【目次】

お尻が垂れてしまう「原因」


村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらきひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」美容メソッドを確立。現在は「クリニックF」内「Amazing♡beauty」を開設。著書に『一生劣化せず今すぐ若返る 整筋・顔体大全』(日経BP社)など多数あり。

大殿筋の硬化

体重が増えたわけではないのに、下半身が太くなってきた、と感じる人は大殿筋(だいでんきん)の硬化が原因かもしれません。

ベタッと無意識に座っていると、お尻のボリュームをつくるための筋肉である大殿筋は、常に圧迫されている状態。これによって柔軟性とハリを失うためお尻が垂れ下がったり、横に大きく広がることで下半身がもったりとしてしまうのです。また、大殿筋が硬くなることで血流が悪くなるため下半身が冷えやすくなるし、骨盤の歪みを引き起こすため腰痛にもつながるので、体調管理のひとつとして大殿筋ケアは必須課題ですよ。大殿筋はお尻を覆っている大きくて硬い筋肉なので、ほぐすためにはセルフマッサージは難しく、ストレッチで対策するのが効果的。

垂れてつぶれたお尻の形を丸く整える!【村木さん指導】椅子を使ったヒップアップストレッチ

ハムストリングスの衰え

ハムストリングスとは、おしりの付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏周辺にある3つの筋肉の総称で、歩いたり、走ったりするときに使われています。

このハムストリングスは、加齢による筋力低下に加え、デスクワークなどで座っている時間が長いとしなやかさが失われ、どんどん硬くなり衰えてしまいます。すると太ももの前側の筋肉に負荷がかかり、太もも横に張り出して脚が太く見える、お尻が垂れるなど、下半身がもったりとした印象に見えてしまいがち。タイトなパンツを履いたときにスッキリと見えないのは、このハムストリングスが衰えているからかもしれません。

40秒で太ももをスッキリ細く!【村木さん考案】立ったまま太ももエクササイズ

お尻を小さくするために鍛えるべき「筋肉」は?


ヒップアップしたいならココを鍛えて

小塚 愛美さん
パーソナルトレーナー
学生時代に美容と健康について学んだのち、女性専門のボディメイクジムに勤務。現在はパーソナルトレーニングジム「Aphrodite」の代表に。トレーニングと食事指導の両面から美ボディに導く。
トップス_2,パンツ_2

年齢と共に崩れはじめるボディラインに対し、大人の女性が行うべきは、ダイエットではなく筋トレ。 豊かな存在感と凛とした意思を感じるライン、しなやかな筋肉で、素敵に体を支えたい!

美しさと健康を保つために必要な筋肉。二の腕やウエストは引き締まり、胸元やヒップには程よいボリュームのある理想のしなやかボディを手に入れるためには、どの筋肉を鍛えるべきなのかをしっかり把握しておくことが大切です。

■4:大臀筋(だいでんきん)・中臀筋(ちゅうでんきん)…日本人に多い垂れ尻や扁平尻はお尻の筋肉をうまく使えていないことが原因。大臀筋と中臀筋を鍛えてヒップアップさせて、タイトスカートが似合う、丸く立体的な桃尻を手に入れたい。

■5:大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋…太もも裏のハムストリングスと呼ばれる部分。骨盤の歪みなどが原因で正しく使えず固まっている人が多い。ヒップアップや脚の引き締め、怪我の予防につながるので重点的に鍛えたい。

女性が「鍛えるべき筋肉」と「鍛えなくていい筋肉」|しなやかなボディをキープするために必要な筋肉とは

毎日の習慣に!お尻痩せ「筋トレ」「エクササイズ」【3選】


【1】ハムストリングスに「刺激を与える」簡単40秒エクササイズ

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらきひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」美容メソッドを確立。現在は「クリニックF」内「Amazing♡beauty」を開設。著書に『一生劣化せず今すぐ若返る 整筋・顔体大全』(日経BP社)など多数あり。

<STEP.1>壁から40cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す

壁から40㎝離れた位置に立ち、左膝を壁につけながらストレッチ
 

壁の方を向いて、壁から40cm離れた位置に立ちます。そして左足を前に出してつま先を壁につけます。その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。

このとき、仙骨(お尻の中央にある骨)から前に押し出すように動いてください。この動きで右脚のハムストリングスが刺激されるのを感じるはずですよ。右足のかかとは床から浮かないように気を付けましょう。

<STEP.2>壁から70cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す

壁から70㎝離れた位置に立ち、左膝を壁につけながらストレッチ
 

STEP.1と同様に動きになりますが、負荷をもう少し強めるために壁から70cm離れた位置に立ち、左足を前に出してつま先を壁につけてください。するとSTEP.1よりも右足が大きくうしろに下がることになるので、より負荷が高まります。その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。このときもSTEP.1と同様に、右足のかかとは床から浮かないように気を付けましょう。そして反対側も同様にSTEP.1、2の順で行ってくださいね。

反り腰になっているNGの体勢
 

反り腰になるとハムストリングスに刺激がされにくいうえに、腰に負担がかかり骨盤が歪みやすくなるので要注意。姿勢はまっすぐ、そして仙骨から押し出すように、というのを意識しましょう。

【まとめ|40秒で脚をスッキリ細く!立ったまま太ももエクササイズ】
・デスクワークで座っている時間が長い人はハムストリングスが劣化しがち。
・ハムストリングスの衰えは、脚が太く見える、お尻が垂れるなど下半身太りの原因に。
・血流が悪くなり下半身が冷える、むくむ、歩きにくくなり運動量が減る、代謝が落ちるという悪循環にも。
・解決策はハムストリングスに刺激を与える、このエクササイズを隙間時間に行うこと!

40秒で太ももをスッキリ細く!【村木さん考案】立ったまま太ももエクササイズ

【2】お尻と太ももの境目くっきり!中臀筋を「鍛える」エクササイズ

<STEP.1>中臀筋の位置を確認

中臀筋の位置を確認
 

中殿筋とは、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつないでいる筋肉。「上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」という腰骨のあたりから、股関節の横あたりにある少し出っ張った「大転子(だいてんし)」をつなぐ線の2cmうしろにあり、まずはその位置を確認しましょう。

<STEP.2>横向きに寝た体勢になり、ウエストに折りたたんだバスタオルをおく

横向きに寝た体勢になり、ウエストに折りたたんだバスタオルをおく
 

横向きに寝た状態になり、体勢を安定させるために、ウエストのくびれ部分に折りたたんだバスタオルをおきます。左脚は曲げて、右脚はまっすぐ伸ばす。そして、骨盤は手前側に倒す。これが基本姿勢です。

<STEP.3>伸ばした右脚を上げて下すを20回繰り返す

伸ばした右脚を上げて下すを20回繰り返す
 

右足首は90度に曲げること。太ももは軽く内側にねじり、かかとはつま先より上になる位置にしてください。そして、伸ばした右脚を上げて下すを1セットとして20回繰り返して。左足も同様に。中臀筋を意識することが大事なので、初めは大転子の2cmうしろあたりと指で触りながら行うといいでしょう。

【まとめ|四角いお尻を丸く整えスタイルアップ!美尻エクササイズ】
・座っている時間が長い人は、お尻が垂れて四角くなりやすい。
・原因は中臀筋が固まって動きづらくなること。股関節が横に張り出しお尻は横に広がっていく。
・お尻の筋肉=中臀筋がしっかりと使えるようになるエクササイズが有効。
・このエクササイズでお尻と太ももの境目がくっきりとして、引き上がった丸い美尻に!

四角いお尻を丸く整えスタイルアップ!【村木さん考案】美尻エクササイズ

【3】ヒップを「持ち上げて引き締める」トレーニング

<STEP.1>仰向けになり、膝を立てる

体の力を抜いてリラックスした状態で行いましょう。深呼吸も忘れずに。

体の力を抜いてリラックスした状態で行いましょう。深呼吸も忘れずに。

仰向けになり足は腰幅に開いて、膝を立てます。腕は真っ直ぐに伸ばして、体の横におきます。これが基本の姿勢。

<STEP.2>お尻を中央に寄せたまま、上へと持ち上げて、下ろすを繰り返す

ベッドの上でもできるので、起床時や就寝時に行うのもおすすめ。

ベッドの上でもできるので、起床時や就寝時に行うのもおすすめ。

肘下を支えにして、お尻を中央に寄せるように力を入れながら、ゆっくりとお尻と腰を持ち上げます。3秒くらいかけて上げて、3秒そのままキープして、3秒くらいかけて下ろす、を繰り返します。これを10回×2セット行いましょう。

【まとめ|ヒップアップに効く!寝ながらできる美尻トレーニング】
・座りっぱなしの時間が長い「座りすぎ」は「垂れ尻」の原因に。
・お尻のボリュームをつくる「大殿筋」が凝り固まり、ハリを失うことが原因。
・怠けている「大臀筋」に適度な刺激を与えることがヒップアップに。
・これは上腕三頭筋にも効くトレーニングなので二の腕の引き締めにも効果的。

村木宏衣さん指南|ヒップアップに効く!寝ながらできる美尻トレーニングで下半身スッキリ

固くなったコリをほぐす「マッサージ」と「ストレッチ」【4選】


【1】大臀筋を「柔軟にする」椅子を使ったストレッチ

<STEP.1>椅子の座面に左足をのせる

椅子の座面に左足をのせる
椅子の背もたれをつかんで、左足を椅子の座面にのせます。

<STEP.2>左膝を外側に倒すことで大殿筋のストレッチに

次に左膝を外側に倒しながら、左足の外側の側面を椅子の座面につけます。イタ気持ちいい位置まで膝を倒して20秒キープを。右足も同様に行いましょう。

<STEP.3>膝をしっかりと倒した状態で椅子の上にのせ、負荷をかける

膝をしっかりと倒した状態で椅子の上にのせ、負荷をかける
 

更に深くストレッチするために、左膝を横に倒した状態で、椅子の上にベタッとつけます。このとき手で座面をつかむと安定します。右足は伸ばして、かかとを床から浮かせた状態にして、上体を下げて負荷をかけるとしっかりと大殿筋がストレッチされます。このまま20秒間キープを。反対側の足も同様に行いましょう。

【まとめ|垂れてつぶれたお尻の形を丸く整える!椅子を使ったヒップアップストレッチ】
・長時間座りっぱなしでいるとお尻の筋肉=大臀筋が硬くなりハリを失う。
・大臀筋の柔軟さがなくなると、お尻は丸みをキープできずに垂れて下がってしまう。
・大臀筋を柔軟にしてハリを出すためのストレッチが有効。
・下半身の冷え解消やぎっくり腰予防にもなるので、体調管理として習慣化がおすすめ。

垂れてつぶれたお尻の形を丸く整える!【村木さん指導】椅子を使ったヒップアップストレッチ

【2】テニスボールを使って外モモの筋肉を「ほぐして緩める」

テニスボール2個をストッキングに入れて連結させたグッズを使用するのですが、これが「大腿筋膜張筋」をほぐすのに最適。2個使うことで安定しますし、広範囲を一気にほぐせますので、ぜひ就寝前の習慣にしてくださいね。

<STEP.1>テニスボール2個をストッキングに入れて縛る

テニスボール2個をストッキングに入れて縛る
 

テニスボールを2個用意し、ストッキングに入れて口をきつく縛りましょう。2個を連結させた状態のほうが安定するので、ほぐしやすくなるメリットがあります。

<STEP.2>「大腿筋膜張筋」の位置を確認

「大腿筋膜張筋」の位置を確認
太ももの外側にあり、骨盤から股関節の前外側に位置する筋肉です。

<STEP.3>テニスボールで「大腿筋膜張筋」をほぐす

テニスボールで「大腿筋膜張筋」をほぐす
 

体の左側を下にして横になり、手は床について上半身は少し起こしたままの体勢になります。テニスボールを「大腿筋膜張筋」の位置に置き、そのまま体重をかけましょう。そして、体を上下左右に動かしながら「大腿筋膜張筋」をほぐします。これを30秒行いましょう。反対の右側も同様に行ってください。

【まとめ|お尻の引き締め&腰痛改善に効く。テニスボールで「外もも」ほぐし】
・お尻の横幅が広がる、座り姿勢で腰が痛くなるのは「大腿筋膜張筋」が硬くなるのが原因のひとつ。
・「大腿筋膜張筋」の位置は太ももの外側、骨盤から股関節にまたがる筋肉。
・大きく硬い太ももの筋肉を手でほぐすのは難しいが、テニスボールを使えば簡単にほぐせる。
・腰痛がある、下半身太りが気になる、という人は就寝前の習慣に。

お尻の引き締め&腰痛改善に効く【村木さん直伝】テニスボールで「外もも」ほぐし

【3】座ったままでできる!大臀筋の「コリをほぐす」ストレッチ

エイジングデザイナーの村木宏衣さんがおすすめするのが、座ったままでできる大殿筋ストレッチ。片足を使い、左右30秒ずつストレッチするのですが、たった1回で腰痛が軽減して下半身が軽くなるのを実感しますよ。計60秒で完了するので、デスクワークの合間に是非やってみてください。

<STEP.1>椅子に座り、左脚を右の太ももの上に乗せたまま前傾して体重かける

椅子に座り、左脚を右の太ももの上に乗せたまま前傾して体重かける
 

まず、脚を腰幅に開いた状態で椅子に座り、左脚を右の太ももの上にのせます。そして右手で左の足首をつかみ、左手は左の膝あたりにおきます。

次に体重をかけるように上半身を前傾しますが、左手は左膝をプッシュし、ストレッチの負荷をかけるようにしましょう。このまま30秒間キープを。反対側も同様に行ってください。

【まとめ|オフィスで腰痛解消&ヒップアップを!すぐに効く大殿筋ストレッチ】
・座りっぱなしでも立ちっぱなしでも起こる腰痛は、お尻の筋肉=大臀筋のコリが関与。
・動かないことで大臀筋が使われず硬くなるため、腰の筋肉に負担がかかり痛みを発生。
・さらに大殿筋はお尻の丸みをつくる筋肉でもあるので、ケアしなければ垂れ尻に!
・対策は大殿筋がしなやかなハリを取り戻すためのストレッチをこまめに行うことが有効。

オフィスで腰痛解消&ヒップアップを!【村木さん指導】すぐに効く大殿筋ストレッチ

【4】「足踏みステップ」で外モモをほぐして下半身スッキリ

<STEP.1>「大腿筋膜張筋」の位置を確認

「大腿筋膜張筋」の位置を確認
太ももの外側にあり、骨盤から股関節の前外側に位置する筋肉です。

<STEP.2>「大腿筋膜張筋」をつかんだまま足踏みをしてほぐす

「大腿筋膜張筋」をつかんだまま足踏みをしてほぐす
 

「大腿筋膜張筋」とその周りを数カ所にわけてほぐしていきます。立ったまま、「大腿筋膜張筋」をつかみ、そのまま10回足踏みをしてほぐしていきます。なるべく筋肉しっかりとつかんで行うといいのですが、初めは硬いのでつかみにくい人はつまむだけでもOK。また10回の足踏みでほぐれなければ、柔らかくなるまで繰り返しましょう。

そして、つかむ場所を変えながら、同様に足踏みを10回行って「大腿筋膜張筋」の全体をほぐしていきます。反対側も同様に行いましょう。

【まとめ|太ももの張り出し&O脚に!「足踏みステップ」ほぐしでスッキリ】
・太ももが横に張り出す、お尻の横幅が広がるのは、「大腿筋膜張筋」が硬くなっている。
・「大腿筋膜張筋」の位置は太ももの外側、骨盤から股関節にまたがる筋肉。
・大きく硬い太ももの筋肉をセルフマッサージでほぐすのは難しいが、この方法なら立ったまま簡単にできる。
・いつでもどこでもできるので、O脚の人、下半身太りが気になる人は継続ケアがおすすめ。

太ももの張り出し&O脚に!【村木さん考案】「足踏みステップ」ほぐしでスッキリ

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。