【目次】
そもそも、ほうれい線とは?
ほうれい線はシワではなく、たるみ!
ほうれい線とは、小鼻から口の両側を通ってあごまで伸びる「線」のこと。「シワ」だと思わがちですが、ほうれい線の正体は、実は「たるみ」なのです。これは、立っている状態と仰向けに寝ている状態を比較してみると、よくわかります。
まず、立っている状態(右写真)。このとき、ほうれい線は見えます。次に、仰向けに寝ている状態。このとき、ほうれい線は見えなくなっています。
これがどういうことかというと、重力があるかないかの差にあります。寝た状態で重力がかからなくなると、ほうれい線が見えなくなるということは、ほうれい線は「頬が下がって」現れる線だということ。そのため、ほうれい線は「たるみ」に分類されるのです。
一方のシワはどうかというと、重力とは関係がなく、肌深くに刻まれていくものなので、仰向けに寝ても、消えることはありません。ほうれい線=たるみであることを認識すると、おのずとお手入れも変わってきます。
なぜ、ほうれい線ができるのか? いつからできるのか? 今回は、老けて見えるほうれい線の正体と深層リンパケアをお伝えします。ぜひ、正しく覚えておいてください。
\「ほうれい線」ができ始めるのは、20代から!/
「20代の女性たちに肌悩みを聞くと、毛穴の目立ちやニキビ、乾燥、小ジワ、肌荒れなど、肌の表面的なサインが多く挙げられます。ご自身でたるみを気にされるのは、30代以降が多いのです。ですが、実際は20代からたるみは始まります。小鼻の横に影ができ始め、この影がほうれい線の始まりになるのです」(資生堂 アドバンスト リサーチセンター 主幹研究員、農学博士 江連智暢さん)
頬の目立つ毛穴は、「たるみ毛穴」と呼ばれています。毛穴のある頬がたるんできたから、毛穴がしずく形になり、目立つという時系列となるわけです。ということは、頬の毛穴が目立ってきたときには、たるみが進行しているということになります。「25歳がお肌の曲がり角」とはよくいわれますが、実に当を射た、老化の真実だったのです!
\自分より、他人のほうが早く「ほうれい線」を認識する!/
さらに、「自分で見ている顔と、他人が見ている自分の顔では、平均で約10歳ほどの開きがあると考えられます」と江連さんは言います。実際に、正面から見るとほうれい線があまり目立たず、若々しいです。それに対し、斜め横から見ると、ほうれい線がくっきり目立ってしまっています。
「自分では、なかなか斜め横の自分の顔を見る機会が少ないため、他人からどう見られているか?まで気が回りません。すると、自覚がないために、ケアが遅れてしまう可能性が高くなるのです。そして、気づいたときにはかなりたるみが進行し、ほうれい線が深くなっていた、なんてことにもなりかねません。まずは気づくことが大切なんです」(江連さん)
ぜひもなさんも、鏡などで斜めからもチェックしてみてください。もしかしたら、自分では気づいていないだけかもしれません。
老化のサイン「ほうれい線」の原因は?ほうれい線に効くリンパマッサージや体操、コスメや美顔器の使い方まとめ
ゆがみを矯正して「たるみ」を解消!
「基本の若見せポイントケア」
リフトアップ方法を教えていただいたのは、アンチエイジングデザイナー・村木宏衣さん。
\ゆがみを矯正する/
これは、ほお骨から側頭部につながり、緊張しがちな筋肉をゆるめるケアです。骨格のバランスが整うと、たるみやほうれい線もリフトアップ。ハリのある肌を支える土台をつくるためにも、ぜひ挑戦してみましょう。
\たるみを引き上げる/
そしゃく筋の咬筋や、あごから首に広がる広頸筋が緊張して硬くなると、顔が横に引っ張られてゆがみ、たるむ原因になるのです。このケアで筋肉をほぐして柔軟性を取り戻せば、口角もキュッと引き上がります。
お風呂の中でも手軽にできる「若返り顔筋ケア」3ステップ
■1:ゆがみを矯正する(1分)
ほお骨で交差する複数の筋肉をとらえながら、口を動かしてほぐします。ケアした後は、あごの関節がスムーズに動くことを実感するはず。
(1)両手で頭をはさむようにして親指はほお骨の下に
両手の親指を大きく開いて、指の腹をほお骨の下に置きます。4本の指は側頭部に添えて位置を固定し、両手で頭をはさむようなポジションをつくることがポイントです。
(2)親指で圧をかけながら「あぐあぐ」と口を動かす
ほお骨の先から1.5cmくらい下のところから、親指の腹で斜め上に圧をかけながら、口を大きく「あぐあぐ」と開け閉めして(声は出さなくてOK)、これを6セット繰り返します。4本の指は固定したまま、さらに親指の位置を後ろにずらしながら4か所を同様に行いましょう。
「ほお骨の下から斜め上に押し上げ、親指の腹を骨に引っかけるのがコツ。ほおの筋肉をしっかりとらえながら、ほお骨に沿って、耳の前のくぼみまで4か所に分けてほぐしましょう」(村木さん)
ゆがみの矯正は、「側頭筋(噛む力を生む筋肉)」、「小頰骨筋(上唇を後上方に引き上げる働きをする筋肉)」、「大頬骨筋(口角を上外側に引き上げる働きをする筋肉)」にアプローチすることができます。
■2:たるみを引き上げる(1分)
普段から大きな力が加わり、硬直しやすい咬筋を中心にゆるめます。同時に、あごから首筋の広頸筋もゆるめるケアです。
(1)咬筋に反対側の親指を引っかけて固定する
ほお骨の下にある、口を開閉したときに動く筋肉(=咬筋)のへりのくぼんだ部分を反対の手の親指で押さえます。残りの4本指は軽く握ってエラ骨に引っかけましょう。
(3)筋肉を掴みながら「あぐあぐ」と口を開け閉め
咬筋をしっかりはさみ押さえながら「あぐあぐ」と口を開け閉めして(声は出さなくてOK)、6セット繰り返す。筋肉に沿って親指を下にずらしながら計3か所で行ったら、反対側も同様に行ってください。
「こちらのケアでは、普段から大きな力が加わり、硬直しやすい咬筋を中心にゆるめることができます。特に下側は硬くなりやすいため、意識してしっかり毎日ケアを行うことが大切です」(村木さん)
咬筋は物を食べるときに使われる咀嚼筋のひとつ。硬くなってしまうと、肌のたるみの原因にも。このケアで、ブルドック顔にならないようにしましょう!
最短1分で一生老け顔で悩まない!どこでも手軽にできる「若返り顔筋ケア」習慣
ほうれい線が浅くなる「ツボ押しマッサージ」
「迎香」は小鼻の横にあるツボで、老廃物が溜まりやすいところで、ここをプッシュすることで老廃物の排出を促し、たるみやほうれい線の改善に効果的なのだとか。さらに、むくみや鼻づまりにも効くので、朝のメイク前や仕事の合間などにプッシュするのを習慣にしてみてくださいね。
■Step1:まずはプッシュする位置を確認
「迎香(げいこう)」は小鼻の横にあるツボ。プッシュすることで老廃物が体外に排出され、たるみの改善やほうれい線の解消に。
■Step2:小鼻の横を優しくプッシュ
「迎香(げいこう)」を人さし指を使って、鼻を挟むように10秒間押しましょう。これを2~3回繰り返します。
村木宏衣さん指南|老け顔の原因、ほうれい線が浅くなる!?リフトアップ・ツボ押しで若返り
たった10秒で完了! ほうれい線を消して小顔になる、簡単「耳ほぐし」マッサージ
ほうれい線ができると、シワケアと同様にその部分に美容液やクリームをたっぷりとすりこんでどうにかしよう、と思いがちですが、それでは効果なし。皮膚だけの問題ではなく、耳周りの筋肉、咬筋が硬くなることが大きく影響しているのだから、この筋肉をほぐしてハリを復活させることが得策です。
■Step1:手を軽く丸めて、耳全体を覆うように当て
これが基本の位置。親指の付け根がエラの位置で、人さし指、中指、薬指、小指の4本の指が耳を覆い、手のひらでフェースラインを押さえましょう。
■Step2::外回しに円を描くように手を動かす
Step1の状態から、外回しに15回、円を描くようにマッサージします。このとき、ぽかんと軽く口を開けましょう。人さし指、中指、薬指、小指の腹で耳周りの筋肉をほぐし、手のひらで咬筋とフェースラインをマッサージする感じで行って。
たった10秒で完了! ほうれい線を消して小顔になる、簡単「耳ほぐし」マッサージとは?
歯科医発! 凝り固まった表情筋を動かす&ほぐすトレーニング
「人と話さない、マスクで表情をつくらない生活となり、特に顔の下半分の表情筋を使わなくなっているうえ、舌筋も使えずに衰えることで、よりほうれい線やマリオネットラインが深くなり、口角が下がっていってしまうのです」(「ホワイトホワイト」院長、歯科医師・石井さとこ先生)
しかし、トレーニングすることで、十分ハッピー顔を取り戻すことが可能だと力説。毎日少しずつでも動かしていって。
1. 表情筋が集中する「モダイオラス」をほぐして準備
口角の外側の少し上にあるコリコリする場所が「モダイオラス」。顔の筋肉が集まるターミナル駅のような重要な場所。口の中でここに舌先を当て、下から上に向かってほぐしていく。左右10回ずつ。表情筋がほぐれてこのあとのトレーニングが行いやすくなる。
2. 舌先で口の中から、ほうれい線をアイロンがけ
表情筋が衰えることで深くなっていくほうれい線。ほうれい線のスタート地点を肌の上から指で確かめ、その地点から終点まで、口の中から舌でゆっくり押しながら上下させて、アイロンがけのようにのばす。左右10回ずつ行う。ゆっくり動かすのが効かせるコツ。
3. 眼球と舌を一緒に動かしてトレーニング
口の中で、上、左、下、右と4か所を舌で押さえる。同時に眼球も上、左、下、右と合わせて4か所に連動させてステイさせる。リズムよく行うのがポイント。逆回りも行ってみて。各2周くらいできたらOK。口元だけでなく、目もパッチリと開きやすくなる。
歯科医発トレーニング |表情筋&舌筋を鍛えて、顔の下半分のたるみを一挙に解消へ!
「美顔器」で効果的にアプローチ
すくい上げてつまみ流す美顔器「リファカッサレイ」
360°マルチアングル構造のローラーが肌を深くつまみ流し、たるみケアに効果的と定評のある美顔ローラー「ReFa」ブランドから登場した「ReFa CAXA RAY(リファカッサレイ)」。
こちらは、顔のたるみの原因のひとつで、皮膚を支える土台と言われている「SMAS筋膜」(顔面の皮膚の下にあり、顔の構造を正しく支えている繊維状の筋膜)を中心に、表情筋、皮下脂肪、血流・リンパの複合的なアプローチに着目した、カッサのような形状が特長的です。
\美顔ローラー「ReFa CAXA RAY(リファ カッサレイ)」の使い方2パターン/
まずは準備運動
実際の使い方としてご紹介するのが「リフトアップ」「ほうれい線ケア」の2種類。リフトアップにも、ほうれい線ケアにも、最初にこのプレステップを行うことで、リンパの流れをよくし、滞りがちな老廃物を流れやすくします。
シングルホーンを使って、鎖骨の上下を押すのがポイントです。数か所に分けて、内側から外側へ向かって行います。
パターン1【リフトアップ編(首〜頬の摩擦ケア)】
■1:鎖骨周りのリンパをほぐして下準備
プレステップを行った後、シーガルラインを使って、耳の下から鎖骨に向かって通っている、耳下腺リンパの流れをよくします。
■2:シーガルラインで首と顔のリンパを流す
シーガルラインを使って、あご先にシーガルラインを当て、しっかとり押し込むようにして耳の下まですくい上げます。頬骨の下も同様に行います。
■3:クレセントラインで頬全体&額を引き上げるように滑らせる
クレセントラインを使って、頬全体に密着させます。口角から、耳前までしっかりとすくい上げます。そして、額も同様、半分にクレセント部分をあて、引き上げるように滑らせていきます。
パターン2【ニーディングケア編(ほうれい線ケア)】
■1:鎖骨周りのリンパをほぐして下準備
プレステップを行った後、ローラー部分を鎖骨に当て、しっかりとリンパを開くイメージでローラーを転がしながらマッサージを行います。
■2:首筋とフェースラインをローリング
首筋とフェースラインをローリングして、むくみを解消していきます。
■3:ほうれい線の上を上下にローリング
ほうれい線が気になる部分をローリングしていきます。表情筋をほぐすように行うのがポイントです。
■4:目元をローリング
目元も小刻みに上下にローリングして、目元のたるみやくすみも解消します。
■5:額もローリング
額も上下にローリングします。ジグザグに動かすことをイメージして行ってください。
すくい上げてつまみ流す美顔器「リファカッサレイ」で、「顔のリフトアップ」と「ほうれい線ケア」が実現
ほうれい線を消す!簡単3ステップ「メイク」
ほうれい線の影をコンシーラーで明るく補正しよう
ほうれい線の影となっている部分をコンシーラーで明るく補正したら、よくなじませ、スポンジでしっかりと密着させます。すると影が消え、パンとしたハリ感が甦ります。
頬から口にかけては表情によってよく動く部分です。そのため、コンシーラーにファンデーション、フェースパウダーと重ねてしまうと、厚みが出てヨレやすくなってしまいます。大人肌ほど、あれこれ重ねず、薄くピタッと密着させるのが美しく仕上げるコツです。
■1:ほうれい線に対して横に線を引く
コンシーラーはやわらかい描き心地のもの、色は肌と同じトーンで浮かないものを選びましょう。ほうれい線に対して横方向に3本くらい線を引きます。本数はほうれい線の長さに合わせて調節してみてください。
■2:コンシーラーは上方向になじませて
1で引いたラインを指で上方向にのばしてよくなじませましょう。ラインが消えたら、ほうれい線の周囲と境目がつかないように鏡でチェックしながら、軽くタッピングするようにさらになじませていきます。
■3:仕上げにスポンジでダメ押しのたたき込み
2でなじませたコンシーラーを、さらに厚みのあるスポンジで軽くたたき込むようなじませていきます。ほうれい線は動く部分なので、よくたたき込んでおかないとヨレてコンシーラーの線ができるので、ご注意ください。
できれば、コンシーラーの上からファンデーションやフェースパウダーは重ねずに仕上げましょう。重ねないと不安という方は、フェースパウダーを薄く重ねて、手のひらでよく密着させてみてください。重ねないほうがメイク直しも簡単です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部