1947年、『ハーパス・バザー』誌で発表したデザイン性の高いスキーウエアが注目され、デザイナーとしてのキャリアをスタートしたエミリオ・プッチ。ラグジュアリーな生活から生み出された革新的なデザインや代名詞となっているプリントのルーツ、実はマリリン・モンローがコレクターだったという単色のソリッドコレクションまで、詳しくご紹介します。

創業者:エミリオ・プッチ
創業地:イタリア・フィレンツェ
創業年:1947年。イタリアを代表するファッションブランド。革新的で唯一無二の柄から「プリントの王子」と称され、今なおフレッシュで洗練されたコレクションを生み出し続けています。

■創業当時のエピソード

エミリオ・プッチと、娘であり現イメージディレクターのラウドミア・プッチ
フィレンツェの”プッチ通り”にある「プッチ宮殿」。建物の屋根からは、街のシンボルであるドゥオーモが見渡せる

1914年、フィレンツェで最も歴史と格式のある貴族の家柄に生まれたエミリオ・プッチ。オリンピックに出場するほどのスキーヤーで、高級リゾート地やカリブ海を行き来するジェットセッターでもありました。そんな生まれながらに優雅な生活を体現するプッチがデザインする服は、当時のファッション業界に革命を起こし、モダンで活発な女性たちを虜にしていきます。

初デザインのスキーウエア

1947年には、『ハーパス・バザー』誌で最初の作品である流線形のスキーウエアを発表。裾に向かって絞られたシルエットのパンツにフード付きジャケットのセットアップが話題となり、デザイナーとしてのキャリアが本格的にスタートします。

■ブランドの転機

カプリのブティックにてポーズをとるエミリオ・プッチ

エミリオ・プッチは、カプリ島に初のブティックをオープン。1950年代に入ると、地中海でバカンスを過ごすことがトレンドとなり、セレブリティーたちに、島の自然と鮮やかな色彩にあったリゾートウエアを紹介するようになります。フィット感のあるカラフルなカプリパンツやシルクツイルのシャツ、ジャージー素材のトップスなどは、気軽に着られてかつおしゃれな洋服としてたちまち人気となり、裕福で洗練された女性たちの間で話題となります。

メゾンの代表作ともいえるグラフィカルで抽象的な柄や万華鏡のように色彩豊かな柄も、このころに誕生しました。法則性のある幾何学模様は現代アートからヒントを得ていますが、そのベースとなったのは、シチリアのモザイクやバリのバティック、アフリカのプリミティブなモチーフなど。生活の中にある自然の光景をアレンジした柄を洋服にのせたコレクションは、当時一大センセーションを巻き起こします。その衝撃からエミリオ・プッチは「プリントの王子」と呼ばれるようになり、オリジナリティーと地位を確立していきます。

さらに、女性たちがまだ重いパッドやコルセット、ペティコートなどの身体を締め付ける洋服を身に付けていた時代に、エミリオ・プッチは身体の曲線にふんわりとフィットするドレスをいち早く発表。従来の堅苦しいファッションとは逆の発想で、女性たちの自然体の美しさを提唱したパイオニアでもありました。

■ブランドを代表する現代の名品アイテム

2018年春夏コレクションのスカーフ
ミラノのオフィスで撮影された2018年プレスプリングのコレクションイメージ。壁にはスカーフのアーカイブを展示

エミリオ・プッチの大定番アイテムであるシルクスカーフ。最新コレクションでは、スカーフをベルトとして用いてウエストマークするなど、さまざまなコーディネートが提案されています。また、ミラノのオフィスでは、アーカイブの大判スカーフを額に入れ、アートのように壁一面に展示しています。

2018年春夏プレゼンテーションで発表したシルクドレス
2018年春夏プレゼンテーションで発表したシルクドレス

柄の大胆さやカラーの美しさを最大限に表現できるシルクドレス。女性が袖を通すことでさらに優雅な柄とシルエットが際立つメゾンのアイコンは、今も昔も多くの女性たちから愛される人気アイテムです。

2018年春夏にカプセルコレクションとして発表したソリッドカラーアイテム

「エミリオ・プッチ=プリント」のイメージがありますが、アイコニックな柄を生み出す以前には、ソリッドカラーのアイテムを多く手掛けていました。太陽の差し込む地中海色、カプリ島の花々などがインスピレーション源となったカラーコレクションは、マリリン・モンローがコレクターだったことでも知られています。

■ブランドを愛用するセレブリティーとエピソード

1960年代から70年代にかけて、エミリオ・プッチはアメリカの富裕層のおしゃれな女性に急速に人気を博しました。アイコニックなプリントは多くの女優たちから称賛され、顧客にはマリリン・モンロー、ソフィア・ローレン、ジャックリーン・ケネディーなどが名を連ねていました。今日でも、マドンナやニコール・キッドマン、ミランダ・カー、ビヨンセ、リタオラなど、数多くのセレブリティーに愛されています。

■ブランドの現クリエイティブ・ディレクター

2017年まではマッシモ・ジョルジェッティが、2018年春夏コレクションはデザインチームがデザインを手がけています。「友人たちが招かれるプールパーティー」をキーワードに、エフォートレスでエレガントなドレスやガウン、スイムウエアなどがお披露目。アーカイブ柄を用いた新作アクセサリーとして、トップハンドルに60年代のクラッチのデザインを用いたバッグなども登場しました。

デザインチームによるコレクション
エレガントなスイムウエアとガウン
リリラックス感のあるトップスとパンツ
アーカイブ柄を用いた新作のZENZIバッグ

リゾート地にゆかりのあるメゾンの原点に立ち返りながらも、さらにフレッシュで遊び心のあるコレクションを発表したエミリオ・プッチ。常に進化を遂げるクリエーションが、いつの時代も洗練された女性たちを魅了し続けています。

EMILIO PUCCI(エミリオ・プッチ)の問い合わせ先