻下にリキッドハイライトをオン

下まぶたの涙袋全体にのせてしまうとやりすぎ感が否めないので、涙袋の縦2/3幅くらいまでに止めるのが大人が上品に仕上げる条件。アイシャドウは、控えなパール感の淡色を選んで。

下まぶたの涙袋全体にのせてしまうとやりすぎ感が否めないので、涙袋の縦2/3幅くらいまでに止めるのが大人が上品に仕上げる条件。アイシャドウは、控えなパール感の淡色を選んで。

<STEP.2>目尻下にリキッドハイライトをオン

 チップの先端にアイシャドウをとり、チップの先端を立てるようにして下まぶたの中央から目尻へ、さらに目頭まで往復させてぼかす。範囲を広げすぎないように気をつけながら行って。

チップの先端にアイシャドウをとり、チップの先端を立てるようにして下まぶたの中央から目尻へ、さらに目頭まで往復させてぼかす。範囲を広げすぎないように気をつけながら行って。

ちなみに、上まぶたは・・・

ちなみに、上まぶたも下まぶたと同じアイシャドウをアイホールを意識してぼかす。淡色だとマスカラが映えて余白埋めのメリットに。

ちなみに、上まぶたも下まぶたと同じアイシャドウをアイホールを意識してぼかす。淡色だとマスカラが映えて余白埋めのメリットに。

小顔メイクテクニック|下まぶたシャドウで、頬の面積を詰めるのが正解!

【4】顔の余白を埋める「アイブロウ」


3mmの眉山スライドでフェースラインを引き締める

眉山が内側に入ることで、顔全体が求心的になり、メリハリのある立体的な顔に見せることができるので、余白を埋めて見せる効果が。

眉山が内側に入ることで、顔全体が求心的になり、メリハリのある立体的な顔に見せることができるので、余白を埋めて見せる効果が。

<STEP.1>眉山を3mm内側に設定する

黒目の外端の上あたりに眉山を設定し、そこを起点に眉尻に向かってペンシルでラインを引く。ラインの内側の隙間は埋めておく。

黒目の外端の上あたりに眉山を設定し、そこを起点に眉尻に向かってペンシルでラインを引く。ラインの内側の隙間は埋めておく。

<STEP.2>眉頭に向かって自然につなげる

1で描いた眉山から眉頭に向かって、なだらかにつなげてラインを引く。眉毛がまばらな部分はペンシルとパウダーで埋めておいて。

STEP.1で描いた眉山から眉頭に向かって、なだらかにつなげてラインを引く。眉毛がまばらな部分はペンシルとパウダーで埋めておいて。

超自然なノーズシャドウで立体感をさらにアップ

ノーズシャドウを入れると、目元にメリハリがつき、鼻筋が通って見える効果があります。ですが、自然に入れるのは意外と難しいもの。そこで、簡単かつとても自然に見えるノーズシャドウの入れ方をご紹介。眉頭の下側に足したアイブロウパウダーを鼻筋側にぼかすだけで、求心的にも見え、全体的に顔の立体感がプラスされ、余白埋め効果が。

新たに入れるのではなく、眉頭からぼかすだけ

眉頭の下部分にぼかしたパウダーを鼻筋の内側に向かって薬指でなじませるようにしながらぼかす。それだけで自然な陰影がつき、ノーズシャドウになる。

眉頭の下部分にぼかしたパウダーを鼻筋の内側に向かって薬指でなじませるようにしながらぼかす。それだけで自然な陰影がつき、ノーズシャドウになる。

眉、ノーズシャドウ、アイライン…顔の「余白」を埋める上級テク3選

【5】ふさふさ眉を作る「眉マスカラ」


「太眉メイク」で上まぶたの間延びを縮める

細眉ブームを経てきた40代以降の目元は、細眉×加齢たるみの影響で、上まぶたの面積が広がり、恐怖の間延び状態。眉のフォルムや位置にもズレが生じてくるため、ますます印象の弱いのっぺり顔…に。これを矯正できるのは「太眉メイク」しかありません。

マスカラで寝ている毛を、起こしてふさ感を演出

眉頭は、抜け感や空気感が大事。下側を描くのは、眉頭の8ミリ手前まで。ペンシルで描いた後は、指でサッと眉頭方向にぼかすと自然な仕上がりになります。次に眉頭上ですが、ほとんどの人はこの部分に毛がしっかりとあるので、ここをペンシルで描くと「空気感のある太眉」に必要な抜け感をつぶしてしまい、滑稽なベタ眉に。ペンシルは使用せず、毛量感を演出する眉マスカラで、毛にハリ感とふさふさ感を出してください。ポイントは、毛が密集しているところから毛流れに逆らうようにブラシを動かし、根元からしっかりと塗ること。眉頭の上辺からはみ出すくらい、グイッと立ち上げて。これで眉全体の毛量感がアップしたかのような若見え錯覚効果が生まれます。

眉頭はブラシを左右に動かすと、先端までしっかり塗れる

眉頭の上はアイブロウマスカラで毛の存在感を出すことが重要。上向きに生えている眉頭部分は、ブラシを左右に振るとムラなく塗布できる。

眉頭の上はアイブロウマスカラで毛の存在感を出すことが重要。上向きに生えている眉頭部分は、ブラシを左右に振るとムラなく塗布できる。

眉の上辺をはみ出すくらい、毛を立ち上げることでボリューム感を

大人は眉頭の毛を大げさなくらい立たせることが必須。このひと手間でたとえ眉尻のない貧相眉でも、まるで若いころのようなふさふさ感を表現できる。

大人は眉頭の毛を大げさなくらい立たせることが必須。このひと手間でたとえ眉尻のない貧相眉でも、まるで若いころのようなふさふさ感を表現できる。

【注意!】眉間が広いと間延び感アップ。眉頭の正しい位置を見つけて

眉間が狭すぎればギスギスしてきつく見えるし、広すぎれば間が抜けた顔に…。正しい位置であれば、顔の求心力が高まり、間延び解消にもつながるので、位置を確認しておくこと。

眉間が狭すぎればギスギスしてきつく見えるし、広すぎれば間が抜けた顔に…。正しい位置であれば、顔の求心力が高まり、間延び解消にもつながるので、位置を確認しておくこと。

若々しく見せる太眉に必要な、ふさふさ「眉頭」の作り方

【6】リフトアップできる「チーク」


まが玉チークで頬に立体感を出してカムフラージュ

リフトアップも叶う、まが玉形チークとは?

リフトアップも叶う、まが玉形チークとは?

頬骨の高さがなくなり、平坦になってくる頬。若いころのようなメリハリをつけられると、顔が立体的に見え、それだけで余白がなくなって見えるものです。大人世代の年齢になると、顔をシャープに見せようと、ダーツを入れるように頬骨の下あたりからこめかみに向かってチークを入れる人が多いのですが、それでは正面顔の余白が気になってしまいます。なので、正面もしっかりと入れつつ、フェースラインに向かって上向きになるよう、まが玉形に入れるのがポイントに。チークの入れ方しだいで、正面顔も横顔も驚くほどリフトアップして見えるようになります。

余白を埋めるチークプロセス

<STEP.1>ニコッと笑って高くなったところから

笑ったときに高くなる頬骨のあたりから、フェースラインに向かって少し上に上げるようにしてチークをブラシでのせていく。

笑ったときに高くなる頬骨のあたりから、フェースラインに向かって少し上に上げるようにしてチークをブラシでのせていく。

<STEP.2>フェースラインから指2本分のところで折り返す

横顔の余白も埋めるため、フェースラインから指2本分のところまでチークをのせ、そこから丸みを帯びた小さな曲線を描くようにして折り返す。リフトアップして見せる効果もあり。

横顔の余白も埋めるため、フェースラインから指2本分のところまでチークをのせ、そこから丸みを帯びた小さな曲線を描くようにして折り返す。リフトアップして見せる効果もあり。

小顔とリフトアップ、同時に叶えるチークの入れ方とは?

この記事の執筆者
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