Cartier(カルティエ)の歴史

1847年、ジュエリー職人のルイ=フランソワ・カルティエにより誕生した「カルティエ」。贅沢で革新的なデザインのジュエリー&ウォッチは、世界各国への旅やさまざまな人物との貴重な出会いがインスピレーションソースとなり、そのスタイルをさらに確固たるものにしていきます。ブランドの歴史やジュエリーへのこだわり、アイコンコレクションに隠された著名人とのエピソードなどをご紹介します。

創業者:ルイ=フランソワ・カルティエ
創業地:フランス・パリ
創業年:1847年。世界を代表するジュエリー&高級時計メゾン。「王の宝石商 宝石商の王」と称され、ハイセンスで確かな品質のコレクションを発表し続けています。

■創業当時のエピソード

カルティエ創業2代目のアルフレッド・カルティエとその息子たち。左からジャック、ルイ、アルフレッド、ピエール ©Cartier
カルティエ創業2代目のアルフレッド・カルティエとその息子たち。左からジャック、ルイ、アルフレッド、ピエール ©Cartier

1847年、ルイ=フランソワ・カルティエが宝飾職人アドルフ・ピカールから、パリのモントルゲイユ29番地のジュエリー工房を受け継いだことから、その歴史が幕を開けたカルティエ。息子のアルフレッド・カルティエや孫のルイ、ピエール、ジャックへと経営が受け継がれ、メゾンは華やかに繁栄していきます。

パリ・ラ・ぺ通りのカルティエのサロン ©Cartier
パリ・ラ・ぺ通りのカルティエのサロン ©Cartier

1899年、すでに国際色豊かで格式が高かったヴァンドーム広場北側にあるラ・ぺ通りにサロンをオープンし、ロンドンやニューヨーク、ロシアやインドなどの国にも進出。カルティエに魅了された貴族や王族、芸術家、銀幕のスターとの関わりから、さらに革新的なコレクションが生まれることで、独創性の高いメゾンの地位をさらに確固たるものにしていきました。

■ブランドの転機

1904年には、ブラジル人飛行家のアルベルト・サントス=デュモンから依頼を受けた創業者3代目のルイ・カルティエが、初めて男性用の実用時計を製作しました。

自身の飛行機と写るアルベルト・サントス=デュモン ©Cartier
自身の飛行機と写るアルベルト・サントス=デュモン ©Cartier

当時はまだ、懐中時計や婦人用のストラップウォッチを除いて、腕につける実用的な時計が一般的ではなかった時代。ヨーロッパ初の飛行機制作者で飛行家だったアルベルト・サントス=デュモンの依頼をきっかけに、彼の名前を冠した「サントス」が誕生します。

「サントス」©Cartier
「サントス」©Cartier

操縦桿を握ったまま時刻を確認できる腕時計は、その実用性とエレガントなデザインから、たちまち世間でも人気に。時計製造業界にも革命を起こしました。こうして誕生したメゾンのアイコンは、さまざまなディテールが添えられて、今なお人々から愛されています。

■ブランドのアイコン・定番アイテム

「タンク」ウォッチ ©Cartier
「タンク」ウォッチ ©Cartier

1917年に、ルイ・カルティエが初めてのプロトタイプを創った「タンク」ウォッチ。シンプルなラインが、自由でエレガントなエスプリを表現しています。また、2017年にはその誕生から100周年を迎え、名作時計の魅力を探る期間限定ギャラリーなどのイベントも開催。揺るぎないアイデンティティーはそのままに、新たなモデルを今もなお生み出し続けています。

「ラブ」ブレスレット ©Cartier
「ラブ」ブレスレット ©Cartier

自由な愛とその絆を象徴するカルティエの「ラブ」コレクション。特徴的なビスモチーフが、ブレスレットや指輪、ネックレスなどにあしらわれ、ミニマルでエレガントなデザインに昇華されています。

「ジャスト アン クル」ブレスレット @Cartier
「ジャスト アン クル」ブレスレット @Cartier

1本の釘から誕生した「ジャスト アン クル」。1970年代にニューヨークでデザインされた最初のブレスレットには、その自由な時代性が反映されています。日常的にある釘がジュエリーに姿を変えた大胆でモダンなデザインは、ユニセックスで楽しめることも魅力のひとつです。

■ブランドを愛用するセレブリティーとエピソード

1847年フランス・パリでの創業以来、王族御用達として名を馳せてきたカルティエ。ジュエリーや時計、レザーグッズなど、贅沢でモダンなアイテムの数々は、多くのセレブリティーを華やかに彩り、世界中の人々を魅了し続けています。

なかでも1927年にカルティエが製作した「トリニティ」の3連リングは、発表後すぐに芸術家のジャン・コクトーがオーダーを依頼したというストーリーと共に、すぐにメゾンのアイコン的な存在となりました。愛のピンク、忠誠心のイエロー、友情のホワイトという3種のゴールドで、それぞれのシンボルを表現しています。

他にも、エリザベス・テイラーやカトリーヌ・ドヌーヴ、アラン・ドロン、アンディ・ウォーホル、ダイアナ元妃など、歴史に残る数多くのスターが、カルティエを愛したエピソードが残されています。

「タンク」を身に付けたカトリーヌ・ドヌーヴ ©Jean-Jacques Lapeyronnie/Gamma
「タンク」を身に付けたカトリーヌ・ドヌーヴ ©Jean-Jacques Lapeyronnie/Gamma
 「タンク」を身に付けたダイアナ元妃 ©Sipa Images
 「タンク」を身に付けたダイアナ元妃 ©Sipa Images
映画『リスボン特急(原題Un Flic)』で俳優のアラン・ドロンと監督のジャン・ピエール・メルヴィルが着用していたことで知られる「タンク」アロンディ©Sunset Boulevard / Collection Raymond Boyer
映画『リスボン特急(原題Un Flic)』で俳優のアラン・ドロンと監督のジャン・ピエール・メルヴィルが着用していたことで知られる「タンク」アロンディ©Sunset Boulevard / Collection Raymond Boyer
「タンク」を身に付けたアンディ・ウォーホル ©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc.
「タンク」を身に付けたアンディ・ウォーホル ©The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc.

■卓越した職人技を支えるメゾンの取り組み

希少な職人による手仕事や技術により支えられている、メゾンのクリエイション。カルティエでは、ジュエリーとウォッチメイキングの分野において、10年以上前から、その唯一無二の職業や技術の存続に向けた活動を行っています。

1993年、スイス時計の製造で有名な都市ラ・ショー=ド=フォンに「カルティエ ウォッチメイキング インスティテュート」を設立。一方、パリには「カルティエ ジュエリー インスティテュート」を開設し、さまざまな教育プログラムを後世に受け継ぐために提供しています。

170年以上の歴史と共に培われてきた卓越した職人技が成せる、普遍的かつモダンなコレクションの数々。カルティエのノウハウと独創的なスタイルが詰まったジュエリー&ウォッチは、世界中の人々を魅力し続けています。

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