【目次】
太らない食べ物「選び方」のコツ
「よく噛んで味わう」ことこそが体重増加を防ぐ食べ方の基本。その理由は、咀嚼回数が増えることで満足感が得られると同時に、消化する際にエネルギーを使うから。ひと口30回噛むのがいいとされていますが、ずっとモグモグと噛むのは、いざやってみるとなかなか難しいものです。そこで、自然に噛む回数を増やせるように、意識的に歯ごたえのある食材やメニューを選ぶことがおすすめ。例えば同じお肉を食べるのなら、ハンバーグよりステーキを。パンなら、ロールパンよりバゲットを。少しの意識が、咀嚼回数の増加につながります。ぜひお試しあれ。
食べ物【12選】
【1】シカ肉
ご存知の通り、ジビエ肉は高タンパク、低カロリーのヘルシー食。例えば、ジビエの代表選手・シカ肉に含まれる脂質は、牛肉の5分の1、カロリーは約半分(※1)。「ダイエット中だけど、お肉が食べたい!」というワガママを叶えてくれる、心強い存在です。シカ肉はおいしいだけでなく、女性にとってうれしい効果もいっぱいです。低コレステロール・高タンパク質なのはもちろんのこと、注目したいのは、鉄分の豊富さ。月経によって毎月鉄分が失われる女性は、男性に比べて鉄分不足による貧血や冷え性になりがち。その不足しがちな鉄分が、シカ肉には100gあたり3.4mgも含まれているのです。
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【2】ラム肉
クセがあるので調理しにくいと思われがちな羊肉ですが、高タンパクでヘルシーなのがうれしいところ。羊肉のおいしさを味わうならば、まずはラムを食べてみましょう。人気のラムチョップのつくり方は簡単。臭みをとるためにローズマリーやタイムなどのハーブとニンニクを添えて、塩胡椒したラムチョップをフライパンかオーブンで焼くだけです。
【3】ビーツ
ビーツはカリウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラルやナイアシン、パントテン酸などのビタミンB類、食物繊維などが含まれるほか、ベタシアニン、ベタインなどほかの作物にはなかなかない成分が含まれています。さらに近年ではビーツに含まれる「ラフィノース」というオリゴ糖の働きや、ビーツの赤色を示すベタシアニン、ベタキサンチンが持つ抗酸化作用、さらに血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)の、体内での産生を促進する成分が含まれており、その生理作用に注目が集まっています。
注目を集めるビーツの成分「NO(一酸化窒素)」
最近、健康への関心が高い人たちの中で、特に注目を集めているのが、ビーツを摂取することにより体内で産生されるNO(一酸化窒素)です。NO(一酸化窒素)と言えば、感染や炎症により体内で慢性的に過剰産生されると生活習慣病の悪化にもつながりますが、実は私たちの生活の中(食事や運動)で、NOは体の中で一定量が産生され、大切な役割を担っています。この産生されたNOには血行を改善すると同時に、血管をやわらかくする働きがあり、血管の中で血栓の発生を防ぐといわれており、動脈硬化の予防につながります。狭心症の患者にニトログリセリンが処方されるのは、ニトログリセリンが体内で加水分解により産生される、NOによる血管拡張作用を誘導するためです。また、血行を改善することは、持久力アップや疲労回復にも効果を発揮します。さらに基礎代謝のアップにもつながるので、運動能力のアップのほか、ダイエット効果も期待できる、注目の野菜なのです。
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【4】高野豆腐
一般社団法人NUTRITION SUPPORT ASSOCIATION代表理事
テニス栄養(R)/テニス栄養学(R)代表
日本スポーツ栄養学会会員、世界のお茶マイスター
「乾燥した高野豆腐を水で戻すと、6倍もの重さになることから、かさ増しできる食材。また高野豆腐は歯ごたえがあるので、自然と噛む回数が増えと満腹中枢も刺激されるため、食べ過ぎを防げます。食物繊維も豊富なので、便秘改善も期待できます」(山口さん)。
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【5】もち麦
「もち麦には、腸内の善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。白米の約20倍も含まれているので、便秘解消に効果的です。また、ビフィズス菌とヤセ菌(日和見菌)と呼ばれる腸内細菌が、水溶性食物繊維を発酵分解する際に短鎖脂肪酸を産生するのですが、この短鎖脂肪酸には〝脂肪の蓄積を防ぐ〟〝食欲をコントロールする〟〝交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促す〟といった肥満予防の効果も期待できます。そのほかにも、脂質の代謝に欠かせないビタミンB群や、体内の水分バランスを保つカリウムなどのミネラルも含まれているので、腸内環境を整えるならおすすめの食材です」(岩田さん)。
【6】チアシード
チアシードは水に浸すと約10倍に膨らみ、ジェル状なります。このジェル状のものは、グルコマンナンという植物繊維です。食物繊維は便秘の改善をはじめ、腸内環境を改善します。またグルコマンナンの水で膨らむ性質は、少ない量でも満腹感を与え、ダイエットにもおすすめです。
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【7】アーモンド
体にいいとはいえ、ナッツ類はカロリーが高いイメージ…と懸念する人もいるでしょう。しかし、実際に摂取してから体内で消化されて吸収されるカロリーは別物なのだそう。2012年に公開されたアメリカ合衆国農務省(USDA)の調査(*1)では、実際に消化され吸収されるアーモンドのカロリーは、栄養成分表示に記載されているアーモンド全体のカロリーよりも20%少ないと示唆しています。アーモンドはおいしいけれど、他のものも食べたいし、カロリーは少し気になるという人には朗報ですね! また、ナッツは、ダイエット時の間食にも推奨されているので、アーモンドならどんな時でも気にせず摂取できます。砕いてサラダにまぶすなど、料理に使うのもいいですね。毎日続けるには、アーモンドミルクを飲むことを新習慣に初めてみるのもいいかもしれません。
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【8】グレープフルーツ
「グレープフルーツには、善玉菌やヤセ菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。ピンクグレープフルーツの赤は、リコピンの赤なのでポリフェノールを摂取することもできますよ。そのほかにも、美肌に欠かせない〝ビタミンC〟、交感神経を刺激して脂肪を燃焼させる働きのある香り成分〝リモネン〟、食欲を抑える働きがあると言われている苦み成分〝ナリンギン〟なども含まれています。健康、美容に効果的なフルーツなので、毎日の食事に積極的に取り入れるといいですよ」(岩田さん)。
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【9】キウイ
「果物=太る」ではありません!
ダイエットには敵視されやすい、ごはんなどの穀物や果物には、糖質が多く含まれています。しかし、「糖質」と一括りにしても、その中には、ブドウ糖、果糖、砂糖(ショ糖)と、いろいろな種類の糖類が含まれております。果物には、果糖、ブドウ糖、砂糖(ショ糖)が混ざっていますが、果糖が多い食べ物ほど、食後血糖を上げにくいことがわかっています。果物は、その果糖の分量が多い食べ物。食後30分の血糖値は、果糖と食物繊維が多いほど上昇しにくく、砂糖(ショ糖)が多いほど上昇しやすいことがわかっています。具体的には、糖のバランスで果糖の多いキウイが食後血糖を抑えており、オレンジ、パイナップル、みかん、バナナなどに比べて、食物繊維の量も多く含まれているという特長があることから、果物の中でもキウイが、食後の血糖値上昇を抑制する比率が高いことがわかりました。
どんなに健康な方でも、30歳を過ぎた頃から徐々に血糖値は上がりやすくなる傾向にあります。美容や健康のために食後のデザートを諦めていたという方は、ぜひ果物をおいしくいただいて、血糖値の急激な上昇を防いでみませんか? 特に心配な方は、ぜひキウイフルーツを食べることを習慣にしてみてください。ただし、あくまでバランスのよい食事を摂った後で、果物を摂取すると血糖値の急上昇を抑制することができるというお話ですので、極端に果物だけを食べて血糖値の上昇を抑えようとは思わないようにすることも大切です。
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【10】ブルーベリー
「ブルーベリーは、北米ではスーパーフードとして広く認知されており、その栄養価の高さが注目されています。ビタミンC・E、亜鉛・マンガンが豊富に含まれ、食物繊維量はフルーツ類のなかではトップクラスといわれます。抗酸化成分のアントシアニンが、非常に多く含まれていることも特長です。ブルーベリーは、目に良い果実とされるのも、このアントシアニンが目の働きをよくする機能があるためと言われています。また、脂肪分がほとんど含まれず、低カロリーなヘルシー食材でもあります」(柴田さん)。
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\フルーツは「冷凍」して食感と風味を変えるのもおすすめ/
そんなにお腹が減っているわけではないものの、なんとなく口寂しくて何かを食べてしまう。そんな経験は誰にだってあるでしょう。けれど、その間食も積み重なれば、脂肪になってしまいます。そこで取り入れたいのが、冷凍した食材を口にするということ。たとえば、フルーツ。冷凍することで食感が変化し、慣れ親しんだ食材がデザートになるのです。また、冷凍することによって、食べ終わるまでにいつもの数倍の時間を要するようになります。固く凍らせたものを噛むことで、唾液が分泌され、満腹中枢が刺激されることにもつながります。すると、少量でも想像以上に大きな満足感が得られ、食べ過ぎを防ぐことができるのです。
「これは、ビジネスパーソンでダイエットしたいと希望している方に、おすすめしているやり方です。まずは、薄くスライスした冷凍バナナをおやつやスイーツ代わりに。アイスクリームを食べていた女性のクライアント様が、これで3か月で4キロ減となりました!」(トータルフードプロデューサー・小倉朋子さん)。
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【11】はちみつ
砂糖よりも甘みは強いのに、低カロリーな「はちみつ」。しかも、300種類もの栄養分が含まれるスーパーフードということで、近年ブームになっていますよね。はちみつは砂糖より甘みが強いのに低カロリーなので、ダイエット中のおやつにぴったり。
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【12】フローズンヨーグルト
ダイエット中のかたの強い味方となってくれるのが、ヨーグルトをベースにしたアイスクリーム「フローズンヨーグルト」。低カロリーで乳酸菌もたっぷり、罪悪感なく楽しめるヘルシーなスイーツです。
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どうしても食べたくなった時の「夜食」の選び方
そもそも、なぜ夜食は太りやすいのでしょうか。実は脂肪の蓄積には、糖質を摂取したときに分泌されるインスリンが関係しています。「食べものに含まれる炭水化物が糖に分解され、体内の血糖値が高くなると、血糖値を下げる『インスリン』というホルモンが分泌されます。このインスリンが分泌されると糖が脂肪細胞に取り込まれ、脂肪として貯えられる仕組みです」(ながいさん)。血糖値は通常、食後2時間でピークになり、その後2時間で元の状態に戻ります。つまり食後4時間はインスリン分泌も高くなっている状態。その間にエネルギー消費が行われないと、食べたものの多くが脂肪として蓄積されてしまうのです。
インスリン分泌の観点から、「血糖値が上がりにくい夜食」をとることが太りにくくするポイントになります。教えていただいたおすすめの食材や食べ方は以下の通りです。
【1】タンパク質が豊富な食材を選ぶ
豆腐や卵、お刺身などタンパク質が豊富な食べ物がおすすめです。温かいと満腹感が得られやすいため、豆腐なら冷奴よりも湯豆腐を召し上がるといいでしょう。お刺身ならばカツオやマグロが夜食にはぴったり。タンパク質からエネルギーや筋肉・血液を作るために必要な栄養素、ビタミンB6も一緒に摂ることができます。
【2】葉物野菜を選ぶ
「ほうれん草やキャベツなどの葉物野菜も血糖値の上昇を抑えます。特に、栄養価も高いほうれん草は健康にもいいのでおすすめ。簡単につくれるおひたしにしたり、お味噌汁に入れたりしてみては」と、ながいさん。反対に、糖質の多い和菓子やケーキ、スナック菓子などは夜食としてはNG! 夜食として食べるより、夕食後にデザートとして食べた方が血糖値は上昇しにくくベターです。
食べても太らない夜食とは?ダイエットに影響しない「正しい夜食の食べ方&メニュー」
- TEXT :
- Precious.jp編集部