【目次】
- 【基本知識】成人女性の基礎代謝について
- ダイエット中に陥りがちな「NG行動2つ」
- 代謝を上げる「食べ物」「飲み物」
- 代謝を上げる「2つの方法」
- 【筋トレ】鍛えて代謝を上げるメソッド3選
- 【呼吸】で代謝を上げるメソッド3選
【基本知識】成人女性の基礎代謝について
【1】1日の基礎代謝量は1,200kcal前後
成人女性の消費カロリーは基礎代謝だけでも1日1,200kcal前後と言われています。管理栄養士の豊永彩子先生によれば、女性は毎日最低でも約1,800kcal程度を必要としていて、この必要量に1日でも足りない日があると、体内の栄養素が犠牲になります。エネルギーが慢性的に不足すると、筋力や肌、髪のつやといった生命維持に直接関わりのない部分から支障が出始め、さらには冷えや疲れ、精神的なアンバランスなどにつながっていくそう。

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【2】代謝が落ちると「太る」ように
年齢を重ねると日頃の運動量が少なくなることはもちろん、心肺機能などが衰えて基礎代謝量も減少します。複合的な要素があるものの、消費カロリーに比べて摂取カロリーが多すぎるため、余分なお肉がつき「太る」ように。そうならないために、今から少しずつ”身体づくり”を習慣化しておきたいところ。
幅広い年齢層の女性をトレーニングしてきた、パーソナルトレーナーの岩間晴美先生曰く(先生はお子さん3人を社会人まで育て上げた“母”でもあります)、
「女性の体は複雑です」。
女性は子宮があるぶん、内臓を支える筋肉を鍛えなければいけません。しかし、女性の身体はその子宮を守るために脂肪が多くてやわらかい。そのうえ、ホルモンの関係で筋肉が付きにくいと言われています。だからこそ筋肉量を増やし、脂肪を燃やしやすい体質にしていきたいものです。
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ダイエット中に陥りがちな「NG行動2つ」
【1】厳しい食事制限で、逆に太りやすくなる?
摂取カロリーより、消費カロリーを多くすることは、体脂肪を落とすための基本。しかし食べる量を減らしたり、野菜中心の食事にするなど、カロリーオフに精を出すことは、正しいダイエット法と言えるのでしょうか?
これまでに数多くの方のダイエット指導を行ってきた、ボディワーカーの森 拓郎さんに、40代女性が陥りがちな間違ったダイエットについて、お話を伺いました。
「食べる量を減らすことで、最初は体重が落ちても、体はその低カロリーの食事に合わせて代謝を落としてしまうので、長期的には太りやすい体を作ってしまうことになります。体は少ないエネルギーしか入ってこなければ、体の代謝を落とし、余計なエネルギーを消費する筋肉を落としていくというワケです。
特に、40代女性にとって良くないのが、早く痩せたいからと、食事を減らして、激しい運動をすることです。エネルギー不足になり、筋力が落ちて、代謝が下がり痩せにくくなるばかりか、栄養不足で老化を加速させてしまいます。
多くの方が、ダイエットは厳しい食事制限と運動をすることだと思っています。中には、運動しないと体脂肪は燃えないとも思っている方もいるようです。しかし、私達の消費カロリーの大半は基礎代謝と日常の活動代謝によるもので、運動で消費できるエネルギーはわずかなもの。
つまり、基礎代謝量とかわらないぐらいの1200kcal程度の食事しかとっていなければ、代謝が下がり、逆に太りやすくなってしまうのです。正しく栄養を摂取して、それを消費できる代謝を獲得するためには、体脂肪になりやすい脂質のような無駄なものをなるべく減らして、エネルギーを消費するのに必要な糖質やたんぱく質、そしてミネラルビタミンを積極的にとるということが重要です。食事制限や流行のダイエットに飛びつくのではなく、正しい食べ方を身につける『食事改善』こそが、太らない体を手に入れる近道なのです」

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【2】たんぱく質を摂り、バランスの良い食事を心がけて
ダイエットのプロである、RIZAPの管理栄養士・柳井美穂さん曰く、
「基礎代謝を維持するためには、筋肉量を減らさないことが大切。そのためには、たんぱく質の積極的な摂取が必要です。最低限、体を動かすのに必要不可欠な基礎代謝分以上は、カロリーを摂り、バランスの良い食事を心がけてください」
RIZAPでは「食べない」ではなく、「選んで食べる」をおすすめしているそうです。

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代謝を上げる「食べ物」「飲み物」
【1】代謝を上げる食べ物
基礎代謝や新陳代謝を上げてくれる、具体的な食材をご紹介します。
■赤身のお肉

「お肉は太る」という理由からお肉を避ける方もいますが、炭水化物や、脂質を摂取することと比べて、タンパク質の摂取は、5~7.5倍も食後のエネルギーの消費量が高くなることがわかっています。
また、筋肉をつくっているのは、タンパク質。お肉を食べないと、タンパク質の必要な摂取量が満たされなくなり、筋肉量が減ってしまいます。筋肉量が減ると代謝が下がってしまい、結果として太ることに繋がってしまうのです。
お肉で問題とされているのは、脂質。お肉の脂質はコレステロール値を上げたり、悪玉コレステロールを増やしたりと、体に悪影響を及ぼします。そのため、ダイエット中の方がお肉で動物性タンパク質を摂取する場合、脂部分、脂質の少ないお肉を選んだ方がよいでしょう。
「動物性タンパク質の摂取には、脂身の少ない赤身のお肉だけでなく、魚や鶏肉も有効です。こうした食材を積極的に食べ、タンパク質を増やすことをおすすめします」(フィットネスコンサルタント・村上晃平さん)

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■ぶり

「ぶり」は、脂肪の代謝を促すビタミンB2がたっぷり。皮膚や粘膜を整えてくれるので、美肌効果が期待できます。ビタミンB2は、身より皮の部分に多く含まれるので、皮ごと食べるのがおすすめです!
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■アジ

アジはオメガ脂肪酸がたっぷり。肌の代謝を促してくれるので、透明感のある美しい肌をキープ。女性ホルモンを整え、美肌をサポートしてくれます。小~中型のアジは5~7月が旬! 脂のりが良く、旨みもたっぷりなので、ぜひ美味しい季節に味わってみてくださいね。
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■もち麦

腸内環境が乱れると、便秘や肌荒れ、基礎代謝や免疫力の低下など、私たちの身体にさまざまな不調をもたらすことに繋がります。健康な状態を維持するためには、腸内環境を整えることも大切なのです。
「もち麦には、腸内の善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。白米の約20倍も含まれているので、便秘解消に効果的です。
また、ビフィズス菌とヤセ菌(日和見菌)と呼ばれる腸内細菌が、水溶性食物繊維を発酵分解する際に短鎖脂肪酸を産生するのですが、この短鎖脂肪酸には「脂肪の蓄積を防ぐ」「食欲をコントロールする」「交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促す」といった肥満予防の効果も期待できます。
そのほかにも、脂質の代謝に欠かせないビタミンB群や、体内の水分バランスを保つカリウムなどのミネラルも含まれているので、腸内環境を整えるならオススメの食材です」(美養フードクリエイター・岩田麻奈未さん)
■ビーツ

ビーツは「食べる輸血」と呼ばれるほど、栄養豊富で知られています。カリウムを豊富に含むビーツは、むくみ解消にもおすすめ。ビーツを摂取することでNO(一酸化窒素)が体内で産生し、血行が改善。これにより持久力アップや疲労回復にも効果を発揮します。基礎代謝のアップにもつながるので、ダイエット効果も期待できる、注目の野菜です。
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■玉ねぎ

「たまねぎ」は新陳代謝を促す硫酸アリルがたっぷり。この成分はデトックス効果が高く、毒素を体外に排出してくれるので、たまねぎは毎日の食卓に取り入れたい一品です。肌荒れやニキビの原因となる毒素も、外に出してくれるので美肌効果を期待できます!
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■ニンジン
ニンジンに含まれるβカロチンは抗酸化作用が高いため、お肌の新陳代謝を高め、肌あれを防いでくれたり、アンチエイジングを助けてくれたりする効果があります。
また、カリウムを含むため、余分な水分や塩分を排出してくれる作用があり、むくみの解消にも効果的です。
\朝はにんじんリンゴジュースを一杯/

「にんじんとリンゴは、体を温めてくれる陽性食品。代謝を上げ、免疫力を高めてくれます。このふたつでつくったジュースは腸を優しく温めてくれるので、朝食にぴったりです。1日に必要なビタミンとミネラルも補給できます。使用するにんじんは2本、リンゴは1個が目安です」(石原 新菜先生)
氷などはいれずに、丸ごとジューサーにかけるのがポイント。お好みでレモンを絞ってもおいしくいただけます。ジューサーで出た絞りかすは、カレーやケーキに再利用もできますよ。

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■トマト
トマトに含まれる成分として有名なのがリコピン。リコピンには抗酸化作用があり、ニンジンと同じく新陳代謝を高める働きがあります。
■大根

冬野菜の定番大根は、消化酵素ジアスターゼがたっぷり。新陳代謝を良くして、美肌効果を期待できます。また、大根はビタミンCも豊富!コラーゲン生成をサポートして、肌のハリを保ちます。メラニン色素を抑制して、美白効果に繋げるなど肌に嬉しいことだらけ。
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■きのこ
「きのこに含まれるビタミンB 群は糖質や脂質代謝にも関わり、中でも葉酸は酸素を運ぶ赤血球の形成に関わるため、有酸素エネルギー代謝を高めて体を温めるうえで効果的といえます。
また、きのこには免疫力を活性化する作用のある栄養素も含まれます。βグルカン*2を摂ることで、直接的に免疫細胞を活性化させます。βグルカンを含む食物繊維は、全身の免疫細胞の約7割が集まるという腸を整えることで、間接的にも免疫を活性化させることが期待できます。エリンギにはIgAを増やすという研究結果もあります。
きのこ類は夏の発汗で失われやすいカリウムを補給することもできるため、ナトリウムを排出しやすくし、血圧調整、むくみの改善効果もあります。
更に、神経調整作用があるナイアシン(ビタミンB3)が入っているため、身体だけでなく、心を整えることにも期待できます。
温かいきのこ鍋を食べることで、身体を温め、複数の身体機能から免疫を活性化させるだけでなく、様々な健康効果が期待できます」(奴久妻 智代子先生)

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■生姜
生姜は、血流を良くするので体がポカポカ温まります。代謝がアップすることで、体内の循環も良くなりむくみも解消。溜まった毒素が排出されることで、美肌効果も期待できます。
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■ナッツ類
ダイエットでも、美肌でも、欠かしたくない食べる美容液と言えばナッツ類。中でもくるみは、ビタミン・ミネラルが豊富。血行を促進してくれるので、代謝をアップし、冷え性にも効果的です。
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■梅干し
梅干しにはクエン酸が多く含まれています。クエン酸には、疲労回復や免疫力アップ、新陳代謝を活発にする作用が期待できます。また、クエン酸の酸味が食欲を増進させるため栄養補給も万全となり、夏バテを防ぎます。
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■バター
「バター」は、ビタミンAがたっぷり。ビタミンAは抗酸化作用があり、細胞の老化を防いでくれます。新陳代謝を促し、肌を若々しく保ってくれる効果も。最近では、スマホなどの疲れ目にも効くと言われており、老け顔防止も期待できます。
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【2】代謝を上げる飲み物

■緑茶
日本人にとって最も馴染み深い飲み物、緑茶。緑茶にはポリフェノールが含まれているため、リンゴと同じく抗酸化作用で肌などの新陳代謝を促してくれます。また、緑茶に含まれるカテキンには、細菌の出す毒素に対する解毒作用があり、整腸作用も高いため便秘の解消にも効果的です。
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■ハイビスカス
ハイビスカスティーは、見た目にも美しい赤と酸味が特徴的なハーブティー。
ハイビスカスティーにはカリウムが含まれているため利尿を促す作用があり、便秘の解消にも効果的です。また、ハイビスカスティーの酸味の元であるクエン酸には、疲労回復や新陳代謝を助ける作用があるため、便秘の解消で腸内環境が整うだけではなく、代謝アップをサポートしてくれるという一面も!
代謝の向上は、ダイエットにおいても不可欠。ダイエット中のサポートドリンクとして活躍してくれそうです。
■ローズマリー
肉料理にも使用されるローズマリー。実はローズマリーもデトックス、またデトックスからアプローチするダイエットに効果的なハーブティーです。もともとは香りが強く、リラックスなどに効果があるとして人気がありますよね。
しかしそれだけではなく、ローズマリーにはフラボノイドやファイトケミカルという、便秘解消や脂肪燃焼に効果的な成分があるため、近年ダイエットの観点から注目されています。
■マテ
マテ茶は「飲むサラダ」とも言われ、南米では食事中に飲むお茶として、古くから親しまれているハーブティーです。
多く含まれるミネラル成分のおかげで新陳代謝がアップするほか、食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整える効果も期待できます。
さらに注目したいのが、マテ茶に含まれるゲニポシド酸という成分。コレステロールや脂質の吸収を抑えてくれるとあって、ダイエット中の飲み物にはぴったり!
お肉や脂っこい料理が多いイメージの南米で、女性たちがスタイルを維持しているのはマテ茶のおかげもあるのかも!?
■ルイボスティー
カフェインが入っていないため、妊婦さんや子どもでも安心して飲めると話題になったルイボスティーは、デトックスを習慣化したい人にもぴったり。ルイボスティーには、植物由来のSOD酵素という成分が含まれます。このSOD酵素には、体内の老廃物や毒素を排出する働きがあると言われています。
またSOD酵素には、活性酸素を除去する抗酸化作用があり、体内だけではなく肌の新陳代謝を高め、老化を防いでくれるとも言われています。
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代謝を上げる「2つの方法」
【1】筋トレ
(a)効果的なのは「下半身」を鍛えること
女性の8割が冷え性と言われている今、夏でも身体を冷やさないように気をつけている人も少なくないのでは。
冷えた体をあたためるためには、毎日湯船に10分間浸かる、筋トレで筋肉量を増やす、生姜紅茶やにんじんリンゴジュースを飲む、味噌汁などの発酵食品を積極的にとる、腹巻きをつけるなど、「温活」が効果的。
温活は冷え性や体の不調の改善だけではなく、ダイエット効果も期待でき、体温を1度上げると、代謝がよくなることから免疫力が30%も上がるといわれているのだとか。
お話を伺ったのは、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)をはじめ、さまざまなメディアで活躍している「温活」のプロである医師の石原新菜さん。温活初心者でも気軽に始められる習慣して、「適度な運動で筋肉量をUPする」などがあります。

「体温の4割は筋肉からつくられていて、筋肉量が増えると自然と体温が上がり、新陳代謝が活発になります。実は、男性より女性に冷え性が多いのは、筋肉量が関係しているのです。
筋肉を効率よくつける方法は、下半身を鍛えること。筋肉の約70%は下半身に集中しているので、基礎代謝がアップします。運動が苦手な方はまず、毎日30回を目標にスクワットに挑戦してみてください」(石原先生)
一度に30回続けるのではなく、1日の中で何度かに分けて行ってもOKです。

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(b)実施に適した時期とは
脂肪が燃えやすい身体づくりにあたって、重要なのはタイミング。 女性の身体は、ホルモンバランスの関係上、むくみやすい生理前約 1 週間〜生理中の「むくみ期」と、代謝がいい生理中期から14日くらいの「やせ期」があります。
「むくみ期」は身体に水分を溜め込みやすいため、水分排出、血行促進のためのストレッチがおすすめ。もちろん、冷え性の方にもいいですね。
「やせ期」であれば、溜め込んだ老廃物の排出期間でもあり基礎代謝がよくなり脂肪が燃焼しやすいので、有酸素運動などで身体を活発に動かすとダイエットにも効果的です。
これからも運動を継続的に続けていくために、身体のタイミングに合わせて、自分なりに無理のない運動からはじめましょう。
\「むくみ期」の人はストレッチを!/

だるくてやる気のおきない「むくみ期」の人は、テレビを見ているときやお風呂上りなどにゴロゴロするだけの、簡単ストレッチがおすすめです。血行がよくなり、気分もスッキリします。ポイントを押さえて、おなかを意識して行いましょう。
いずれにしろ、無理は禁物です。普段運動をしない人は、おなかに力が入りづらかったりお尻をうまく使えなかったりするもの。「疲れた」と思ったらやめて、起き上がるようにしましょう。
\「やせ期」の人は筋トレを!/

「筋トレ」がおすすめ...とはいうものの、日常的に運動をしていない人の場合、いきなり激しい運動をすると身体を痛めてしまう場合があります。「簡単にできる」「クセづけのため」の筋トレなら、ハーフスクワットがおすすめ。
後ろに転がらないように手はテーブルなどをつかみ、お尻を突き出すように沈みこみます。膝がつま先より前に出ないように注意して。
あなたは今「むくみ期」? 「やせ期」? ダイエットに効果的な運動は、この2周期で違うんです!
【2】呼吸による代謝アップ
(a)「呼吸の浅さ」が原因の体の不調
長時間のPC作業やスマホチェックは、集中することで体の上半身を緊張させ、呼吸が浅くなっている状態に。実はこれが体の不調を引き起こすことに…!
原因は、上半身を動かさないでいることで、肋間筋や大胸筋、横隔膜がこり固まってしまうから。呼吸とは肺だけでしているわけではなく、大胸筋や肋骨のまわりにある肋間筋や、その奥の横隔膜も使っているので、これらの筋肉がこり固まると浅い呼吸になってしまいます。
すると肺に取り込める酸素の量が減ってしまい、全身の血のめぐりが悪くなり代謝が落ちて太りやすくなる、自律神経の働きが鈍って睡眠の質が悪くなり疲れやすくなる、さらに冷え、むくみを引き起こすことも。対処法として、呼吸に関わる上半身の筋肉を緩めるのが先決です。
疲れやすいのも太りやすいのも、緊張による「呼吸の浅さ」が原因!?その対処法とは?
(b)「深い呼吸」で全身の代謝を高める
ダイエットは、効率よく脂肪を燃やせる体づくりが不可欠。ただ、ハードなトレーニングはなかなか続けにくいので、まずは簡単な代謝アップのケアを習慣化することから始めましょう。
本気で痩せたいキャリア女性におすすめなのが、深い呼吸で全身の代謝を高めるベーシックケア。代謝アップには呼吸が大切。胸や肋骨周りの緊張をほぐし、呼吸を深くすることで全身の代謝アップが期待できます。さらに、滞ったリンパを押し流す効果も。
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【筋トレ】鍛えて代謝を上げるメソッド3選
【1】全身、特にお腹のシェイプアップに有効な 「スロースクワット」
最新の肥満研究に基づき、運動生理学と実践心理学を取り入れたトレーニングを行なっている株式会社アイディアルボディデザイン代表取締役の村上晃平先生に、簡単な1分間エクササイズのやり方を教わりました。
お腹の脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。皮下脂肪は筋肉の上につき、内臓脂肪は内臓の周りにつきます。
内臓脂肪は皮下脂肪に比べると、つきやすく落ちやすいです。また、内臓脂肪は運動の際に最初のエネルギーとして使われやすいため、全体の代謝によって一番初めに燃えるのです。
「そのため、お腹のぽっこりを解消するには、トレーニング1回あたりのカロリー消費量を増やし、全体の体脂肪を減らしていくことが大切になります。1回のトレーニングのカロリー消費量が最も多くなるのは、多くの筋肉を動かすエクササイズ。代表として、スクワットが挙げられます。スクワット1回あたりのエネルギー消費量は、腹筋運動の15倍という報告もありますよ」(村上先生)。
スクワットはカロリー消費量が多いトレーニング。カロリー消費量を増やすことで全体の脂肪量が下がり、脂肪の多いお腹周りがすっきりします。
それでは、1分でできるトレーニング「スクワット」の方法をみていきましょう。

1分間でOK!「スロースクワット」のやり方
<Step1>
足を腰幅ほどに開き、手を耳の横に置いた状態で、やや腰を落として立ちます。
<Step2>
1・2・3・4・5秒のカウントで、ひざが床と水平になるまでお尻を下げていきます。この時、ひざがつま先より前に出ないように注意してください。
<Step3>
同じく1・2・3・4・5秒のカウントで、①の状態に戻します。これを6回繰り返して終了です。
スクワットは、「太ももの前が熱くなり、お尻と太ももの後ろの筋肉がストレッチされている」という感覚が重要です。

1分間エクササイズで肥満をリセット!オフィス、電車、お家で簡単に「燃やせる体」になる
【2】内転筋を鍛える、簡単「スクワット」で痩せ体質に
自宅でできて効果的に代謝を上げることができるトレーニングの代表がスクワットです。太ももの筋肉を活性化することで体全体の代謝がアップして効率よく痩せ体質になるし、美脚効果も高いのでおすすめですが、正しくやらないと腰を痛める危険も。
そこでエイジングデザイナーの村木宏衣さんが教えてくれるのが、足を大きく開いて行うワイドスクワット。見よう見まねで行っても腰を痛めることないですし、手軽にできるので、筋力が弱くトレーニングが苦手な人にもおすすめですよ。
限界まで足を大きく開いて「上体を下げて、戻す」を繰り返す
もうこれ以上開かない、というくらいまで足を左右に大きく開きます。膝とつま先の方向はそろえて外側にむけて、内股にならないようにしましょう。この状態で「上体を下げて、戻す」を繰り返します。これ以上できない、という限界までやったら休憩する、これを3セットと行いましょう。

横から見るとこのような体勢。太ももが床と平行になるくらい、上体を下げますが、背中が丸まらないように、上半身は起こして腰は反らせましょう。お尻を突き出すようにしながら、肋骨は中にしまいこむイメージです。

【まとめ|簡単スクワットで痩せ体質に!内転筋を鍛えて美脚&スタイルアップする4か条】
1.気温の低下、運動不足で代謝ダウンの解消はスクワットが効く。
2.腰を痛めずに簡単にできる、脚を大きく開くワイドスクワットがおすすめ。
3.代謝がアップするし、内転筋が鍛えられ美脚効果あり。
4.背中が丸まらないように、上半身は起こして腰を反らせる姿勢で行うのがコツ。


簡単スクワットで痩せ体質に!内転筋を鍛えて美脚&スタイルアップが実現
【3】内転筋を鍛える「タオル挟み」トレーニング
内ももの筋肉である内転筋は、普段の生活ではあまり使われない筋肉。内転筋は意識して鍛えないと衰えるいっぽう。座った時に膝をくっつけていることがキツイと感じるならば、内転筋が衰えていると思って。これが「太ももが外に張り出す」「骨盤が歪むためO脚やX脚に」「下半身が太くなる」「代謝不良」「便秘」なども引き起こす原因に…。
なので、内転筋を鍛えることは美しさと健康を保つために大事なこと!スッキリとした美脚になるのに加え、骨盤を下からしっかり支えられるようになり、骨盤と内臓が正しい位置に戻るので、代謝が整い、痩せやすい身体になる効果も。
エイジングデザイナー・村木宏衣さんのメソッドはタオルを脚の間に挟んで、膝を緩める、伸ばすを繰り返すという簡単トレーニング。筋肉が正しく使えるようになると、下半身が引き締まってコンプレックスに思っていた太い脚が美脚に変わりますよ!
<Step1> 膝よりもちょっと上の位置にバスタオルを挟む
バスタオルを直径10㎝ほどに丸めて、膝よりもちょっと上の太ももの間に挟む。また、かかとが少し上がっていると内転筋を意識しやすくなるので、バスタオルを敷いてかかとをのせましょう。

<Step2> バスタオルをギュッとはさんだまま膝を緩める
つま先はまっすぐ揃えて、バスタオルをギュッとはさんだまま、お尻を下ろせるところまで下ろす感じで、膝を緩めて。

<Step3> バスタオルをギュッとはさんだまま緩めた膝を伸ばす
脚に力を入れて、お尻をキュッと締めるように行って。この時に力が入るのが内転筋なので、しっかりと意識してください。これを20回繰り返しましょう。

【まとめ|張り出した太ももがスッキリ。「タオル挟み」トレーニング4か条】
1.太ももが外に張り出して太くなるのは内転筋の緩みが原因。
2.座った時に膝をくっつけていることがキツイと感じるならば、内転筋が衰えている!
3.内転筋は普段の生活ではあまり使わないので意識して鍛える必要あり。
4.太ももの間に丸めたバスタオルを挟み、膝を緩める&のばす、を繰り返すと効率よく内転筋を鍛えられる。


タオル1枚でOK!張り出した「太もも」がすっきり痩せるトレーニングとは?
【呼吸】で代謝を上げるメソッド3選
【1】上半身の緊張を解消! 深い呼吸で代謝をアップするメソッド
呼吸が浅くなると、血液の巡りが悪くなり代謝が落ちて太りやすくなる、自律神経のバランスが乱れて不安な気持ちになりやすい、不眠になる、など、体にも心にも悪影響を及ぼすことに…!そこで、エイジングデザイナーの村木宏衣さんに、深く呼吸しやすくするための特別なメソッドを教えてもらいました。
<Step1> 肋骨の間の筋肉を指先でほぐす
右手の人さし指と中指の2本をそろえて垂直に立てて、左側の肋骨と肋骨の間を「うにうに」と揺らすようにほぐします。これを5往復。写真の矢印のように、胸の中心から鎖骨下までまんべんなく行いましょう。反対側も同様に。

<Step2> こぶしで鎖骨下をマッサージし大胸筋をほぐす
右手で左側の鎖骨下に手のこぶしを当てて、左右に2㎝ほどスライドさせながら骨まで圧をかけるようにほぐします。位置をずらしながら、片側3カ所、各10回ずつ行いましょう。反対側も同様に。

<Step3> 肋骨の脇をさする
両手で肋骨をギュッとはさみ、前へしごくように3回さする。腹部、みぞおち、胸の高さと、3カ所、それぞれ3セット繰り返して。

<Step4> 深く呼吸して横隔膜が横に広がるように動かす
口から大きく息を吐きながら、肋骨を挟むように手で両脇を抑えてキープする。そしてこのまま鼻から大きく吸って、横隔膜が横に広がるのをしっかりと意識しましょう。

【まとめ|上半身の緊張を解消!深い呼吸で代謝をアップするメソッド4か条】
1.長時間のPC作業やスマホチェックで上半身が凝り固まると呼吸が浅くなってしまう。
2.呼吸が浅くなると代謝が落ちる、自律神経のバランスが乱れるなど不調を引き起こす。
3.原因は呼吸に関わる上半身の筋肉がこり固まってしまうから。
4.肋間筋や大胸筋、横隔膜を柔軟にすると呼吸が深くなり、代謝が上がり、不調解消&ダイエットに。


疲れやすいのも太りやすいのも、緊張による「呼吸の浅さ」が原因!?その対処法とは?
【2】お腹プッシュで代謝がアップ! むくみ解消メソッド
体がだるい、むくみがひどい、十分な睡眠をとっているのに疲れが抜けきらない…。そんな症状がある人は、内臓が疲労して動きが悪くなっていることと、肺の下にある横隔膜の動きが悪くなり、呼吸が浅くなっていることが考えられます。このままでは血流も代謝がダウン…。疲労がたまりやすくなるし、脂肪を溶かす力が落ちてしまうため、体型崩壊の危機に!
そこでエイジングデザイナーの村木さんが教えてくれるのが、「内臓と横隔膜をプッシュするだけで代謝を上げる」という超簡単メソッド。硬化して動きが悪くなった内臓と横隔膜がほぐれることで、体全体の血流がアップして、疲労解消&不調改善効果も! さらに呼吸もしやすくなって体が軽くなる感覚になりますよ。ちなみに、村木さんは入浴時に、バスタブに浸かった状態で行っているそう。免疫力アップにもつながるので、毎日の習慣にしてみてください。
<Step1> 壁に背中をつけて寄りかかるように座る
お腹をしっかり押すので、壁に寄りかかって座ると圧をかけやすい。このとき、あぐらをかいて楽な姿勢にしましょう。

<Step2> 息を吸いながら指で内臓をグーッとしまいこむように押す
腰に手を当てるように、親指は背中側、それ以外の4本指は脇腹=腹斜筋に。そして息を吸いながらお腹を凹ませて、優しく内臓をしまいこむように、約5秒間プッシュします。これを5回繰り返して。
内臓の手前にあるのが腹斜筋。多くの人が硬くなっているので、なかなか指が中に入らないかもしれません。この腹斜筋をほぐして、内臓にまで刺激が届くと、胃、肝臓、小腸、大腸の動きが活発になり、全身の血流がアップして代謝が上がります。

<Step3> 横隔膜をプッシュして肋骨のなかにしまいこむ
横隔膜というのは、ろっ骨の下にあるドーム状の筋肉。息を吸ったり、吐いたりする動きにあわせて、縮んだり、ふくらんだりすることで呼吸を助けるという大事な存在。年齢とともに、平たく硬くなり、動きづらくなることで、呼吸も浅くなってしまうのです。結果、代謝が落ち太りやすい体に…。
そこで、次に行うのが横隔膜をやわらかくして呼吸をしやすくすること。
親指以外の4本指をみぞおちに当てます。そして、肋骨の一番下の骨の奥に横隔膜を優しくしまいこむように、息を吸いながらお腹を凹ませて、5秒間プッシュしましょう。これを5回行って。

【まとめ|お腹プッシュで代謝がアップ!むくみ解消メソッド4か条】
1.むくみがひどい、疲れが抜けない人は、内臓疲労と呼吸が浅いことが大きく関与。
2.血流も代謝がダウンし、脂肪を溶かす力が落ちるので太りやすくなることも。
3.内臓と横隔膜をプッシュしてほぐせば、運動しなくても代謝アップに。
4.全身の血流がアップして、むくみ解消、脂肪も燃焼しやすくい体に整う。


疲労感やむくみを解消! テレワーク中に座ったままできる「代謝を上げる」コツとは?
【3】呼吸が楽になり代謝もアップ!肋骨周りの筋肉をほぐすストレッチ
ポッコリお腹のオバサン体型は、肋骨が開いていることが原因かも。パソコン作業やスマホ操作などで長時間上半身を動かさないでいると、肋骨周りの筋肉が凝り固まり、肋骨が正しい位置にキープすることができず、開いてしまうことが…!となると、肋骨の中に収まるべき胃が下垂し、胃の下の小腸を押してその下の臓器を押し下げて、結果、ポッコリお腹に…!
肺も横隔膜も十分に動かすことができずに呼吸が浅くなりがち。呼吸が浅くなると血流が悪くなる、疲れが取れにくい、眠りが浅くなる、冷え・むくみ・肩こりといった不調を招くこともあるので肋骨の動きをよくすることは大事なのです。
そこでエイジングデザイナー・村木宏衣さんから教わったのは、肋骨周りの筋肉をほぐすストレッチ術。
呼吸が楽になるだけでなく、「代謝が上がり痩せやすくなる」「肋骨が正しい位置に閉じることでウエストが細くなる」「姿勢がよくなり、コリが改善」などうれしい効果があるので、ぜひやってみてください。
<Step1> 椅子に浅く座り、組んだ手の甲を頭にのせる
椅子に浅く座り、組んだ手の平を上側にひっくり返して頭の上にのせる。胸とひじを開き、顔は正面をキープしましょう。

<Step2> 上半身を肋骨の辺りから大きくまわす
Step1の姿勢から、上半身を肋骨の辺りから大きくまわす。腰は動かないように注意。息を止めずに8カウントのペースで4回まわして。反対周りも同様に行って。

横から見るとこんな感じ。後ろ側に倒すときは手のひらが後ろに向くくらい、反るようにしましょう。

【まとめ|肋骨周りの筋肉をほぐし、肋骨を動きやすくするストレッチ術4か条】
1.パソコン作業や長時間のスマホ操作などで上半身を動かさないでいると、肋骨周りの筋肉が凝り固まる。
2.肋骨が柔軟に動かなくなることで開きやすくなり、内臓が下垂してしまいポッコリお腹に。
3.肋骨が開くと姿勢が悪くなり、骨盤が前傾し反り腰が加わる。さらに肩が前に入り猫背状態に。
4. 肋骨ケアをすることで、ポッコリお腹解消だけでなく、呼吸もしやすくなり体調改善効果も。


- TEXT :
- Precious.jp編集部