【目次】
- 素肌感のある「ベースメイク」【2選】
- 肌に溶け込むような「チークメイク」【2選】
- 自眉を生かした「アイブロウメイク」【2選】
- ナチュラルかつ、きちんと感のある「アイメイク」【3選】
- 顔全体を自然に、若々しく見せる「リップメイク」【2選】
素肌感のある「ベースメイク」【2選】
【1】「基本」の塗り方を押さえたベースメイク

「すっぴん風メイク」を目指すうえで、最も重要なのがベースです。メイク歴が相当長くなった40代・50代の女性は、もはやファンデーションを塗る手の動きはルーティーン化し、「我流塗り」になっていませんか? いくら最新でも、雑な塗り方ではだいなしです。ファンデーション選びと同等に、塗り方にも気を使ってみませんか?
ベースメイクはカバー力こそ大事、という思い込みが「厚塗り肌」を招く原因。カバー力を高めるために、つい塗り重ねてしまいがちですが、今のファンデーションは光ワザに優れているので、むしろ少量のほうがベスト。
そもそも私たちの肌トラブルをすべて、パーフェクトに隠すファンデーションはありえないし、むしろカバー力は8割程度のほうが自然です。それよりも頬に艶を与えてメリハリ感をつくる、毛穴やシワを目立たせない、などいかに若々しい印象に仕上げるか?が肝心。
そのためには正解の使用量、しっかりと塗るところと薄く塗るところを把握すること、塗り始めの位置、指&スポンジ使い、仕上げのブラシ使いという5つの塗り方ポイントをもう一度、確認しておきましょう。
■ファンデーションの塗り方「5つのポイント」
【POINT1】のびがいいので少なめで十分。一度に塗るのではなく、半顔ずつ塗ること
・カバー効果を高めたいと、つい多めにとりたくなりますが、これが厚塗り、ムラづきの失敗のもと。何度も言いますがファンデーションのテクスチャーも粉体も進化しています。のびはいいし、光反射効果に優れ、薄くてもアラはしっかりと隠せますから、少なめで十分。
・パフやスポンジにとる場合は半分くらい、リキッドなら米粒大をまず片頬、額、鼻の半顔に塗る。次にもう1度同じ量をとって、片頬、口元を塗り、その残った分でまぶたを塗る。
・足りなければ後から重ね足すこともできるので、まずは少量から始めて。
【半顔に使用する正解の使用量】



・2回に分けて、半顔ずつ塗布
・線で示したように、顔をふたつのエリアに分けて塗布を。シミ、くすみがカバーしきれなかったら、最後に重ねづけすればいいのではじめは少量を心がけて。

【POINT2】しっかり塗るところ、薄く塗るところ、塗らないところを知ること!
・ファンデーションをキレイに塗る、というのは顔全体に均一の厚さで塗ることではありません。場所によって「しっかりと塗るところ」「薄く塗るところ」「塗らなくていいところ」があり、プロはそれを意識しているから、自然で美しい肌に仕上げることができるのです。
・頬のいちばん高い位置はしっかりカバーして、艶感を強調。フェースライン、生え際は塗らない。それ以外の額、目周り、口周りはよく動いてヨレやすい場所なので、なるべく薄めに仕上げること。
・この法則を守るとメリハリ感まで生まれ、小顔効果も得られます。

【POINT3】どのタイプのファンデーションも塗り始めが肝心。頬骨の高い位置からのばす
・ベースメイクを美しく仕上げるためには、ファンデーションをどこから塗り始めるのか、が重要。なぜなら最初につけたところに多くつくので、艶が欲しいところ、くずれにくいところから始めるべき。なので、塗り始めのスタート地点は「頬骨のいちばん高い位置」が正解です。

・今までのファンデーションの塗り方の常識とされてきた「内側から外側」の方向で塗ってしまうと、目の下に厚くたまりやすく、ヨレやくずれの原因になるので、これが習慣化している人は、すぐに変えましょう。
・額は眉間の少し上から放射状に生え際に向かってぼかしていくと自然だし、小鼻や口周りは厚塗りにせず、指やスポンジに余ったものを薄く塗ってヨレを防止。これを気をつけるだけで、長時間、メイクくずれが起こらず若々しい印象をキープできます。



【正しい塗り方の手順】
1. 頬骨の高い位置から中心に向かって放射状にのばしていく。
2. そのまま、つけ足さずに額は眉間の少し上から、生え際に向かって放射状にのばし、鼻を塗る。
3. ファンデーションをとり、反対側の頬を1と同じ方法で塗る。
4. そのまま口周りを仕上げる。
5. まぶたは残った分を塗布する。
6. 最後に指、またはスポンジでムラ付きしているところをならす。
【POINT4】グイグイと力まかせに塗らないこと。指、スポンジの使い方も気をつけて
・時間がない朝は、とにかくファンデーションをすばやくのばしたい。だからといって皮膚が大きく動くほど、グイグイと力まかせに塗るのは厳禁。早くのばせるわけでも、カバー力が増すわけでもないし、その刺激の積み重ねが肌にダメージを与えている可能性も!
・プロにメイクをしてもらうとわかるのですが、まるで羽根が触れるような、ソフトタッチが基本。プロ並みの仕上がりを目指すなら、優しいタッチでスタンプ塗り、もしくはスポンジを滑らすのを心がけて。



【POINT5】ブラシでトントン、クルクル。このひと手間でより美しい仕上がりに
・ブラシを使うと、指やスポンジよりもムラなく密着させることができるので、カバー効果を高めたいときの重ねづけに最適。特に毛穴カバーはブラシづけがベスト。下から上へと動かしやすく、クルクルと小さく円を描きながら塗布すると、下向きのたるみ毛穴にファンデーションを押し込むことができ、ふんわりと自然に隠すことができます。
・さらに密着力も高まるので、メイクもちが格段にアップするのも利点。おすすめはクルクルと円を描くように塗布しやすい、下の3本のようなカット面が大きい、カブキブラシタイプです。

【ファンデーションの塗り方NG例】



適量が多すぎる、塗る方向が違う!ファンデーションの「老ける塗り方」を見直す5つのポイント
【2】ハイライトを仕込む!「ナチュラル美肌」をつくるベースメイク
「ベースメイクでは、真っ先にハイライトをなじませることで、内側から発光するようなツヤ感が生まれます。肌が明るくなり、くすみや顔色の悪さが気にならなくなりますよ。あとはコンシーラーでシミや毛穴を部分的にカバーし、チークで血色感をプラスすれば、透明感のある若々しいベースメイクが完成します」(へア&メイクアップアーティスト・シバタロウさん)
■ハイライトをなじませてからつくる、ファンデーションの塗り方「5ステップ」
<STEP.1>ハイライトをTゾーン、目の下、あご先にオン
・ファンデーションの前に、ハイライトを顔全体にのせます。
・下地として使用することでくすみのない、ワントーン明るい肌に。影になりやすい目の下、光を受けやすいTゾーンやあごにぼかし入れて、自然な立体感を与えて。

<STEP.2>指でファンデーションを顔から首筋にのばす
・顔の中心からフェイスラインに向かって、ファンデーションをのばします。
・厚塗りにならないよう、少量を指になじませ、薄くのばすのがポイント。
・顔全体に広げたら、スポンジなどで、毛穴が見えなくなるまでトントンとたたき込む。

<STEP.3>コンシーラーで小鼻の赤みやクマを消す
・気になる小鼻の赤みやくま、シミにはコンシーラーを。
・コンシーラーを塗りすぎると、メイクがヨレたり浮いてしまうので、薄くのばすように塗るのがコツ。

<STEP.4>フェイスパウダーをうっすらとはたくようにオン
・フェイスパウダーをつけすぎると厚塗り感が出てしまい、老けた印象になってしまいがち。
・ブラシに含ませたら手の甲でよくならしてから肌にのばすと、ハイライトのツヤを消すことなくナチュラルな仕上がりに。

<STEP.5>チークを少しずつぼかし入れる
・チークは、頬骨からこめかみに向けて斜め上に入れる。
・一度に色をのせるのではなく、少しずつブラシでぼかし入れるのが正解。
・仕上げに指でたたき込むと肌にピタッと密着し、にじみ出るような自然な血色に。

【AFTER:ナチュラルで健康的なベースメイク】

40代の肌悩みをカバーする春の軽やかメイク【ベース&チーク編】
肌に溶け込むような「チークメイク」【2選】
【1】「透明感が増す」ナチュラルなチークメイク
本来ピンクは透明感のある色なので、くすみ肌にふわっとなじませても色は濁り、リフトアップ効果も得られない。いきなりピンクをぼかすのではなく、先にハイライトを仕込む下準備で、肌のくすみを払拭してからのせるのが得策です。
ハイライトをのせる範囲は、小鼻脇の位置からこめかみ手前まで楕円形に、頬骨よりも少し上までのせること。これで頬の高さがグッと上がり、顔立ちがシャープに! つまり、たるみ解消にもなるので、大人はハイライトがセットされているものを選ぶべき。
色は肌に溶け込むようになじむピーチピンクがベストで、ハイライトをのせた範囲よりも少し下の、頬骨を中心に楕円形に塗布を。この2ステップが透明感&リフトアップが叶う、最も効果的な塗り方です。
■ハイライト×パウダーチークの塗り方「2ステップ」
<STEP.1>初めにハイライトを頬骨より少し上までのせる

<STEP.2>頬骨の上を中心に楕円形にピンクチークを重ねる

【AFTER:ふっくらとリフトアップしたナチュラルチーク】

大人はハイライトが必要でした! くすみやたるみを解消する「ピンクチーク」の塗り方とは?
【2】「自然な立体感」を生み出す、チークメイク

顔立ちに自然な立体感を与えるハイライトとチークテクニック。パウダータイプではなく、リキッドタイプのハイライターとクリームタイプのチークをベースメイクの流れで投入するのがポイントです。
■リキッドハイライター×クリームチークの塗り方「3ステップ」
<STEP.1>目尻下にリキッドハイライトをオン
・ハイライトとチークはファンデーションを塗ったあとのタイミングで仕込みます。
・まず、目尻下にリキッドタイプのハイライターを弓形にのせます。
・目尻下のハイライトは通常、目を囲むようにCの字形に入れますが、上に弧を描く弓形に入れることで、より強い立体感を出すことができます。


<STEP.2>鼻のつけ根にもリキッドハイライトを薄くのせる
・鼻のつけ根にもリキッドタイプのハイライターをT字形に薄くのせ、同様にスポンジで叩き込みなじませます。

<STEP.3>骨格を意識しながらチークを入れる
・クリームタイプのチークを指にとり頬骨の上にのせ、スポンジで内側から外側に向けてタッピングしながらのばしていきます。

【AFTER:メリハリのある垢抜けフェイスが実現!】

のっぺり解消!「浮揚ハイライト+骨格チーク」で自然な立体顔に
自眉を生かした「アイブロウメイク」【2選】
【1】ふわっと「ソフトな太眉」がナチュラルなアイブロウメイク

今どきの眉は、太さは出しながらも自然であることが大切。とはいっても40代・50代の女性は、眉山を強調したシャープな細眉時代が長かったせいか、眉を下げることにためらいを感じてしまうのも事実です。
眉山を意識しすぎると、描き方自体が古くさくなってしまうので、ここは考えた方を変えて、眉下を太めに描くようにしましょう。眉下に色を乗せることで、今っぽい直線眉になるのはもちろん、眉と目の間隔が狭まるので、若々しい印象に見えるんです。
太眉が流行っているからといって、単色塗りで一気に描いたのっぺり眉は逆に古く見えてしまいます。今どきの眉は、リキッドとパウダーを使って立体的に描くのがポイント。このところ多く出ているリキッドは筆ペンタイプなので、眉が1本1本描けるのでおすすめです。
色は、髪色と同じ、もしくは気持ち明るめのブラウンを選択すると、自然な印象に仕上がります。
■リキッド×パウダーのダブル使いで、立体感を出す描き方「5ステップ」
<STEP.1>スクリューブラシでとかして、毛流れを確認
・実は眉は年齢がとても出やすいところ。年を重ねるごとに少なくなるし、ハリも失われてきます。また若いころに抜き過ぎてしまった人は、生え方がゲジゲジだったり、生えてこなかったりすることも。
・まずは眉を描く前に毛流れを確認しましょう。スクリューブラシを眉と平行に持ったら、まず上に向かってとかします。生えグセとスカスカになっている部分を確認したら、最後に眉頭から眉尻に向かって整えましょう。

<STEP.2>リキッドタイプのペンシルで、眉の隙間を1本1本描いていく
・STEP.1でスカスカしていたところや、長さが足りなかった部分をリキッドタイプのペンシルで1本1本描いていきます。眉山がしっかりある人(鋭角)は、山を強調しないよう、内側部分だけ描き足して、まっすぐ自然な眉になるようにします。
・眉山が外側にある人や、表情筋がゆがんで外側にズレてしまっている人は、眉全体がだらりと広がった印象に見えてしまいます。眉山の眉頭側を気持ち書き足して、キュッと中心に寄せるようにしましょう。
・眉尻の止め位置は、小鼻と目尻を結んだ延長線、眉頭の底辺の位置より少し上めにすると、目尻が自然と上がり、目が大きく見えます。

<STEP.3>眉頭の欠けている部分を「明るい茶色のパウダー」で埋める
・眉頭が欠けていると、直線的な眉に見えないのはもちろん、眉と眉の間が広がって間延びした印象に。明るい色のパウダーで、眉頭の角を描き足して。
・広がった眉間を狭めて眉山を中央に寄せることで、引き締まった存在感のある眉に。求心力も生まれるので、小顔効果もアップ。

<STEP.4>眉下に色を足す。ここにしっかり色を入れるのがポイント!
・眉下を抜きすぎた弓形眉は、間延び顔の原因。STEP.3で使った明るい色のパウダーで、えぐれた部分を埋めるよう、パウダーをのせていきます。
・眉下を太くまっすぐに仕上げることで、眉と目の間隔が狭まり若々しい表情に。間延びしてハレぼったく見えていたアイホールも引き締まり、小さく見えていた目もくっきり!

<STEP.5>最後に濃い茶色のパウダーをふわっとのせて
・仕上げに濃いパウダーを眉全体にふわっとまといます。
・太さを出したいからといって、たっぷり塗ってしまうと、のっぺり眉になってしまうので要注意。立体感は出しつつ、全体のトーンだけそろえる気持ちで。

【AFTER:アンダーにしっかり色を入れることで、顔立ちがくっきり!優しい幸せ顔に】

細眉は老けを呼ぶ。ふわっとソフトな太眉でマイナス5歳眉を目指して!
【2】「グレーのペンシル」で自然に仕上げるアイブロウメイク


「まずは眉カットをやめて、自眉をのばしましょう(笑)。伸びるまでの間は、自眉の根元部分と同系色のグレーのアイブロウペンシルで、移植するように1本ずつ描き足すこと。ブラウンのペンシルで描き足す人が多いですが、ブラウンでは書き足した部分が目立ってしまうので注意しましょう。
グレーで不足部分を補ったあとに、ブラウンのアイブロウパウダーでトーンアップ。これが、まるで自眉のような自然な仕上がりをかなえるポイントです」
■自眉のように自然に仕上がる眉の描き方「3ステップ」
<STEP.1>スクリューブラシで眉をとかす
・スクリューブラシで眉をとかし、眉の欠けた部分を見つけやすいように毛流れを整えておきます。

<STEP.2>足りない部分をペンシルで描き足す
・アイブロウペンシルで、足りない部分に毛を移植するように1本ずつ書き足していきます。
・ラインで縁取らないよう注意して。


<STEP.3>全体に明るいパウダーをオン
・アイブロウパウダーのブラウンをとったブラシを肌に押し当て、肌を染めるようにパウダーをのせます。
・仕上げに再度スクリューブラシで眉をとかし、描き足したアイブロウをぼかしながら、肌に描き足した部分を定着させます。


【AFTER:描き足した部分が目立たないナチュラルな眉に】

【実例4】「短くカットしすぎた眉」をナチュラル眉に描く方法の詳細はこちら
ナチュラルかつ、きちんと感のある「アイメイク」【3選】
【1】「引く&ぼかす」で作る優しいアイラインメイク

重く下がってしまったまぶたを引き締めるには、アイラインが不可欠だけど、がっつり囲んでしまうと怖く見えてしまいます。目を適度に引き締めながら優しさを出すには、「引いてからぼかす」ワザが有効です。
ちなみにみなさんはどんなアイラインでどのように描いていますか? まさか、黒のリキッドライナーで目の周りをぐるりと囲む「パンダ目メイク」(なつかし~)、なんてしていませんよね?
弱ってしまった目力を取り戻そうと、黒で締めすぎてしまうのは逆効果! 目のフレームが強調されてかえって小さく見えてしまいます。ナチュラルに目をぱっちりさせたいなら、ブラウンの2色使いが正解! ブラウンには、奥行感を出しながら優しい印象に見せる効果があるのです。
黒のリキッドライナーはキリッとさせたいアイメイクのときには有効ですが、今回のテーマは「大人のナチュラル」なのでペンシルタイプを使います。色はダークブラウンとパールブラウンの2色を用意しましょう。
ダークブラウンは上まぶたの引き締め用に、パールブラウンは目尻のニュアンス用に使います。
■ブラウンの2色使いで、引き締め+ニュアンスメイク「5ステップ」
<STEP.1>ダークブラウンを目のインサイド(粘膜)に入れる
・年を重ねるとまつげもやせて減るせいか、まつげとまつげの間にすき間が生まれます。正面から見たときに白い粘膜が見えてしまうと、目がぼやけてしまう原因に。まずは、この部分をダークブラウンのペンシルで埋めましょう。
・たるみでまぶたが目にかぶって見えにくい場合は、指でまぶたを軽く引き上げると描きやすくなります。ペン先をまつげの下側から入れたら、左右に小刻みに動かしましょう。ここにしっかり色が乗るだけで、輪郭がくっきりするのがわかります。

<STEP.2>まつげの上にダークブラウンのラインを重ねる
・STEP.1でまつげの間を埋めたので、今度はまつげの上から太さを出します。太さの目安は、目を開けたときに茶色が少し見えるぐらいが理想。太く入れ過ぎてしまうと二重の幅がつぶれてしまい、逆に目が小さく見えてしまいます。ラインはあとからぼかすので、多少ガタついていてもOK。線は一気に描こうとはせずに、ペン先を小刻みに動かしてしっかりラインを入れましょう。
・ラインは目のフレーム通りに引いていき、目尻から5mmぐらいはみ出たところで止めます。そのとき下がったまぶたを矯正しようと目尻を不必要にハネ上げてしまうと、古くさい印象になってしまうので気をつけて!

<STEP.3>STEP.3で引いたラインを綿棒でぼかす
・今回はナチュラルがテーマなので、STEP.2でラインがうまく描けた人も必ず綿棒でぼかしましょう。目頭から目尻に向かって、ラインの上側をそっとぼかすイメージで。こうすると目の際にはラインがしっかり引かれ、ラインの上側はグラデーションになり、まるでシャドウラインのような仕上がりに。これだけで目に奥行感が出ます。

<STEP.4>下まぶたの目尻寄りにパールブラウンを入れる
・「ナチュラルに仕上げたいから、下まぶたにはアイラインを入れません」これはNGです。大人のアイメイクはバランスが大切。下まぶたにも必ずラインを入れましょう。
ただし、入れるのは目尻から1/3ところだけに。全体に入れて囲んでしまうと締まりすぎて、目が小さく見えてしまうからです。色は上まぶた同様ダークブラウンでもいいのですが、パール入りのブラウンを選択すると、目尻にニュアンスが生まれ華やかな印象になります。ここもあとからぼかすので、多少ガタついても気にせずに大胆に入れましょう。

<STEP.5>最後に綿棒でぼかすのを忘れずに!
・下まぶたは、目尻から目の中央に向かってぼかしていきます。こちらはラインの下側をぼかすと、グラデーションがつきます。パール効果でまばたきするたびにキラキラ輝いて、ぼやけたまぶたが明るく見えますね。

【AFTER:ブラウンのラインでナチュラルに引き締めて!】

アイラインは「引いてからぼかす」と、優しく見えて&目力もアップ!
【2】「抜いて、効かせる」引き算アイシャドウメイク

ここ数年、ファッションもビューティも〝ナチュラル〟がキーワード。「抜け感が命」「アイメイクは頑張りすぎないで」「ヌーディな肌が旬」なんて言葉が並びますが、40代・50代の女性がこの言葉を真に受けて実践してしまうと、ただの手抜きに…。
時代遅れのばっちりメイクは嫌だけど、きちんと感は欲しい。そんな声に応えて、今回から6回に渡り、旬のニュアンスをほどよく取り入れた大人のナチュラルメイクをお届けします。
「アイメイクに気合いを入れればいれるほど、目が小さく見える」「20代から好んで入れていた色だけど、最近似合っていないような気がする」「ブラウンメイクをすると老ける」…。なんだろう? 40代になってから感じるアイメイクの違和感。その原因は、たるみやくすみなど、エイジングサインが現れた目元に、メイクの技術が対応しきれていないから。くすんだ目元に強すぎるグラデーションメイクは浮いてしまうし、かといってハリ感が低下した目元に弱すぎるアイメイクを施しても目力なんて出ない。
要は、抜くところは抜いて、効かせるとことはしっかり効かせる、このバランスが大切なのです。
20代のころから慣れ親しんできたブラウンメイク。実はこのブラウンの色選びに〝問題あり!〟の人が多いのです。「ええええ、ブラウンはブラウンでしょ」、と思ったあなた。同じブラウンでも黄みがかっていたり、ほどよくグリーンが効いていたり、最近ではグレーとベージュが合わさったグレージュなんていう色もあるんですよ。
ですから大人がブラウンメイクをするときは、まず色の選択が重要に。ナチュラルかつ老けないアイメイクを目指すなら、リッチな赤み系のブラウンを選びましょう。赤(ピンク)が入ることでくすみがカバーされて、明るい目元になります。
■手抜きに見せない!自然なのにきちんと感のあるアイメイク「5ステップ」
<STEP.1>アイホール全体にベージュブラウンをぼかす
・アイホールにベースカラー、目の際には締め色をしっかり入れて、眉下にはパールのハイライトを効かせる。
・20代のころに流行ったグラデーションメイクは、時代遅れなのは言うまでもありませんが、色をムダに重ねることでメリハリが出すぎてしまいます。これが老けて見えてしまう原因です。
・上まぶたに色を入れる目的は、くすみをカバーするため。ブラウンより明るいピンクベージュブラウンを目の際から上に向かってぼかしましょう。ピンク効果で目元に明るさが甦ります。

<STEP.2>「上まぶたの際」に、濃いブラウンを入れて締める
・40代になるとフェイスラインや頬のハリ感が失われるばかりでなく、目元もたるんできます。いくらナチュラルメイクが流行っているからといって、際を締めないのはNG。目元がたるむと、ぼんやりとした印象に見えてしまいます。
・目の際は赤みが入った濃いブラウンでしっかり締めましょう。チップの先を使ってライン的に入れるのがポイントです。

<STEP.3>上まぶたの目尻から1/3のところにピンクブラウンをぼかす
・上まぶたのくすみが目立つ人は、STEP.1で入れたベージュよりワントーン明るいピンクブラウンを目尻寄りに重ねましょう。ここに明るい色を乗せることで、目元に華やかさと透明感が生まれます。
・色というより明るさをプラスしたいので、ブラシでしっかりぼかすのがポイント。

<STEP.4>下まぶたにもピンクブラウンをふんわりのせて
・STEP.3で使ったピンクブラウンを下まぶたにぼかします。下まぶたに明るい色を入れることで、くぼんだ目元にハリ感が生まれふっくら。目頭側がくぼんでいる人は、目頭寄りを若干広めに入れましょう。くぼみのせいでできてしまった影が飛んで、明るくなります。

<STEP.5>下まぶたの目尻から1/3のところに濃いブラウンを
・最後にSTEP.2で使った濃いブラウンを、下まぶたの目尻寄りに細く入れます。濃いブラウンで締めることで、たるんでタレ目になってしまった目元がキュッと引き上がります。

【AFTER:アイメイクの定番ブラウンは、赤み系を選んで華やかに!】

盛りメイクは老けを呼ぶ。「抜いて」「効かせる」バランスで若々しく!
【3】「ビューラーなし」で垢抜ける、マスカラメイク

■あえてカールをしないマスカラの塗り方「1ステップ」
<STEP.1>まつげは上げすぎず、盛りすぎず、丁寧に仕立てて
・「40歳からの大人の女性のまつげに、過度なカール感は不要。まつげがくるんと上がっていると、古臭く見えたり、無理している感が出やすくなります。マスカラの力だけに頼るか、アイラッシュカーラーを使う場合は根元を自然に立ち上げる程度に。
YSLのブラウンマスカラを根元から二度塗りしたら、コームで上からも下からも丁寧にとかして、毛先を綺麗に整えましょう」(小田切さん)

【AFTER:ブラウンマスカラでさり気なく華やぎを添えて、気品ある目元に】

黒の服を着たら、何だか地味…はメイクのせい!ヘア&メイク小田切ヒロ流・「黒を着る日」の洗練メイク
顔全体を自然に、若々しく見せる「リップメイク」【2選】
【1】口角と山を立たせた「健康的な若見え」リップメイク
アラフォー女性の口元の悩みをリサーチしてみたところ、ほうれい線が目立つ、血色が悪い、口角が下がり気味、縦ジワがクッキリ…といった悩みが多いよう。そんな悩みを吹き飛ばすメイクテクニックをマスターしましょう。
■健康的な若見えリップの塗り方「4ステップ」
<STEP.1>コンシーラーで色素が溜まりがちな部分を補正
・唇の色が濁りやすい口角、下唇の下、上唇の山をコンシーラーで補正します。
・このひと手間でリップの発色が綺麗になります。
・コンシーラーは肌よりも明るいものを選ぶこと。
・唇は皮膚が薄いため、厚塗りになりにくい薄づきタイプがオススメです。

<STEP.2>リップライナーで唇全体に塗りつぶす
・まずはリップライナーで唇全体を塗りつぶします。
・後で輪郭を描くため、はみ出しなどは気にせず豪快に塗って。
・塗りつぶす前にリップクリームを塗っておくと、滑りがよく、スルスルと塗ることができます。

<STEP.3>輪郭をオーバー気味に描く
・リップライナーで、実際の唇よりもオーバーめに輪郭を描く。
・下唇は厚みのあるぽってりとした印象に、上唇の口角は少し上げるように描くと、ほうれい線や口角の下がりをカバーすることができます。
・唇の山は尖らせるように、ややシャープに描くのがポイントです。

<STEP.4>唇全体にリップを塗る
・輪郭からはみ出さないように注意しながら、リップをブラシで唇全体に塗ります。
・少しくすんだ赤みの強い色を選ぶと、若すぎず、老けても見えない絶妙な仕上がりに。

【AFTER:唇の血色がよく見え、若々しい表情に】

若見えリップの条件は血色がよく、キュッと口角が上がっていること。リップ1本で済ませているなら、今すぐプロセスを見直しましょう。ぼやけがちな輪郭をライナーでしっかりと描いて、存在感のある口元に。ジューシーな唇に視線が集中するので、ほうれい線は目立ちません!
40代の肌悩みをカバーする春の軽やかメイク【リップメイク編】
【2】カジュアルでラフな「赤リップ」の塗り方
悲しいかな、年を重ねるごとに肌はくすみ、フェイスラインも崩れてきます。そんなときに助けてくれるのが赤リップ。なかでも茶色みを帯びたブラウンレッドのリップは、ひと塗りで、鮮やかに発色して、肌をパッと明るく華やかに見せてくれます。
赤といえば、パーティやイベントなど、「キメ色」のイメージがあるけれど、大人はあえてカジュアルに、デイリーに使うのがおすすめです。ラフに塗ることで、いかにも塗っています、という感じにならず、むしろ「肌きれい」「女らしく見える」と言われること間違いなし。
まだチャレンジしていない人は、自分の肌で「赤の効果」を確かめて!
■ナチュラルな赤リップの塗り方「4ステップ」
<STEP.1>リップは直塗りで。山を取ってから、唇全体を塗っていく
・流行のブラウンレッドをつけているのに、老けて見えるのは、唇の形がはっきり出てしまっているから。
・赤リップを塗るときは、ブラシやリップペンシルなどは使わずに直塗りで。
・そのとき、上唇の山がつぶれてしまうと、唇がぼやけてしまうので、山はしっかり取りましょう。
・山を取ったら、あとはリップをするすると滑らせて、唇全体を塗っていきます。

<STEP.2>上下唇を「うんぱっ」と合わせて、色をなじませる
・唇全体に色はのせたいけれど、色が均一になりすぎるのも老けて見えてしまう原因です。
・リップは何度も重ね塗りせず、上下唇を合わせて、軽くなじませるだけでOK。

<STEP.3>綿棒をくるくる回しながら、輪郭をぼかす
・唇の輪郭を綿棒でぼかします。
・唇と肌の境目を曖昧にすることで、多少ガタついても自然な印象に仕上がります。
・赤リップを塗ってみて、派手だな、合わないな、と思ったら、輪郭をぼかしてみると、印象がやわらかなります。

<STEP.4>最後に下唇の中央にリップを重ねて、立体感アップ!

【AFTER:赤リップは、くすんだ肌に透明感と女らしさを与えてくれる!】

くすみが目立ち始めた40代、「赤リップ」さえあれば、顔立ちまで華やかに!
- TEXT :
- Precious.jp編集部