CHLOÉ(クロエ)の歴史
創業者:ギャビー・アギョン
創業地:フランス・パリ
創業年:1952年
ギャビー・アギョンの親友の名前で、女性らしい魅力を表す「クロエ」をブランド名として創業。当時流行していた堅苦しいレディースファッションを覆す、ソフトでボディーコンシャスなコレクションから、「ラグジュアリー・プレタポルテ」という新たなジャンルを確立しました。
■創業当時のエピソード
1952年、エジプト生まれのパリジェンヌで、奔放な精神と褐色の肌を持つ美女だったギャビー・アギョンにより創業したクロエ。上質なファブリックを用いたソフトでボディーコンシャスなコレクションは、今までにない「ラグジュアリー・プレタポルテ」という新ジャンルのウエアとして提案されました。
1956年には、ギャビーとビジネスパートナーのジャック・ルノワールがファーストコレクションを発表。実存主義者や芸術家が集う場所として知られ、ふたりも常連として通っていた「カフェ・ド・フロール」の朝食タイムにお披露目されたコレクションは、メゾンのスピリットである、何事にもとらわれない自由な精神やリラックスしたアティチュードを示していました。
若々しく少し大胆なデザインが特徴のウエアは、当時のパリの新たな風潮と調和し人気も上昇。2人は、ブランドをさらに特徴的なものにするため、新進気鋭の若手デザイナーを起用して、コレクションのデザインを任せることにします。
クロエは若いデザイナー集団の活動の場となり、1966年にはカール・ラガーフェルドがチーフ・デザイナーに就任。'80年代には、マリティーヌ・シットポンら、'90年代にはステラ・マッカートニーら、華々しく才能あふれる女性デザイナーたちが、コレクションを手掛けていきます。
■ブランドの転機
2001年、フィービー・ファイロのクリエイティブ・ディレクター就任を機に、クロエはレザーグッズの販売をスタート。セクシーなデザインに、流れるようなラインが特徴のプレタポルテの世界観をさらに引き立てる、Itバッグやアクセサリーを続々と生み出していきます。さらに2005年には、世界中で話題となった「パディントン」バッグを発表。フェミニンで軽やか、意思のある女性にこそ似合うアクセサリーのムードは、2018年春夏で初登場した「ドリュー ビジュー」や「ロイ」にも受け継がれています。
■ブランドのアイコンアイテム
丸みを帯びたシルエットが可愛らしい「ドリュー」をベースに、2018年春夏コレクションで初登場した「ドリュー ビジュー」。ジュエリーのようなチェーンが大胆に施されたバッグは、よりアイコニックなデザインに進化しています。
スクエアシェイプがコンテンポラリーな印象の「ロイ」も、2018年春夏ランウェイで初登場した注目のアクセサリー。カーフスキンを用いたシンプルなものから、そこにアーティスティックなデザインを載せたものまで、バリエーション豊富にラインナップしています。
■ブランドを愛用するセレブリティーとエピソード
1970年代には、フランスを代表するファッションブランドのひとつとなったクロエ。パリ7区にあるブティックには、ラグジュアリーなデイリーウエアを求めて、ジェーン・バーキンからジャクリーン・ケネディ、ブリジット・バルドー、マリア・カラス、さらにはグレース・ケリーまで、現代の女性たちが憧れる、数々のセレブリティーたちがこぞって来店しました。
■ブランドの現クリエイティブ・ディレクター
パリ・ファッションウィーク期間中に発表された2018年春夏コレクションから、クリエイティブ・ディレクターに就任した新鋭ナターシャ・ラムゼイ=レヴィ(2017年まではクレア・ワイト・ケラーが担当)。バレンシアガで11年間キャリアを積み、元クリエイティブ・ディレクター、ニコラ・ジェスキエールの右腕として働いた経歴も持つ実力派です。
ギャビー・アギョンが生み出したロマンティックでフェミニンなスタイルをベースに、さらに着る人のパーソナリティーを引き出してくれるナターシャの新たな女性像。50年以上たった現在もブレずに進化を続けるクロエのコレクションは、女性なら誰しもが内に秘める乙女心や大胆で奔放な精神を呼び起こしてくれます。