二拠点生活をはじめ、畑仕事やバラを育てるようになってから、天気予報を以前よりも真剣にチェックするようになりました。昔はその日の服装や、雨が降ってお気に入りのジミー チュウのパンプスが台なしにならないかを心配する目的で気にしていたお天気情報のチェックですが、今や野菜の生育具合を心配したり、バラの消毒スケジュールを考えるために、欠かせない行為になりました。

2017年の夏を振り返ってみると、なんだか真夏と梅雨が前後したような気候でしたが、お米は順調に育った様子。気づけば田舎の風景は、黄金色に染まったモミ(稲の身にあたる部分)と、あぜ道に生えている青々とした雑草との美しいコントラストへと変化していきました。地球温暖化と機械化が進み、米づくりに人手が多く必要ではなくなったおかげで、田植えの時期がGWの前になったと以前ご紹介しましたが、収穫の時期も環境問題の変化と台風の影響を避けるために、早まっているそうです。8月最後の土日を迎えると、各田んぼで一斉に収穫が行われ、その一角では竹でつくられた棚に、お米を天日干している作業を見かけました。あぁ…どんな味わいがするのかしら? いつか米づくりも体験してみたいです。

人の手をかけて、じっくりお日様に当ててお米の甘さを引き出す天日干し

さて、前回の記事では、庭を6つの好きなテイストの中から洋風にするとお伝えしました。庭編3回目となる今回は、憧れの外構(ウッドフェンス)づくりについてご紹介します。途中、素人丸出しの失敗をしてしまいました。今後お庭造りをしようと考えている方は、私と同じ失敗をされぬよう、お気をつけくださいね。  

【庭編1回目:和風の庭が、バラが咲き誇るローズガーデンになるまで】
【庭編2回目:「庭でやりたいこと」と「デザイン」を両立させる庭づくり】

9月に入ると夏野菜の収穫は終了、畑は秋冬野菜の準備へと忙しくなります

まず、購入当時のお庭(before)と、成型後(after)の写真がこちらです。

before
after

<変更を加えたポイント5か所>
■①槙の樹の囲いを撤去し、全長20mに渡るウッドフェンスに変更
■②門がなかった入り口部分に、新たに枕木の門扉を設置
■③庭正面に植えられていた樹木を撤去し、バラを植えるコーナーに
■④門に向かう道のコンクリート一部カットし、バラを植えるコーナーを拡大
■⑤車を2台停められる駐車場スペースを新たに設置

■1:庭の外構にウッドフェンス用の支柱を埋め込む

新たな駐車スペースが完成した後は、いよいよ私の憧れのローズガーデンに直結する庭のパートをリフォームし始めました。まずは庭を囲う外構のデザインから。

どんなマテリアルを選ぶか考えていた矢先、検索してたどりついたシリアスなニュースがありました。それは、近年震災の影響を受け、家の外構は植物がよいという意見が増えてきているという記事。以前は、手軽な上に予算も抑えられ、センスを発揮すれば表面の塗装次第で表情も豊かに変えられるブロック塀が人気でしたが、強風や大地震の揺れには弱いため、災害時にブロックが崩れてしまい、けがをした人や、その崩落によって交通網が制限され、人々の移動のみならず、物資の輸送問題などが起こってしまったとのこと。

そんな事実を知り、車が行き交う道路に面した囲いは、既存の槙の樹を生かすことにし、人が普段めったに歩くことがない小さな参道との隣接部には、憧れのつるバラが一面に這わせられるよう、フェンスを設置することに決めました。

それならばとDIYが大好きな私は、ここぞとばかりに大量に買い込んだDIYの本を頼りに、ホームセンターでフェンスセットを購入し、基礎から自分たちで行おう!と目論みます。

しかしながら、駐車場の際の穴掘りに懲りた主人から賛同を一切得られなかったのと、我が家の庭造りの相談に乗っていただいているガーデンデザイナーの宇井英喜さんからこんなアドバイスをいただき、断念することに。

「一見するとホームセンターのキットは、手軽につくれて、予算も抑えられますが、ふたつ問題があります。まずは、ここの家は田んぼを抜けた位置にあるから、風の影響を強く受けます。それには、強度がしっかりある素材で、基礎の深さは最低でも60cm掘り下げないと心配です。キットのポールでは30cm程度しか埋めないため、一度の強風でバタン、ですよ! それから、僕のお客さんもDIYがお好きな方は、皆さんトライするのですが、結局木が割れたり腐敗してしまい、2~3年経ってから、僕のところに相談にいらっしゃる人が多いのです」

完成したフェンスの完成の様子(お隣は神社の参道です)

そこで最終的に、フェンスの柱の素材は耐久性がある75角アルミポストをチョイスし、台風が来ても心配が要らないよう、基礎はプロに手堅くお任せして、1メートルの深さまでしっかり埋め込んでいただきました。また、柱の間隔が広ければ広いほど必要になる柱の数は少なくなるので、予算は下げられますが、風を受ける負荷がそれに比例してかかってきます。柱が地上部分に出ている長さと、埋めた深さ、それから家の周りの地域から、風圧力を計算して、130cmづつ間をあけることになりました。

ようやくここから私の出番です! この規則正しく、均等に、そして垂直に打っていただいたフェンス用の柱に、今度は目隠しとなる板を横に貼って行きます。材木は、90mm幅のSPF材と呼ばれる木に、防虫と防腐加工を施したものを使用しています。ホームセンターでもよく見かける木ですが、今回のように100本以上利用する場合は、材木屋さんでオーダーしたほうがお手ごろだそうです。

また、心配なのが木のやわらかさ。SPF材を屋外でウッドデッキなどに使用するには、その特徴から加工がしやすい反面、反りやすいことが問題で、2年程度しかもたないといわれています。けれども、フェンスのように直に土に触れることもなく、泥水の跳ね返りもそれほど心配がいらない使い方で、2年ごとにペンキを塗って、メンテナンスをしっかりすれば、最低でも5年、うまくいけば10年はもつと教わりました。というわけで、少しでも長く使えるように張り付ける前に、塗装作業開始。

東京のマンションでは叶わなかった・・・思いっきり、ローラーで塗る作業!快感です

防虫、防腐効果が期待できる、プロも愛用しているというキシデラコールというペンキをホームセンターで購入し、フェンスの柱に2度塗りをしました。

気温が下がる冬はペンキが乾きにくいのですが、なんとか晴天に恵まれ、2日間まるまるかけて仕上げました。

初めて102本も一気にローラーを使って塗装をし、感じたのですが、ペンキ塗りの仕事って意外と重労働なんですね。楽しい作業ではあるのですが、ローラーって意外とグリグリ回転させながら色を塗るので力が要るのです。家のリフォームで、壁を見事に漆喰で仕上げてくださった左官士さんの身のこなしの軽さと、マッチョな腕を思い出しました。

また、色塗りのための準備作業も一仕事。SPF材は比較的軽い重さの木材なんですが、ここまで長いとそれなりに重量があって、違う面を塗るのにひっくり返したり、乾いたらまとめて担いで、次の子たちと入れ替えたりするために、屈伸してしゃがんで積み上げて、地味な労働が続きます・・・。連日ひじ下をはじめ、背中や足腰が筋肉痛でふらふらになりました。あ゛ー!辛い!!でも楽しい!!

日が暮れるころになると、主人も私も無言になってくるのですが、それでも懲りずに、やっぱり自分の手で何かをつくる喜びが勝りました。

■2:フェンスの役割を果たす横板を取り付ける

塗装を無事に終えた翌週も、天気に恵まれ、DIY日和となりました。2週目は、フェンスの取り付け作業です。

ありがたいことに、ていねいな仕事で憧れの庭づくりをサポートしてくださる宇井さんは、横張する板のガイドになるようにと、あらかじめ2列の板を打ち付け、さらに最上段には糸を張って、階段状に長さを切る目安をつくっておいてくれました。

柱には、横板を打ち付けるために、ベースとなる木を打ち付けています。
さらに、宇井さんが、ベースになる2列と、一番上に貼る位置の目安に糸を張ってくれています

また、木材を発注する関係で、フェンスの横板が何枚必要になるのかを考えなければいけなかったので、事前にフェンスの隙間を考えておきました。南に面しているフェンス、間を開ければ、そのぶんバラに陽が当たって生育も期待できそうですが、目隠しの目的も果たさなければなりません。迷った挙句、住宅展示場や街中でイメージに近いフェンスを見かける度に実際に計り、2cmを開けることにしました。この時、スマホに入れて役立ったアプリが、スケール定規です。(https://app-liv.jp/919130707/)メジャーを持ち歩いていなくても、重宝しました。DIYをする方には便利な、水準器が備わっているタイプもあるので、一つお好みのスケールアプリを見つけておくことをお勧めします。

目隠しの役割も果たして欲しいけど・・・、バラにも日を当てたい

行程は、下記の手順で行いました。
 

  1. ■2cm隙間を計ってしるしをつける
  2. ■SPF材を目的の位置に合わせて、固定道具(クランプ)で仮押さえをする
  3. ■下穴を開ける
  4. ■ネジを打ち込む

このほか、傾斜に合わせて、一番上と下の列は板の長さを調整するため、板を切るプロセスも一部追加されました。

またまた木を運び、インパクトドライバーで穴をあけて、ねじを打つという単純労働。次第に木とドライバーの重さに腕がだるくなって疲労を感じ始めるのですが、念願のバラフェンスのためだと思うと、休憩も惜しくて日が暮れるまで頑張ってしまいました。その甲斐あって二日目の午前中に、7割完成。

インパクトドライバーは、DIYでは大活躍し、意外と長時間利用します。パワーは必要ですが、迷ったら細かい隙間にも入り込める小型バッテリーで軽量なタイプを選ぶとちょっとお値段は張りますが、後悔ありません

ここにきてネジを使い切ってしまい、休憩もかねて、ホームセンターに買いに行きました。太さと長さを確認して・・・、午後はラストスパートの気合を入れて作業を続けました! 夕方になると、ご近所さんが集まって来て「すごいわねぇ、きれいに出来て。プロがやったみたいよ」なんてエールをいただいて、私も少し照れながらも得意げにネジを打っていきました。

終わりが見え始めたとき、野菜づくりの師匠がワンコと一緒にお見えになりました。

「夫婦ふたりでやったのかー?よくやるなぁー!」

褒めているのか呆れているのか判断が付かない言葉に、「バラのために頑張ってます!一面きれいに咲かせたら、お花見に来てください!」と胸を張って答える私。

しばらく何も会話はなく、不慣れな私の作業がどことなく厳しく光る師匠の目にさらされて緊張していました。そこで次のセリフ。

「ネジは何を使ってるんだ?」

人生で、ネジの質問を受けたのは初めてです。どう答えていいのかわからない私は、サイズを伝えました。すると、「これ、アルミって書いてあるぞ」と衝撃のご指摘を受けたのです。主人とパッケージをよく見ると、宇井さんがあらかじめ用意してくださっていたネジは、ステンレス製と書かれていました。

そうだ!外で使用するんだから、アルミのネジは錆びちゃうんだった!」

とっさに思い出して、開いた口が閉じない主人。この時のがっかり感を例えるなら・・・、サッカーの試合でロスタイム、必死にゴールを狙ってシュートを打ったのにオウンゴールをしてしまったような。疲れがピークの私たち、師匠にお礼をして、無言でアルミネジを外していきます。無意味な作業を2時間ほどかけて済ませたときには、あたりがどっぷりと暗闇に包まれていましたが、翌朝一番から作業を再開すべく、再びホームセンターへ足を運びました。ところが家から一番近くにある小さなホームセンターを選んだせいか、ステンレス製のネジ事体種類が限られていて、サイズも見つけられず、諦めてとぼとぼ帰宅。翌朝は気持ちをリセットさせて、オープンと同時に大きなホームセンターに飛び込みました。

何百と並ぶネジの中から、目的のものを見つけ出しました。ふたりで包みを睨みながら、指でなぞって声に出して確認。素材よし! サイズよし!! 値段・・・え? ステンレス製ってアルミの5倍もするの??? 価格の差に驚き、また少し長さが足りなかったので、宇井さんに相談の電話をかけました。

「そうなんですよー、ホームセンターで買うと、ステンレス製のネジって、長さも限られているし、高いんですよー。だから僕たちは、金物屋さんで買うんです。もちろんアルミ製よりは高いですが、ホームセンターの半額くらいで手に入りますよ」と明るい声で教えてくださいました。

プロが利用するお店ということで、基本的に支払いは請求書ベース。事前に電話をかけていただき、商品を取りに行きました。SPF材もそうでしたが、ネジひとつ取っても、プロは材料を揃える先が全然違うんだなと勉強になりました。

これを機に、価格と質のバランスが素人ではわからないことも多いと学習し、プロに任せて仕入れていただくのがよいものと、自分でお店やネットで直接買い付けるたほうがよいものを調べるようになりました。

以上のような小さな試練を乗り越えて、3日目にようやく完成!

■3:庭の門扉は材木屋さんで北海道産の枕木をチョイス

このキャンバスに、バラを使ってどんな絵を描こうかしら!

防犯のため、庭には門をつけることにしました。

エクステリアの本やカタログを取り寄せたりし、あれこれ検討した結果、駐車場のデザインとリンクさせて、枕木を使ったデザインに。扉はDIYでチャレンジをすることにして、サイドの部分だけお任せしました。

枕木で門扉をつくりました

こちらの枕木は、はじめのうちネットで調べて価格が手ごろなものがないかと調べたのですが、安すぎるものは海外からの輸入品や、シロアリ対策が施されていない簡素なものが多く、使用するのに不安が残るものでした。そんなとき、車を走らせていたらたまたまおしゃれなショールームを備えた材木屋さんに出合うことができました。

代々営んでいるというその材木場には、今では手に入れることが難しい屋久杉や伊勢神宮の大木があったりと、美術館のように見ごたえがある、美しい木目と由緒あるストーリーを持つ木が販売されています。しかも青山で覗いていたお店と比べると、価格も半分以下。東京を離れると、こういうお宝に巡り合えるのが面白いですね。枕木の取り扱いもあるか尋ねると、期待通り! 北海道で使われていたという国産品がちょうど入荷されていました。宇井さんにも実際見ていただき、品質と価格を判断していただいたところ、とても高品質でお買い得な枕木であると太鼓判。そんなわけで、門のパーツは自分たちで見つけた材料でつくっていただきました。

ちなみに、その材木屋さんでうかがった小話ですが、近年貴重な木材が投資対象になっていて、何千万円もの落札価格を記録したりと、ドバイの王様たちがこぞって買い集めているんだそう。年々、保護の目的から木の伐採は制限がされており、樹齢が何百年も超すような巨木は、この先そうそう手に入れられないことから、希少性が高まっているためです。人間よりもはるかに長生きをする樹は、長い年月を過ごしたものほど、より繊細で複雑な木目が紡ぎだされ、とても美しいと思います。でも、家が建つような値段を1本の樹に掛けるなんて、すごいですよね。

ローズガーデンに咲いたバラ

次回vol.7では、ようやくローズガーデンらしいお話を! どこにバラを植えるか考え、土つくりから、バラの植え付け方法までご紹介したいと思います。お楽しみに。

東京⇔田舎で二拠点暮らし。シリーズ「セカンドハウスライフ」

この記事の執筆者
<プロフィール> 1980年、東京生まれ。大学を卒業後、マスコミ業界に就職。テレビ、雑誌、WEB、ラジオの企画や制作に携わったのち、20代後半からグラフィックデザインを学ぶ。美容業界でデザインや広報の仕事をする傍ら、2015年9月に関東圏の古民家をセカンドハウスとして買い取り、東京と地方を行き来する生活を始める。 好きなものは、本、カメラ、花、ティファニーとTシャツ。趣味は、読書、アート鑑賞、カメラ、陶芸、料理、ピラティス、ゴルフ。「たくさん、よりも、自分に合う、永く愛せる物や人間関係を大切にしたいと思います。また、そういったものに巡り合っていきたいです」
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ILLUSTRATION :
堀江美希