【目次】
ぽっこりお腹になる「原因」
■老廃物が溜まっている
年齢を重ねるにつれ、下腹部がぽっこりと出てきているのが気になる…。それは長時間のデスクワークや運動不足でお腹がむくんでいるせいなのかもしれません。「お腹もむくむの?」と思うかもしれませんが、骨盤周りの筋肉の動きが悪くなれば、血流もリンパも滞り、老廃物がたまってむくんでしまうことに…。これを解消するには、骨盤に近い腸周りのリンパ=腸骨リンパを刺激して、むくみの原因である老廃物を流すのが得策です。
初出:「ぽっこりお腹」はむくみが原因!?座ったままできる「腸骨リンパ流し」で下腹部スッキリ
■腹斜筋が硬い
デスクワークで座りっぱなしの状態が続くと、猫背になり、腹部はくの字の状態になりやすいもの。すると脇腹にある筋肉=腹斜筋はぎゅっと縮こまってしまい、お腹は緊張しっぱなしのカチカチ状態に…! ウエストがもたついて、太ったように感じる原因は食べ過ぎではなく、腹斜筋が硬くなり、脂肪を溜め込みやすくなっているせいかもしれません。
普段あまり意識していない腹斜筋は、厳密にいうと表層にある外腹斜筋と中にある内腹斜筋に分かれていますが、このふたつの筋肉が柔軟でしっかりと稼働していれば、お腹周りはすっきり、くびれもキープできるのだとか。
村木宏衣さん指南|たった60秒で完了!ぽっこりお腹を解消し、くびれをつくる「腹斜筋ストレッチ」
■肋骨が開いている
肋骨とは内臓をぐるっと囲んでいる骨で、左右12本ずつ、合計24本あります。胸部や内臓を覆うようについているので、内臓を保護する役割があり、呼吸によって開いたり閉じたりと、意外と大きく動きます。けれども長時間同じ姿勢で上半身を動かさない、ストレスによる疲労とコリが溜まっている、と感じている人は、肋骨を動かす筋肉が凝り固まっている可能性があります。
肋骨が正しい位置にキープできず開いてしまうと内臓が下がりポッコリお腹になりやすく、肺も横隔膜も十分に動かすことができずに呼吸が浅くなりがち。呼吸が浅くなると血流が悪くなる、疲れが取れにくい、眠りが浅くなる、冷え・むくみ・肩こりといった不調を招くこともあるので肋骨の動きをよくすることは大事なのです。
初出:肋骨まわりの筋肉が固まると、ポッコリお腹のオバサン体型に! 簡単にほぐせるストレッチ術
■骨盤のゆがんでる
お腹や下半身のボディメイクの要となるのが、上半身と下半身をつなぐ骨盤周り。座りっぱなしの時間が長かったりなど、同じ姿勢が続くと、骨盤周りの筋肉がカチカチに固まってしまいます。
すると骨盤周りのリンパ=「腸骨リンパ」の流れが滞り、お腹や下半身がむくむだけでなく、血流が滞るので腸の動きが悪くなる、自律神経のバランスがくずれるなど、サイズアップの問題だけでなく、体の調子をくずしてしまうことも…。だから骨盤周りのメンテナンスはとっても重要!
お腹もむくむ!?立ったまま簡単にくびれがつくれる「腸骨リンパ」ケア
■便秘になっている
食事量を減らしているのに体重が減らない、それどころか、下腹がぽっこり出ている、便秘が続いている……。実は、その原因は脂肪ではなく、内臓が下がっているからかもしれません。
「内臓が下垂してしまうと、腸が押しつぶされて、消化・吸収・排便のサイクルが乱れてしまいます。この状態のまま、運動をしたり、排便を促す食物繊維や腸の調子を整える善玉菌が多い食材をとっても、便の通り道はふさがったままなので、便秘でお腹がパンパンになってしまうんです。
私も10年前までは1週間以上便が出ないことが当たり前の便秘体質でした。そのせいで、お腹がぽっこりしていましたし、動くのも億劫になり、イライラもしやすい状態でした。このような負の方向に流されてしまう便秘って、恐ろしいですよね」(村田さん)。
便秘体質だった頃の村田さんは、くびれのある今よりも食事量が少なかったにもかかわらず、お腹まわりにどっぷりとお肉がついていて、食べる分だけ太るような気がしていたそう。「出せるカラダになった今は、食べても太りません! 便をしっかり出せると、必要な栄養は吸収して、それ以外のものは便として排出できるので、めぐりのいいカラダになるんです」(村田さん)。
姿勢改善トレーナーが伝授!太りにくくなる「習慣&ストレッチ」7選
【対策法1】ストレッチをする
■おすすめのストレッチ【4選】
【1】下腹部をスッキリさせる「座ったまま腸骨リンパ流し」
\このメソッドの効果とポイント/
・食べ過ぎたわけでもないのに、お腹がぽっこり出ているのはむくんでいる可能性あり。
・長時間のデスクワークで骨盤周りの筋肉がこわばり、骨盤周りのリンパ=腸骨リンパが滞るのが原因。
・デスクワークの合間に座ったままでケアできる、腸骨リンパメソッドがおすすめ。
・骨盤周りのリンパが流れることでお腹のむくみがスッキリ、ウエストのくびれができる!
<STEP.1>腸骨リンパの位置を手で挟むようにつかむ
手を腰骨の上に親指以外の4本指を当てて、親指はうしろ側に。両手で腰骨の上をつかみます。これが基本の手の位置です。
<STEP.2>椅子に座り、膝を左右交互に高く上げる
Step.1の手の位置はそのままに、椅子に座り、左右の膝を交互に上げ下げします。これを右左で1回とカウントして20回行いましょう。骨盤の一部である腸骨が動くことによって適度な刺激になり、リンパの流れを活性化することができます。
<STEP.3>お尻を左右交互に上げ下げする
Step.2の体勢のまま、腰骨の上をつかんだまま、お尻を左右交互に上げ下げします。このとき、肩の高さは変えないで、骨盤だけをグッと上げて肋骨に近づけるようにしてください。これを右左で1回とカウントして20回行いましょう。
初出:「ぽっこりお腹」はむくみが原因!?座ったままできる「腸骨リンパ流し」で下腹部スッキリ
【2】ぽっこりお腹を解消! くびれをつくる「腹斜筋ストレッチ」
\このメソッドの効果とポイント/
・ウエストが太くなってきた、と感じる人がまずやるべきは「腹斜筋のストレッチ」。
・腹斜筋が硬くなっていることで脂肪を溜め込みやすくなっている可能性が。
・腹斜筋が柔軟でしっかりと稼働していれば、お腹周りはすっきり状態に。
・このストレッチはくびれ復活だけでなく、骨盤の歪み、腰痛の解消にも効果的。
<STEP.1>椅子に座り、耳に手を当てる
・まっすぐの姿勢で椅子に座ります。足は肩幅に開き、床にしっかりとつけること。
・そして手を耳に当てて、腕はしっかりと左右に開きましょう。これが基本姿勢です。
<STEP.2>上半身を左に倒してストレッチする
・STEP.1の体勢のまま、上半身を左に倒します。
・お尻が浮かないように、腹斜筋をしっかりと伸ばすのをイメージして30秒キープしましょう。
・右も同様に行ってください。
村木宏衣さん指南|たった60秒で完了!ぽっこりお腹を解消し、くびれをつくる「腹斜筋ストレッチ」
【3】ぽっこりお腹を防ぐ、肋骨周りの筋肉を「ほぐすストレッチ」
\このメソッドの効果とポイント/
・パソコン作業や長時間のスマホ操作などで上半身を動かさないでいると、肋骨周りの筋肉が凝り固まる。
・肋骨が柔軟に動かなくなることで開きやすくなり、内臓が下垂してしまいポッコリお腹に。
・肋骨が開くと姿勢が悪くなり、骨盤が前傾し反り腰が加わる。さらに肩が前に入り猫背状態に。
・肋骨ケアをすることで、ポッコリお腹解消だけでなく、呼吸もしやすくなり体調改善効果も。
<STEP.1>椅子に浅く座り、組んだ手の甲を頭にのせる
・椅子に浅く座り、組んだ手の平を上側にひっくり返して頭の上にのせる。
・胸とひじを開き、顔は正面をキープしましょう。
<STEP.2>上半身を肋骨の辺りから大きく回す
・STEP.1の姿勢から、上半身を肋骨の辺りから大きく回す。
・腰は動かないように注意。息を止めずに8カウントのペースで4回まわして。反対周りも同様に行って。
・横から見るとこんな感じ。うしろ側に倒すときは手のひらがうしろに向くくらい、反るようにしましょう。
初出:肋骨まわりの筋肉が固まると、ポッコリお腹のオバサン体型に! 簡単にほぐせるストレッチ術
【4】お腹のむくみをとってくびれをつくる「腸骨リンパケア」
\このメソッドの効果とポイント/
・食べ過ぎたわけでもないのに、お腹がぽっこり出ているのはむくみが原因。
・原因は骨盤周りに集まっているリンパ=腸骨リンパが滞っているから。
・難しいセルフケアが面倒な人に、立ったままステップを踏む腸骨リンパメソッドがおすすめ。
・かかとでステップを踏むだけで、骨盤周りのリンパが流れてお腹がスッキリ、ウエストのくびれができる!
<STEP.1>脚を腰幅に広げ、手で腰骨の上をつかむ
・まず脚を腰幅に開いて立ち、手を腰骨の上に人差し指と中指を当てて、親指はうしろ側に。
・3本の指で腰骨の上をつかみます。
<STEP.2>左右の足のかかとを交互に上げ下げする
・腰骨の上をつかんだまま、左右の足のかかとを、ステップを踏むように交互に上げ下げしていきます。
・このとき、肩と肋骨の高さは変えないで、骨盤だけをグッと上げて肋骨に近づけるようにしてください。
・これを右、左のステップで1回とカウントして20回行って。
お腹もむくむ!?立ったまま簡単にくびれがつくれる「腸骨リンパ」ケア
【対策法2】筋トレをする
■おすすめの筋トレ【2選】
【1】ぽっこりお腹を引き締める 「片足立ち」
\このメソッドの効果とポイント/
・ボディラインがゆるみ、ぽっこりお腹が気になるなら体幹を鍛えるのがおすすめ。
・体幹の要である筋肉「大腰筋」を鍛えることでボディの引き締めにつながる。
・「大腰筋」を日常的に鍛える「片足立ちトレーニング」が簡単で効果的。
・注意すべきポイントをマスターすれば、たった40秒で効率よく鍛えることができる。
<STEP.1>まっすぐに立つ
足のつま先は正面にしてから、肩幅くらいに開き、まっすぐに立ちます。
<STEP.2>足を手で抱えるように引き寄せる
次に、足の力だけで足をあげてから手で抱え込みますが、このとき体が前屈みにならないように気をつけて。体はまっすぐ立ったままです。この動作で2秒キープし、反対の足も同様に行います。左右で1セット、10回繰り返しましょう。
たった40秒!ぽっこりお腹を引き締める【村木宏衣さん直伝】片足立ちトレーニング
【2】お手軽に脂肪燃焼する「立ったまま腹筋」
\このメソッドの効果とポイント/
・腹筋がお腹痩せに効く、とわかっていてもつらくて大変だから、と苦手な人が多い。
・肘と膝を近づけて行なう「立ったまま腹筋」は腹筋が弱い女性におすすめ。
・「立ったまま腹筋」はいつでもどこでも簡単にできて、脂肪燃焼効果も高い。
・筋肉の収縮を意識しながら、ゆっくりと行うのがコツでスタイルアップにつながる。
<STEP.1>足を肩幅に開いて、手のひらを頭のうしろに置く
・背中を丸めずに、背筋はまっすぐ伸ばしましょう。これがスタートの姿勢です。
<STEP.2>ゆっくりと左肘と右膝をくっつけるように近づける
・勢いをつけないように、ゆっくりとした動作で行いましょう。
・できる限りひねるようにして、左肘と右膝をピタッとくっつけ、腕と脚がなるべく一直線になるのが理想的です。反対側と交互に行いましょう。左右で1カウントとして、30回(約1分)は行ってみてください。
・慣れてきたら、回数を増やしてみましょう。
村木宏衣さん指南|手軽にお腹痩せができる!脂肪燃焼「立ったまま腹筋」メソッド
【3】ぽっこり下腹にきく「骨盤ゆらし」
\このメソッドの効果とポイント/
・下腹部の肉は食事を控えたり、運動量を増やしても落ちにくい。
・下腹ぽっこりの原因は骨盤の歪み、反り腰によってお腹の筋肉が使えていないことにあり。
・まずは骨盤周りの筋肉をゆるめ、お腹の筋肉を使いやすくするトレーニングがおすすめ。
・ラクな動きではないけれど、「筋トレが苦手」「腹筋ができない」という人でも簡単。
<STEP.1>両手をうしろにつき、膝を左右交互に倒すようにゆらす
膝を立てた状態で座り、次に両手をうしろにつき、膝を左右に倒す動きを10回繰り返しましょう。これが骨盤周りの筋肉をゆるめるための動きです。
<STEP.2>手を胸元に当てて、膝を左右交互に倒すようにゆらす
次に両手をクロスさせて胸元に当てた状態で、膝を左右に倒す動きを10回繰り返しましょう。これはお腹の筋肉の動きを引き出すためで、反り腰の人はちょっとつらく感じるかもしれませんが、頑張ってやってみましょう。
左右交互にゆらす動きは、床につくくらい、しっかりと倒すように行いましょう。
ぽっこり下腹にきく!【村木さん伝授】骨盤ゆらゆらトレーニング
【対策法3】腸内環境を整える
■腸内環境を整える食材を積極的に食べる
「食事は好きなものを食べても構いませんが、毎食、腸内環境を整える食材を積極的に摂り続けることも大事です。腸内の善玉菌を増やせば、便秘知らずのカラダになります」(村田さん)
■おすすめの便活フード【3選】
【1】発酵食品
発酵食品は、含まれている乳酸菌が腸内の善玉菌を増やします。味噌、キムチ、ヨーグルト、漬け物、納豆、フルーツ酢など。
村田さんは発酵食品の合わせ技、「キムチ納豆」をよく食べるそうです。
【2】食物繊維
食物繊維には、水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性のふたつがあります。水溶性は水を含んで便をやわらかくしてくれるはたらきがあります。不溶性は水を含むと大きく膨らむので、便の量を増やしてぜん動運動を促す効果があります。
不溶性の食材は、ほうれん草、こんにゃく、きのこ、かぼちゃ、さつまいもなど。水溶性の食材は、アボカド、りんご、海藻、押し麦、オクラ、モロヘイヤなどがあります。
【3】オリゴ糖
オリゴ糖は、胃や小腸で消化されにくく、生きたまま腸まで届き、善玉菌のエサとなることができます。トウモロコシ、ごぼう、バナナ、はちみつなど。
姿勢改善トレーナーが伝授!「くびれボディ」を実現する食生活&便活とは
■「腸マッサージ」をする
■冷えによる便秘やぽっこりお腹を解消「腸マッサージ」
\このメソッドの効果とポイント/
・お腹の冷えを感じているなら、腸内環境の悪化している可能性あり。
・腸の状態と自律神経は密接に関わっているので、腸内環境の悪化はメンタルにも影響が。
・腸内環境の改善は、便秘、ぼっこりお腹、自律神経のバランスの改善に効果あり。
・空腹時や食後すぐのマッサージは避け、朝と夜の2回行うのがおすすめ。
<STEP.1>マッサージする場所を確認
大腸は肋骨の真下辺りから腰骨の上にかけて、お腹の中心にある小腸を取り囲んでいます。位置を確認していからマッサージをしましょう。
大腸は結腸と直腸に分けることができ、結腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸と分かれています。今回の腸マッサージでは、お腹の中心にある小腸と、便が滞りやすい丸印で示した“大腸の四隅”をほぐしていきます。
<STEP.2>横になった状態で、まずは小腸をマッサージ
左右の手の人差し指、 中指、薬指を重ねた状態で、指の腹を使っって、小さく円を描きながら小腸を優しくほぐします。これを1〜3分行いましょう。
<STEP.3>大腸の四隅をマッサージする
Step.2と同様に横になった状態で、Step.1の○で示した、大腸の四隅をほぐしていきます。
下側は、鼠蹊部から引き離すように、上に向かってマッサージします。
上側は、肋骨から引き離すような動作で、便を下に送るようにマッサージします。これを各ポイント、30秒〜1分ずつ行いましょう。押したときに硬かったり、痛かったりする場合は老廃物が溜まっているところなので、長めにほぐししましょう。
冷えによる便秘やぽっこりお腹を解消!【村木宏衣さん考案】腸マッサージ
- TEXT :
- Precious.jp編集部