ボンド映画で最も有名な酒が、ウォッカのドライマティーニだろう。「ステアではなくシェイク」というのがボンドのこだわりで、第1作からのボンドを象徴する酒となっている。ドン・ペリニヨンのシャンペンもボンド映画にたびたび登場する。描かれ方も洒脱で、『ドクター・ノオ』ではビンで殴ろうとしたときに「’55年ものだぞ」と言われて「’53年ものいい」と言い返す。『ゴールドフィンガー』では「ドン・ペリニヨンは3.5℃以下で飲むべし」という台詞がある。

酒にうるさいジェームズ・ボンド

マティーニ以外でもウォッカがお気に入り

ウォッカマティーニは特に念入りに語られている酒だ。小説ではさらに詳細なレシピやシェイクの仕方まで描かれている。フレミングの好みもボンドと同じなのだろう。また映画でも小説でもマティーニに限らず、ボンドはウォッカをよく飲む。写真:AFLO

また『ゴールドフィンガー』には政府高官の邸宅の夕食会で出されたブランデーを気に入らずに「ブレンドに難があります。ボウモアが多すぎる」と断るシーンもある。とにかくボンドは酒にとびきりうるさいのだ。

本文中に記した、政府高官の邸宅の夕食会で出されたブランデーのシーン。気に入らないのかと尋ねられ、香りを確認して、件の意見を述べる。写真:Everett Collection/アフロ

『ロシアより愛をこめて』の食堂車のシーンも有名だ。ヒラメ料理に赤ワインを頼んだ男が敵と気づいたときに「魚に赤ワインか。うかつだった」と言う。1964年の日本公開当時、魚料理には白ワインを合わせるべき、という西洋料理の酒と食の基本を日本人に教えてくれたのはボンドだったのだ。

カジノの腕も超一流! 第1作『ドクター・ノオ』でボンドが初登場する場面にカジノが選ばれたのは、ボンドの個性を語るため。小説にも「生粋の賭博師」と書かれており、ボンドは賭け事が大好きで、めっぽう強い。そしてそれもボンドの格好よさ。男のだれもが憧れてしまうのだ。写真:AFLO
※2012年冬号取材時の情報です。
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