創業者:ブルネロ・クチネリ
創業地:イタリア・ペルージャ近郊(1985年に現在のペルージャ県ソロメオ村に本社移転)
創業年:1978年。イタリアの伝統的な技術を用いて、世界最高水準のカシミヤ製品を提案するブランド。

色鮮やかなカラーでファッションアイテムに昇華したカシミヤ

ブルネロ クチネリが本社を構えるソロメオ村 

■創業当時のエピソード

ソロメオ村には豊かな自然が広がる

1978年、ブルネロ・クチネリがペルージャ近郊の村エッレーラ・ディ・コルチャーノで創業。ブルネロの現在の妻のフェデリカが、交際当時、地元でささやかな洋服屋を営んでいたことからニット会社をつくることを思いつきました。もともとペルージャは、ニット産業の盛んな地域。当時は、1万3000人を超える人々がこの産業に従事していたといいます。

ブルネロは、その中でもカシミヤに特化。ビロードのようにやわらかな肌触りだけでなく、長持ちする点も特徴であることをすぐに確信します。ここから会社の表象的・生産的な考え方をこの“長持ちする”という概念に集中。捨てられることなく代々引き継がれる、一生もののカシミヤ製品を創造するメゾンの歴史がはじまります。1985年には、本社を妻の故郷であり、中世の面影を残すウンブリア州ソロメオ村に移転。地域の復興に励み、後に村の経済までもが発展していく基盤をつくっていきます。

■ブランドの転機

アトリエの風景

ブルネロは、当時は斬新なアイディアだった、キレイな色の女性向けカシミヤニットをつくることを発案。モダンでカラフルなファッションアイテムとして、女性たちが着こなせるものにしました。この新たな提案は、ドイツを始め世界の市場で好意的に受け入れられます。

さらに、人と地域を大切にする“人間主義的経営”も、ブルネロ クチネリ社が大きな注目を集めるきかっけになります。ブルネロは、測量士の高校を卒業した後、大学の工学部に進学するも中退。その後、数年間はバールが人生の学び舎になりました。農業を辞め、工場の不遇な環境の中で働く父親の姿を間近で見てきたブルネロは、少年時代から論理的にも経済的にも尊敬を損なわない仕事の形態をつくりたいという夢を抱いていました。

ブルネロ クチネリの新社屋
自然光が入る広々とした空間

企業は、利益を生み出す場としてだけでなく、人間の価値を高める場でもある。ブルネロ クチネリ社のこの考えや環境づくり、ソロメオ村での取り組みは、今ではさまざまな経営者の理想であり、地域復興のモデルケースにもなっています。

■ブランドのアイコン・定番アイテム

2017-18年秋冬の最新カラーカシミヤ
2017-18年秋冬の最新カラーカシミヤ
2017-18年秋冬の最新カラーカシミヤ

■ブランドを愛用するセレブリティーとエピソード

ベージュとグレーのカラーブロッキングが美しい2017-18年秋冬カシミヤニット

最高級のカシミヤを用いてつくられるタイムレスなニットウェアは、数多くの著名人が愛用しています。なかでも有名なのは、2010年にウィリアム王子とケイト・ミドルトンの婚約発表写真で、王子が着用していたベージュのカシミヤ。実はブルネロ クチネリのもので、当時、世界中で話題となりました。

他にも、男性ではベン・アフレックやジュード・ロウ、ロバート・デ・ニーロ、女性ではアンジェリーナ・ジョリー、カーラ・デルビーニュ、ジェニファー・ロペスなど、多くのセレブリティーが顧客として名を連ねています。

■ブランドの現デザイナー

ブルネロ・クチネリ

現在もブルネロ・クチネリ自身がブランドを手掛け、企業の会長兼CEOとして活躍。近年では、イタリアの伝統技術で作るニットウェアだけでなく、バッグやブランケット、キャンドルなど、ライフスタイルアイテムも手掛け、その世界観を広げています。

ブルネロ・クチネリが設立したソロメオ村の職人技術学校
2014年春夏のキャンペーンビジュアル。2013年開校の職人学校にフォーカスしたビジュアルのコピーは、「我々が学んでいるのは人生である」

ブルネロ クチネリ社の生産者を尊重し、村の地域創生にも貢献する企業のあり方。その理念は、着る人の心までも満足させるカシミア製品を生み出す秘訣へとつながっています。