【目次】

なぜ?前ももが張る「原因」


■筋肉が硬くなっている

二人の女性 ほぐしメソッドの指導をしている
 

下半身太りに見えてしまう原因は「太ももの張り出し」であることが多く、その原因は太ももの外側に位置する「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」という筋肉が硬くなってしまうから。

「大腿筋膜張筋」の位置は太ももの外側、骨盤から股関節にまたがっていて、股関節の動きの大きく関わる筋肉。この「大腿筋膜張筋」が硬くなると骨盤が開いてO脚になる、外太ももが張ってお尻の横幅が広がる、さらに関連してお尻の筋肉も硬くなるので、ハリがなくなり垂れたお尻になってしまいます。このため、体重が増えていなくても、下半身がもったりとしたオバサン体型に…!

太ももの張り出し&O脚に!【村木さん考案】「足踏みステップ」ほぐしでスッキリ

ハムストリングスとは、おしりの付け根から太ももの裏側、太ももから膝裏周辺にある3つの筋肉の総称で、歩いたり、走ったりするときに使われています。

このハムストリングスは、加齢による筋力低下に加え、デスクワークなどで座っている時間が長いとしなやかさが失われ、どんどん硬くなり衰えてしまいます。すると太ももの前側の筋肉に負荷がかかり、太もも横に張り出して脚が太く見える、お尻が垂れるなど、下半身がもったりとした印象に見えてしまいがち。タイトなパンツを履いたときにスッキリと見えないのは、このハムストリングスが衰えているからかもしれません。

さらに、血流がダウンして代謝が衰える、骨盤が歪みやすくなり腰に負担がかかるなど、見た目だけでなくさまざまなトラブルを引き起こす可能性も…。なので、大人はハムストリングスに適度な刺激を与えるエクササイズを取り入れるのが必須。

40秒で太ももをスッキリ細く!【村木さん考案】立ったまま太ももエクササイズ

■反り腰になっている

椅子に左脚の膝をのせる
 

慢性的な腰痛やむくみがつらい、太っているわけではないのにお腹だけぽっこり…これらは「反り腰」が原因かもしれません。

「反り腰」とは、背骨の腰部分(腰椎)の反りが強くなる状態のこと。その原因は姿勢が悪く猫背だと体が重心のバランスを取ろうとして腰が反る、もしくはヒールを履き続けていることで骨盤が前傾して腰が反りやすくなる、などと言われています。

いずれにしても「反り腰」は、腰に負担がかかるので腰痛になりやすく、骨盤周りの筋肉が硬化することで代謝が悪くなり、下半身のむくみに繋がってしまいます。さらに骨盤が開いた状態なので、内臓が下がりお腹がぽっこりとしてくるし、太ももが横に張り出してしまうことも…。思い当たる人は、「反り腰」かどうかをチェックし、対策が急務ですよ。

村木宏衣さん指南|むくみも腰痛も解消!60秒で完了する「太もも伸ばしストレッチ」が効く

【1】太ももの張り出し&O脚に「足踏みステップ」ほぐし


■大腿筋膜張筋をほぐして、太ももが外に張る原因を解決

「太ももが横に張り出してきて、パンツスタイルが決まらない」「お尻大きいのが悩み」…という人は、「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」という太ももの外側にある筋肉が緊張して硬くなっている可能性が。

太ももの筋肉は大きくて硬いので、セルフでマッサージするのはなかなか難しいけれど、この方法なら立ったままできるので、いつでもどこでもケアが可能。O脚の人、下半身太りが気になる人はぜひ、継続してやってみてくださいね。

<STEP.1>「大腿筋膜張筋」の位置を確認

「大腿筋膜張筋」は、太ももの外側にあり、骨盤から股関節の前外側に位置する筋肉です。

「大腿筋膜張筋」の位置を確認
 

<STEP.2>「大腿筋膜張筋」をつかんだまま足踏みをしてほぐす

「大腿筋膜張筋」とその周りを数か所にわけてほぐしていきます。立ったまま、「大腿筋膜張筋」をつかみ、そのまま10回足踏みをしてほぐしていきます。なるべく筋肉しっかりとつかんで行うといいのですが、初めは硬いのでつかみにくい人はつまむだけでもOK。また10回の足踏みでほぐれなければ、柔らかくなるまで繰り返しましょう。

そして、つかむ場所を変えながら、同様に足踏みを10回行って「大腿筋膜張筋」の全体をほぐしていきます。反対側も同様に行いましょう。

「大腿筋膜張筋」をつかんだまま足踏みをしてほぐす
 

\このメソッドの効果とポイント/
1.太ももが横に張り出す、お尻の横幅が広がるのは、「大腿筋膜張筋」が硬くなっている。
2.「大腿筋膜張筋」の位置は太ももの外側、骨盤から股関節にまたがる筋肉。
3.大きく硬い太ももの筋肉をセルフマッサージでほぐすのは難しいが、この方法なら立ったまま簡単にできる。
4.いつでもどこでもできるので、O脚の人、下半身太りが気になる人は継続ケアがおすすめ。

太ももの張り出し&O脚に!【村木さん考案】「足踏みステップ」ほぐしでスッキリ

【2】太ももの横張りをスッキリ「直伝美脚」メソッド


■骨盤周りの筋肉をほぐして、太ももの張り出しを解消

「大腿筋膜張筋」をほぐして緩める。これによって骨盤や脚の骨や筋肉を本来のあるべき場所に戻す。すると歩くときにバランスよく筋肉を動かせるようになるため、張り出しを解消することができます。さらに、ヒップアップ効果や姿勢の改善にもつながるので、スタイルアップが期待できますよ。「つまんで足をゆらゆらする」だけ。力を使わなくても簡単にほぐせますから、ぜひやってみてくださいね。

<STEP.1>片足の膝下に巻いたバスタオルを置く

脚をのばして座り、脚を安定させてほぐしやすくするために、片足の膝下に巻いたバスタオルを置きます。

<STEP.2>太ももの外側をつまんで、足を左右にゆらゆらさせる

そして、太ももの側面を両手でつまみ、そのまま状態で足を左右に振るようにゆらゆらさせます。これを30秒くらい行いましょう。この動作で力を使わなくても筋肉がしっかりほぐれます。

これを骨盤あたりから、膝の手前まで数か所行いましょう。反対側の足も同様に行ってください。

太ももの外側をつまんで、足を左右にゆらゆらさせる
 

\このメソッドの効果とポイント/
1.太ももの横張りは、太ももの外側の筋肉がギュッと収縮し硬くなっていることが原因のひとつ。
2.解決策は、太もも外側にある「大腿筋膜張筋」をほぐして緩めること。
3.歩くときにバランスよく筋肉を動かせるようになるため、張り出しの解消に。
4.ヒップアップ効果や姿勢の改善にもつながるので、スタイルアップに。

太ももの横張りをスッキリ!村木宏衣さん直伝美脚メソッド

【3】太ももの張り出しが気になる人に「かかと&脚歪み解消」メソッド


■かかとの歪みは脚が太くなる原因に

立っているときに体全体を支えているのは足ですが、特に大事な部位が「かかと」です。あまり意識することのない「かかと」ですが、丸みがあるせいか、重心が少しズレていてもわかりにくく、そのため歪んでいたとしても気づきにくいのだそう。けれども「かかと」が歪んでしまうと骨盤が歪み、脚が歪むという負の連鎖が…。太ももやふくらはぎが外に張り出す、O脚やX脚の原因でもあるのです。

この「かかとの歪み解消」は美脚に直結するのですから、気になっている人はこの機会に始めてみてくださいね。

<STEP.1>椅子の上に片足を置く姿勢に

マッサージしやすいように、椅子の上に片足を置きます。安定しやすいように、低めの椅子がおすすめです。

椅子の上に片足を置く姿勢に
 

<STEP.2>かかとをつかむようにしながら揉みほぐす

STEP1の体勢で、親指と人さし指で挟むようにつかんで、かかとをもみほぐします。15秒くらい行いましょう。

かかとをつかむようにしながら揉みほぐす
 

色で示したかかと全体をもみほぐします。特に硬くなっていると感じたところは重点的に行いましょう。

かかとを揉みほぐす範囲
 

<STEP.3>かかとをつかんだまま、つま先を上げ下げする

かかとが動かないようにしっかりとつかみ、つま先を上げ下げします。これを15回行ってください。できる範囲で大きく上げ下げしましょう。

かかとをつかんだまま、つま先を上げ下げする
 

<STEP.4>くるぶし周辺を揉みほぐす

STEP1の体勢で、親指と人さし指で挟むようにつかんで、くるぶし周りをもみほぐします。内側、外側とも行いましょう。15秒くらい行いましょう。

くるぶし周辺を揉みほぐす
 

くるぶしの周りには、ツボやリンパが集まっています。足の老廃物が流れやすくなるので、むくみ解消効果もあり。反対側の脚も同様にSTEP.1~4を行いましょう。

くるぶしの周り、マッサージする位置を丸印で示している
 

\このメソッドの効果とポイント/
1.脚が太くなる原因のひとつが「かかとの歪み」。
2.「かかとの歪み」を放置すると、骨盤が歪み、太ももやふくらはぎが外に張りだす。
3. 靴底の減り方が左右で違っている、という人は「かかと」が歪んでいる証拠。
4.かかとの歪み」をケアすれば、脚の歪み、むくみ解消に繋がるし、体調不良の予防にも。

太ももの張り出しが気になる人に!【村木さん考案】かかと&脚歪み解消メソッド

【4】寝ながらむくみも疲れも解消「テニスボールほぐし」


■太ももが細くなるだけでなく、冷えやむくみ、骨盤の歪みにも効果的

デスクワークで座っている時間が長い人はハムストリングス(太もも裏)をあまり使わないため劣化してしまいがち。この筋肉が弱ってしなやかなハリがなくなってしまうと、太ももが張り出して脚が太く見える、お尻が垂れるなど、目に見えて下半身太りに。

たった40秒で完了するので、村木さんは移動のエレベーターの中でこっそりとやっているのだとか。とても簡単だし、冷えの改善や骨盤の歪み解消に効くので隙間時間にぜひやってみてくださいね。

<STEP.1>壁から40cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す

壁の方を向いて、壁から40cm離れた位置に立ちます。そして左足を前に出してつま先を壁につけます。その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。

このとき、仙骨(お尻の中央にある骨)から前に押し出すように動いてください。この動きで右脚のハムストリングスが刺激されるのを感じるはずですよ。右足のかかとは床から浮かないように気をつけましょう。

壁から40㎝離れた位置に立ち、左膝を壁につけながらストレッチ
 

<STEP.2>壁から70cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す

STEP.1と同様に動きになりますが、負荷をもう少し強めるために壁から70cm離れた位置に立ち、左足を前に出してつま先を壁につけてください。するとSTEP.1よりも右足が大きく後ろに下がることになるので、より負荷が高まります。その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。このときもSTEP1と同様に、右足のかかとは床から浮かないように気をつけましょう。そして反対側も同様にSTEP.1、2の順で行ってくださいね。

壁から70㎝離れた位置に立ち、左膝を壁につけながらストレッチ
 

反り腰になるとハムストリングスに刺激がされにくいうえに、腰に負担がかかり骨盤が歪みやすくなるので要注意。姿勢はまっすぐ、そして仙骨から押し出すように、というのを意識しましょう。

反り腰になっているNGの体勢
 

\このメソッドの効果とポイント/
1.デスクワークで座っている時間が長い人はハムストリングスが劣化しがち。
2.ハムストリングスの衰えは、脚が太く見える、お尻が垂れるなど下半身太りの原因に。
3.血流が悪くなり下半身が冷える、むくむ、歩きにくくなり運動量が減る、代謝が落ちるという悪循環にも。
4.解決策はハムストリングスに刺激を与える、このエクササイズを隙間時間に行うこと!

40秒で太ももをスッキリ細く!【村木さん考案】立ったまま太ももエクササイズ

【5】太ももの張り出し解消&美尻に!「正しい座り方メソッド」


■間違った座り方で太ももが横に張るのを予防

肝心なのは、座っているときの太ももとお尻の状態。正解は、太ももとお尻のお肉をギュッと体の中心に寄せながら座ること。両手を使ってお肉を移動させるのですが、たったこれだけで筋肉にもアプローチできるので、骨盤が正しい位置になり、安定して美しい姿勢をキープできる効果が。

コツさえ掴めば、いつでもどこでもできて、骨盤の歪みや太ももの張り出しの改善、垂れて見えるお尻や平べったくなったお尻をふっくらヒップアップ!デスクワーク中はもちろん、食事の席、電車など、座る機会があれば、この正しい座り方を習慣化してみてくださいね。

<STEP.1>足は床につけて背筋をまっすぐにして座る

背もたれには寄りかからず、座面の3分の2くらいで浅めに座りましょう。膝は正面に向けて、足は床から離れずしっかりとつけます。これが基本の姿勢です。

どかっと座ったり、猫背になったりしないように気をつけましょう。
どかっと座ったり、猫背になったりしないように気をつけましょう。

<STEP.2>両手で太ももを持ち上げて、外側に向かってねじる

太ももの肉を外に向かって回転させるようにねじって、ももの裏の肉を中心に集めます。

手のひら全体を使って、ぐいっと肉を動かしましょう。
手のひら全体を使って、ぐいっと肉を動かしましょう。

<STEP.3>STEP.2のまま、お尻を上げる

お尻を浮かせると、ベタっと広がっていたお尻の肉が中央に集まりやすくなります。

体を少し横に倒して、お尻をしっかりと浮かせましょう。
体を少し横に倒して、お尻をしっかりと浮かせましょう。

<STEP.4>そのまま下ろす

太ももとお尻の肉が中央に集まった状態のまま、太ももをストンと下ろします。これで骨盤もお肉も正しい位置に! 反対側も同様に行いましょう。

この状態だと安定して疲れにくいし、見た目にも美しい姿勢に!
この状態だと安定して疲れにくいし、見た目にも美しい姿勢に!

\このメソッドの効果とポイント/
1.デスクワークで座っている時間が長い人はハムストリングスが劣化しがち。
2.ハムストリングスの衰えは、脚が太く見える、お尻が垂れるなど下半身太りの原因に。
3.血流が悪くなり下半身が冷える、むくむ、歩きにくくなり運動量が減る、代謝が落ちるという悪循環にも。
4.解決策はハムストリングスに刺激を与える、このエクササイズを隙間時間に行うこと!

村木宏衣さん指南|座り方を変えるだけ!太ももの張り出し解消&美尻対策メソッドとは?

【6】むくみも腰痛も解消!「太もも伸ばし」ストレッチ


■骨盤周りの筋肉をほぐして、太ももの張り出しを解消

「反り腰」は骨盤や股関節に関わる「腸骨筋」「大腰筋」が硬くなっていることが原因のひとつなので、まずはここを緩めることが先決なのだとか。特に座り姿勢が多い人は、この「腸骨筋」「大腰筋」がいつの間にかカチカチに固まっている人がほとんど! そこで村木さんが教えてくれるのが、椅子を使って「腸骨筋」「大腰筋」を緩めるストレッチ方法。たった60秒で完了するし、ふだん意識していなかった骨盤周りの筋肉をしっかりと伸ばすことで、腰や脚がスッキリと軽くなりますよ。

<STEP.1>椅子に左脚の膝をのせる

椅子を背後に置いて、左脚の膝を椅子の座面に置く体勢になります。その際、右手は椅子におき、左手は腰に当てて背筋はまっすぐ伸ばして、正面を見ましょう。

椅子に左脚の膝をのせる
息は止めずに深呼吸しながら行って。その方が筋肉が緩みやすくなります。

<STEP.2>腰を正面に押し出し、太ももをストレッチ

STEP.1の体勢から、右膝を軽く曲げて腰を正面に押し出しましょう。これによって、腸骨筋、大腰筋がストレッチされて緩みます。これを30秒キープしましょう。最初はバランスを取るのが難しいですが、お腹を凹ませるように力を入れると体幹が安定しますよ。右側も同様に行いましょう。

腰を正面に押し出し、太ももをストレッチ
骨盤は正面に向けて背筋はまっすぐのまま、キープしてください。

\このメソッドの効果とポイント/
1. 姿勢が悪く猫背の人、ヒールの高い靴を愛用している人は、「反り腰」になりやすい。
2.「反り腰」は、むくみや腰痛を引き起こすなど体調不良につながりやすい。
3. 骨盤の歪みも関与しているので、お腹がぽっこりしたり、太ももが張り出してしまうことも。
4. 骨盤や股関節に関わる筋肉の硬化が原因のひとつなので柔軟性を取り戻すストレッチが効果的。

教えてくれたのは:村木 宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。

村木宏衣さん指南|むくみも腰痛も解消!60秒で完了する「太もも伸ばしストレッチ」が効く

この記事の執筆者
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