【目次】

肩甲骨が動きにくいと、肩こりの「原因」に


パソコン作業やスマホチェックをする際に、私たちはつい前屈みになりがちです。この姿勢の悪さが背中の張りや肩こりにつながるのですが、それは肩甲骨周りの筋肉がガチガチに固まっているのが原因です。

肩甲骨は本来、柔軟に動くもの。ですが、背中の張りや肩こりを感じている人は、肩甲骨周りの筋肉が肋骨に癒着したように固まり、柔軟性を失っている状態。しかも肩甲骨周りの筋肉が硬く張った状態が続くと背中から首、顔と繋がっている筋肉が下に引っ張られ、顔のたるみを引き起こしやすくなるのだとか…!なので、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にしておくことは、大人の必須課題です。

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 

コリを40秒で解消!寝ながらできる「肩甲骨はがしストレッチ」とは?

【1】「広背筋」「僧帽筋」をほぐすスキャプラストレッチ


■いかつい肩とおさらば! 肩甲骨周りの動きをよくするストレッチ

肩甲骨周辺にある「広背筋(こうはいきん)」と首のうしろの「僧帽筋(ぞうぼうきん)」をまとめてほぐすことができるストレッチです。

\動画でチェック/

<STEP.1>

両手は肩の真下、膝の間にこぶしひとつ分のスペースを開け、つま先を立てて四つん這いの姿勢になります。

四つん這いの姿勢に。

<STEP.2>

右の手のひらを上に向けて、左手の手首の内側から、右腕を左側へ遠くに指先を伸ばして、手の甲、肩、頭をマットにつけます。

手の甲、肩、頭をマットにつけます。

<STEP.3>

左手を天井に伸ばしたら、手のひらをうしろ側に向け、肘を曲げて、手の甲を腰につけます。

右の手のひらを上に向け、右腕を左側へ遠くに伸ばして、手の甲、肩、頭をマットにつけます。左肘を曲げて、手の甲を腰につけて胸の部分をひねるようにストレッチしましょう。

<STEP.4>

左の肩をうしろへ、肩甲骨を背骨へと寄せるように胸を開き、その状態で30秒〜1分間キープ。左の手を顔の前のマットに置いて、四つん這いの状態に戻ります。

<STEP.5>

反対側も同様に、30秒〜1分間ストレッチしましょう。

肩周辺は多くの筋肉が絡み合うところ。肩や背中がガチガチで動かないという人でも周辺の筋肉のコリをほぐしていくことで肩こり解消につながります。

佐々木ルミさん
モデル&ボディメイクトレーナー
(ささき るみ)全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルトレーナー、日本ウォーキングスペシャリスト協会認定ウォーキングスペシャリスト(R)。高校時代にバレーボールで国体優勝を果たすなど、アスリートとして実績を残したあと、ファッションモデルに転身。海外や国内でショーや雑誌・CMなどのモデルとして幅広く活躍する一方、ボディメイクトレーナーとしての活動を開始。エクササイズでマインドもハッピーに変わった自身の経験をベースに、適度な運動で健康的な毎日を送るウェルネスエイジングを提唱している。著書に『キレイをかなえるデトックスウォーター』(宝島社)、『イルミネートボディ・ダイエット』(サンマーク出版)がある。

初出:老け見えする「肩の盛り上がり」を解消! 美しいショルダーラインに導く家トレ【動画で学ぶ大人のボディメイク】

【2】姿勢改善&肩こり解消に「菱形筋」肩甲骨寄せメゾット


■姿勢改善&肩こり解消のほかブラのはみ肉解消にも効果的

\このメソッドの効果とポイント/
・年齢を重ねるごとに、二の腕はたるみやすく、太くなりやすい。
・二の腕痩せのポイントは、肩甲骨の内側にある「菱形筋(りょうけいきん)」を鍛えることが有効。
・菱形筋とは、背中側の首の下あたりから始まり、肩甲骨の内側につながっている。
・さらに、姿勢改善、肩こり解消ブラのはみ肉解消にも効果的。

<STEP.1>菱形筋(りょうけいきん)の位置を確認

・菱形筋は、「小菱形筋」と「大菱形筋」とからなり、背中側の首の下あたりから始まり、肩甲骨の内側につながっています。
・肩甲骨を引き寄せたり離したりするときに使われる筋肉です。

<STEP.2>腕を伸ばし、手をまっすぐ前に出す

・腕を伸ばして手を前に出します。肩が上がらない高さをキープしてください。

腕を伸ばし、手をまっすぐ前に出す

<STEP.3>腕を回転させて、小指側を上げる

・腕を内側に回転させて、小指側を上げるように意識します。
・このとき手首を回転させるのではなく、腕全体で回転させるように行いましょう。

腕を回転させて、小指側を上げる

<STEP.4>手の形はキープしたまま肘を曲げて手前に引く

・肘を曲げて、伸ばした手を手前に引きます。小指は上げたままキープしましょう。

手の形はキープしたまま肘を曲げて手前に引く

<STEP.5>肘を軸にしながら、手を左右の外側へ開く

・手と腕を引いたまま、肘を軸にして、左右の外側に開きましょう。
・このとき左右の肩甲骨が中心に寄り、二の腕の筋肉がストレッチされるのを実感するはず。
・これを20秒キープ。これを3回繰り返してください。

肘を軸にしながら、手を左右の外側へ開く

二の腕を細くする!【村木さん考案】肩甲骨寄せトレーニング

【3】首コリを解消、肩甲骨に繋がる「舌骨下筋群」ほぐし


■首こり肩こりにアプローチ!

\このメソッドの効果とポイント/
・スマホやパソコンによる前傾姿勢で首コリ、肩こりが慢性化しやすい。
・原因は首の手前側にある「舌骨下筋群」が凝り固まっているから。
・「舌骨下筋群」は胸骨や肩甲骨に繋がっているので緩めるとコリ解消に。
・テニスボールを使って優しい圧でほぐすのが簡単。呼吸改善にも。

<STEP.1>ほぐすポイントを確認

・首の前側にある、あご下から鎖骨につながる舌骨下筋群を上から下までほぐします。
・喉の両側のライン、左右の3か所をマッサージします。

ほぐすポイントを確認

<STEP.2>テニスボールで圧迫しながら、小さく外回しでマッサージ

・STEP1のほぐすポイントにテニスボールを当てて、優しく圧迫しながら、外回しで小さい円を描くように、くるくるとマッサージを。
・各部位をそれぞれ5回くるくると回し、それを3セットずつ行いましょう。

テニスボールを使って、くるくるマッサージをする

【村木宏衣さん考案】テニスボールで首コリ解消! 呼吸もラクになるメソッド

【4】姿勢改善、肩こりの解消にも肩甲骨に繋がる「僧帽筋」メゾット


■菱形筋をしなやかにして、肩甲骨周りの筋肉のこりを治す

\このメソッドの効果とポイント/
・慢性的な肩こりによって、ガッチリ肩やなで肩になりやすい。
・首から肩や背中の上部につながる「僧帽筋」が弱り、硬く縮こまることが原因に。
・対策は「僧帽筋」を鍛えながら緊張によるコリをリリースするトレーニングが有効。
・首が長くスッキリとした直角肩になり、華奢な印象に。肩こり改善にも!

<STEP.1>鏡で自分の肩の状態をチェック

・なで肩になっていないか、鎖骨の位置が床と平行になっているか、鏡で今の自分の肩の状態をチェックしましょう。

鏡で自分の肩の状態をチェック
 

<STEP.2>左側の肘を曲げて、右手で僧帽筋をつかむ

・左側の肘を曲げて、小指と親指をくっつけます。これによって、僧帽筋の背中側の筋膜を意識しやすくなるので、筋トレ効果がアップします。
・左肩の僧帽筋を右手で掴みましょう。これが基本姿勢になります。

左側の肘を曲げて、右手で僧帽筋をつかむ
 

<STEP.3>軽く脇の下をのぞきこむ姿勢になり、左の鎖骨と肩を上げ下げする

・STEP2の僧帽筋をつかんだ状態のまま、軽く脇の下をのぞきこむような姿勢に。
・そして左の鎖骨と肩を一緒に上げ下げします。
・これを20回繰り返しましょう。右側も同様に行なってください。

軽く脇の下をのぞきこむような姿勢になり、左の鎖骨と肩を上げ下げする
 

ガッチリ肩&なで肩をリセット【村木さん考案】スッキリ直角肩に変えるトレーニング

【5】肩こり解消、肩甲骨や背骨に繋がる「僧帽筋」ほぐし


■胸と腕の筋肉をほぐして、巻き肩を解消!

\このメソッドの効果とポイント/
・肩こりは首の根元から背中にかけてある僧帽筋(そうぼうきん)が大きく関与。
・コリが慢性化すると、肩部分の僧帽筋が盛り上がり、首が太く短くなる。
・さらに血液やリンパの流れが悪くなり、デコルテがもたつき、むくみ顔に…。
・僧帽筋をほぐす腕回しメソッドで一気に巡らせるとフェースラインがスッキリ変わる。

<STEP.1>僧帽筋の位置を確認

・頭蓋骨のうしろ側あたりから、肩甲骨や背骨に広がっている僧帽筋。
・頭を上下に動かしたり、首をすくめたりする特に使う筋肉で、コリが慢性化すると肩のラインが盛り上がったように見えてしまいます。

僧帽筋の位置を確認
 

<STEP.2>僧帽筋に圧をかけて腕を回する

・首の左側の根元に右手の人差し指・中指・薬指の腹全体を当てて、圧をかけながら、左の腕を肘から大きく回します。
・手前に5回、うしろに5回、繰り返しましょう。反対側も同様に行ってください。

僧帽筋に圧をかけて腕を回す
 

むくんだ首も顔もスッキリ!【村木さん指導】肩ほぐしメソッド

【6】肩甲骨の動きに大きく関わる「前鋸筋」伸ばし


■つらい首コリ&ストレートネックを改善!

\このメソッドの効果とポイント/
・首コリ、ストレートネックは「前鋸筋」が凝り固まっていることが原因のひとつ。
・「前鋸筋」とは、脇の下の肋骨から肩甲骨につく筋肉で、肩甲骨の動きにも関与。
・「前鋸筋」をしなやかにすることで猫背を改善し、首コリ、ストレートネックのケアに。
・呼吸もしやすくなるので自律神経のバランスが整い、イライラしにくくなる効果も。

肘をうしろに引きながら固定し、肋骨あたりを前方に引っ張る

・椅子の背もたれを利用して、左腕の肘をうしろに引きながら固定し、右手で肋骨あたりを前方に引っ張るようにストレッチします。
・これを20秒行ってください。反対側も同様に行って。

肘を後ろに引きながら固定し、肋骨あたりを前方に引っ張る
脇の下の肋骨から肩甲骨にある「前鋸筋」がしっかりと伸びているのを感じましょう。

つらい首コリ&ストレートネックを改善!【村木さん考案】脇の下ストレッチ